NuForce IA-7 V3

現在、注目度ナンバーワンと言っても過言ではないだろうと思われる、NuForceのインテグレーテッドアンプ「IA-7 V3(Version.3)」のレポートです。

【熱しにくく、冷めやすい、クールなアイツ。】

しかし、早くも第3世代ですね…。なんだかペースが早過ぎる気がするんですが。
SHARPの1bitアンプのそれを思い出すのは僕だけでしょうか。
SHARPの1bitの時は(サンプリングの回数≒速度が)2.8MHzからはじまって、第2世代で倍の5.6MHzに、第3世代では更にその倍の11.2MHzになったのですが、僕は世代が進むごとに好きな音ではなくなってしまったので…

『当時、SHARPの1bitアンプは第1世代は「デジタルアンプらしい」立ち上がりの早いすっきりとした音だったのに、専門誌とかで「デジタル臭い」みたいに言われたからか世代が進むごとに「わざとらしいアナログ感」を作ったような音になってしまったのです。』

…今回のNuForceにもあまり期待を寄せてはいませんでした。
とは言え、とにかく聴いてみなければ何とも言えません。早速いつものようにアグレッシヴなメタルを聴いてみました。

「…はぁ、やっぱダメかな。」第1世代のNuForceは僕も所有しているくらいに「もの凄くクリアで精密、細かいのにハイスピード。」ここ数年の中では(同価格帯的に)「これ以上はないんじゃないだろうか…。」というくらい好きだったのですが、第2世代では”らしさ”は残すものの随分とお上品になってしまったのです。
パッと聴いた印象は更に好きではない傾向になっている印象で、やはり前述の1bitアンプに通ずるものがあります。
いや、それ以下かもしれません。なんだかどうとも言えない不完全燃焼気味のサウンドなのです。

そう言えば(第1世代の)IA-7Eも立ち上がりはグズグズでした。(うちはプリアンプとして使用していたので、そこまでは気にならなかったのですが。)
「暖まらないとダメなのかも。」と思い、とあるスピーカーのエージングを兼ねて(爆音で)ザクザクのギターとシャウトで暖機運転をさせておくこと1時間。

(当たり前ですが、)全然違いました。これかなりスゴイです!
音がしっかりと揃っていて、吹き抜けるようなサウンド。
「直線的で突き刺さるような」第1世代に比べると、「少し広がるようなハイスピードの音場タイプ」になっていますが、特に低域の解像度が高く、全体的にも(以前から定評だった)解像度が更に向上しています。

以前は(もう少し鋭角な音場だったので)奥から頂点に向かった奥行き感がバンドサウンドからボーカルを剥がしてくれていましたが、IA-7 V3は音がやや前に来ず、これに関しては以前の方が優勢であった印象です。
ただ、線の細いイメージだったIA-7E(ないしP-8)に対し、力強さが加わっているので兼ねてからのクールな印象と相まって絶妙なバランスではないかと思います。

以前から引き継いでいるものは…
●S/N感の高さ(情報量が上がっている分、すっきり感は以前の方があったかな?)
●解像度の高さ(特に低域は更に向上しています。)
●嫌味のない広がり(スッと自然に広がるのが同社の持ち味だと思います。)
●ハイスピード(突っ込んでくるタイプのハイスピードというよりは、抜けの良いタイプのハイスピード。)

V3で加えられた要素は…
●情報量(やや厚みが出て、パワフルに。)
●”クール”に、やや”熱気”が加えられた。
●全体的に(良くも悪くも)バランスが取られた。

結論…
第1世代と同じものだと思うと期待はずれかもしれませんが、受け継ぐところはしっかりと受け継ぎつつ、第3世代にしかない仕上がりになっています。
(またすぐに第4世代になっちゃうかもしれませんし、)とりあえず第3世代は”買い”です。

P.S.
なんとなくですが、プリや(特に)パワーはまた別のサウンド傾向であるような気がします。
このレポート(だけ)を読んで、プリ(単体)やパワー(単体)を慌てて買われないようにお願いします。

http://www.nuforce.jp/products/ia7v3_01.html

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
manager@digitalside.net

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.