LUXMAN DA-100

話題の新製品を軽めにレポートいたします。

【ほんのりLUXトーンの省スペース実力機!】

はじめに黒江的ポジションからの結論を述べておきますと…
黒江的好み度は“C”前後(“B-”に入るか入らないか)ではありますが、音質という面ではかなり高く評価したいモデルです。
もちろん、価格(定価71,400円)が価格ですので『100万円クラスと聴き比べても引けを取らない!』なんてことは言いませんが、お好みに合えば倍近くの製品よりも魅力的なサウンドに感じられる方がいらっしゃっても何ら不思議ではないくらいに『サラッとさりげないハイクオリティ』なサウンドの印象です。

「サラッとさりげない」とある通り、音は比較的スッキリ系で、滑らかに・しなやかに・緩やかにといった濃密さを感じさせるサウンドではなく、(ちょっと他の方とは意見が異なるみたいですが、)いわゆるラックストーン(ラックスマントーン)・ラックスサウンド(ラックスマンサウンド)とは異なる癖の少ないサウンドの部類に入ると思います。

具体的には…
●(価格的に突出したのもではないが)高いS/N感と解像度で繊細かつ丁寧に1音1音が作られている印象です。
●帯域のバランスは(黒江的には)極めて自然であり、低域が持ち上がったり、キンキンとした高音を入れ込んでくる傾向ではありません。
●ラックストーンではないと言いつつも、ややしっとりしていたり、(ややウェットな感じに)艶がかっていることからも(見出しにある通り)ほんのりとラックストーンを感じさせる“薄化粧サウンド”と呼びたいイメージです。
●スピード感は“鈍足”ではないですが、お世辞にも“ハイスピード”とは言えず、“普通くらい”といったところです。
●サウンド全体も“シャープ”とは言えませんが、緩々としているワケでもないので“ややタイト”といったところです。
●総じて、音に個性(キャラクター)を加えてくるタイプではなく“ニュートラル”“ナチュラル”といった印象の方が勝ります。
●J-POPや歌物・アコースティックなどは相性バツグンだと思います。

…と、ここまでは注目の機能である『デジタルフィルター』をデフォルトの“df1”(FIR)で聴いた印象なのですが、“df2”(IIR)に切り替えると…
●しっとり感・ウェット感などが抑えられて、音抜けが1抜けも2抜けも向上します。
●音がシャープになり、ちょっとエッジが立ってビシッとしたサウンドに傾きます。
●ギターの歪みやシンバル、シャウト系のボーカルのザラザラ感といった分解系のサウンドが鮮明になります。
(悪く言えばスカスカした感じ、粗っぽくなった感じとも言えますが、これにスピード感が加われば黒江の好み度は一気に“A-”くらいまで上がりそうな感じです。)
●今時の疾走系メタルはちょっと無理そうですが、ハードロックやトランス、テクノなどあまり速すぎないサウンドであれば気持ち良く聴けそうです。
(“df1”(FIR)を“薄化粧”と称するなら、“df2”(IIR)は“(近所で見かけるような=お高くない)すっぴん美人”とでも呼びましょうか。)

…ということで、聴いてみる前は「大人向けのサウンドかなぁー」と思っていましたが、『デジタルフィルター』のおかげもあって10代~40代くらいまでの「J-POPやロックが好きな世代」にもオススメしやすい1台です。
黒江自身も「歌物を中心で聴く時用に1台買おうかな…」と思ったくらいですので、ぜひ「はじめての1台に」「2台目のサブに」と、ご検討いただければと思います。

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