今までに相当数のB&W製スピーカーを聴いてきましたが、この「CM5」は久しぶりに個人的なヒット(好き)でした。
(もちろん、良いなあと思ったことはたくさんありますが、自分のツボではなかったので。)
【サウンドクオリティはNautilus800シリーズ譲り、サウンドカラーは600シリーズ譲り。】
600シリーズと800シリーズの中間なのですから、700シリーズ(一昔前で言うNTシリーズ)なのでは?…と思われるかもしれませんが、ミッドレンジに厚みを持たせた700シリーズとは異なり、レンジの広さを感じさせる800シリーズの血をより濃く受け継いでいる印象があります。
加えて、800シリーズのエレガント且つウエットなサウンドに対し、どこなく暖色系のサウンドを狙っていたように感じていた700シリーズでしたのが、このCMシリーズは「エレガント&クール」を狙っている印象でした。
そういったことも含め、サウンドのルーツは800シリーズから来ているのではないかと思うのです。
(無論、あのちょんまげのようなNautilusツイーターを搭載していないのですから、よほど700シリーズの方が800シリーズの直系と考えられて自然だと思いますが…。)
下位の600シリーズは(前身のDMシリーズより)以前よりホームシアター用途を強く意識して製作されている印象が強く、そのサウンドもB&Wのイメージらしからぬドカンとした音作り。
メリハリが強く、バンバン鳴ってくるタイプで”おしとやかなNautilus”に対して”ちょっとじゃじゃ馬”感のあるサウンド傾向です。
その分、ロックやポピュラーなんかは元気に、それでいてほんのりB&Wらしさを感じさせてくれたので僕は意外と支持していました。(主にDMシリーズの時ですが。)
本題に戻りますが…
【メリハリが利いてコントラスト・スピード感に優れたサウンド。】
CM5は一言でいうとこんな感じです。
とにかく「ハリ出してくる」という印象が強く、それでいてB&Wらしく繊細さも持ち合わせています。
実は、下位機種にCM1という小型モデルがありますが、(発売以前からかなり期待していたんですが…)無理して出しているような低音の印象が(僕は)好きではないので、このCM5にも実は期待をしておらず…。(随分遅くなりました。)
…が、このCM5は帯域バランスが素晴らしいです。
苦しそうに鳴ってしまうことがあるCM1に対して、何とも自然でスムーズな低域。
全体的に鮮やかで、ちょっと華やか、明るめのサウンドですが、派手とかケバイという印象は皆無でとても「良い加減」ではないかと。
その鮮やかさ、発色の良さから、少し音が滲みっぽく、細かさがもう一声欲しかった部分もありますが、僕の総合的な評価は上々でした。
(CM1とこのCM5も然り、N801~N805も然り、シリーズってやつはテイストは同じでもそれぞれまったく異なった鳴り方をするので、長所・短所は共通せず、横一線で評価できませんが)Nautilus805を若者向け?にした感じ…加えて言えば、「ATC SCM7とrevolver MUSIC1の中間的サウンド」と思いました。
こんな事ならもっと早く聴いておけば良かったです…。
…と、よくある「シリーズ中1つだけ聴いて良し悪しを判断してしまった悪い例」だと改めて勉強になりました。
その逆も然りで、「シリーズ中1つだけ聴いて良いと思ったからすべて良いはずと思い込む」や、
「(前述の通り)シリーズを横一線・同列に、一様に、褒めちぎっている(評論家やレビュー)」のは僕は間違いだと思っているので、(こんな感性で申し訳ないですが)僕のレポートを参考に「1人1人それぞれの」自分に合う音、好きな音を探してもらえたら幸いです。
ちょっと製品レポートとは関係なくなってしまいましたが…。(^-^;
僕は「CM5」結構好きです!
http://www.bowers-wilkins.jp/display.aspx?infid=3978
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