またしても当たりが出ちゃいました。
黒江が(好きで)オススメできるコンポーネントに1つでも多く出会える(発売される)ことは本当に嬉しいことです。
(試聴がなかなかできない方も多いかと思いますが、)それぞれのレポートを見比べて、ご自身に一番合いそうなサウンドを選択する一助になれれば光栄です。
今回はLUXMANからの新製品である「D-38u」です。
往年の名機のアンプ「SQ-38」復刻モデルの「SQ-38u」のつがいとなる位置づけで発売されたCDプレーヤーですが、
出力の際に通る回路に「真空管と半導体」を切り換えて聴くことが出来るという画期的な機能を搭載しています。
【THE STRANGE CASE OF DR. JEKYLL AND MR. HYDE】
2つの出力方式の印象をそれぞれ書き出してみます。
solid state (半導体)
●スッとした切れ味と、タイトな音・音像。(Aura neoほどではありませんが、十分にハイスピード・シャープ・抜けのあるサウンドです。)
●音の立ち上がりが明快で、良好な定位感。(伸びのある、絡みつくような、いわゆるLUXトーンではなく、堅牢さ、真面目さ、丁寧さなどはありつつも思いきりの良い張り出すようなサウンド。)
●バランスの良いレンジ感。(キンキンなヒステリック高域でもなく、ズンズンの重量級低域でもなく、ウェルバランスでフラットなレンジ感。)
…と、何はともあれ黒江が好きになるには、ポップやメタル・ロックが鳴らせなきゃはじまりませんが、全然イケます。
LUXMANのCDプレーヤーと言えば、ハーフサイズの小型CDプレーヤー「D-N100」も好印象でしたが、やはり同様のメカニズム・回路を使用されているそう。
加えて言えば、(一般的な16bitの)CD専用機。SACDは掛からないタイプなのです。やっぱり専用機だよ!と。
かなり印象が良かったので、今度は真空管に切り換えて聴いてみたところ…
「うわー、全然違うじゃん!つーか、明らかな違いを付けすぎでしょー。(笑)」
と思わず笑っちゃうくらいの違いなのです。
vacuum tube (真空管)
●音の伸び・余韻が長く、ふわーっとした温もりのあるサウンド。
●音の線がやや太く、芯にしっかりとした(良い意味で)肉付きが感じられる。
●音に厚み(皮の厚みなど)があり、グッと密度の高いサウンド。
●(半導体がドライというわけではないが、)暖かくしっとりとした音色。
…と、(まあ)一言でいえば「歌もの・バラード・ストリングス・R&B」なんかを聴いたら一発でやられちゃいそうな感じなんです。
真空管はいかにも真空管らしいサウンドと言えばそうなのですが、ちょっと音作りし過ぎ?でも、(素直に真空管を通せば)これが自然と出てくるサウンドなのかも…。と、色々考えてみたものの、余計な詮索はやめにしました。
「これ、ちょっと反則でしょー。」「でも、こういうの欲しかったですよー。」なんて、かなり物欲をかき立てられるサウンドでした。
二重人格というか、まったく共存しないはずの音色が1つの体に共存してしまったという「ジキルとハイド」なヤツでした。
ちなみに、(カタログでも高音質を謳う)ちゃんとした独立回路部を持ったヘッドホン出力が搭載されているのですが、このヘッドホン出力にも「vacuum tube と solid state」の切り換えが有効です。(実際音質もかなり良く、各キャラクターの違いが耳に取るように感じられました。)
メタル良し、バラード良し、深夜のリスニングも良し、お値段もそこまで高くないと思います。(CPは抜群です!)
あとはデザインさえ気に入れば!ってところでしょうか。(TEAC/NuForce/Auraなどの小型アンプとの方が合っている気がします。)
http://www.luxman.co.jp/product/dp_d38u.html
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