「黒江先生…!! オーディオがしたいです……」
…と涙ながらに言ってきたかは、どうだったかよく覚えていませんが、2人の青年が“あくる日”にいよいよオーディオ導入の決意を固めてくれました。
(仔細は割愛しますが)2人とはプライベートでも仲が良く、僕の良き理解者でもあり、いつも応援してくれていますので(僕がザ・ステレオ屋の経営を支える)店長であることも、誌面等への執筆(内容など)もよく知っていてくれていることと思います。
なので、よく知っている仲だからこそ、(自分の商売である)オーディオを押し付けるわけにはいきません。
それでも、イベントや来店時には「やっぱちゃんとした音で聴くと違うなー」「欲しいんですけどね…」などと言ったり、こちらからも「そろそろ買ってみる?」なんて会話があったりして、「じゃあ次のボーナス出たら相談に来ます」みたいな“未遂”レベルまでは話が深まったりとしていました。(具体的に何機種か紹介してあげたりも…。)
そんなかんなを繰り返しながら月日は進み、前述の“あくる日”を迎えます。
『予算の壁と無駄買い(を避けるため)のジレンマ。』
ここからは会話方式で書き出していきます。(略記は黒江→黒・番場→DB・湯川→HY・番場&湯川→2人)
(くどいですが2人とは仲がいいので黒江が敬語ではないのですが、何卒ご理解ください。)
黒「とりあえず、具体的な予算はどのくらい?」
2人『10万円くらいは確実に出せますが、それだと足りませんか?』
黒「(年齢的にも)やっぱりそのくらいだよね…、(2人は)楽器とかも買うしね。 組み合わせによってはもう少し…ってなるかもね。」
2人『どんなのが候補ですか?』
黒「音の好みにも拠るけど2人は俺(黒江)のリファレンス的なサウンドの方向性でいいのかな?」
DB『自分は今までたくさん聴かせてもらってきて、それでOKです。』
HY『僕も大体OKで、もう少しだけ聴き比べたいです。』
黒「了解です。そしたら、次は大きさの制限かな。(いくつかのスピーカーを見せて)この大きさまでしか入らないってある?」
DB『自分のところは他に物が少ないこともあって大体置けそうです。』
HY『僕はできれば(かなり小さめのモニターを指して)このくらいがいいです。』
黒「PCとか置いてるデスク上の両脇に置きたいんだっけ?」
HY『そうですね。』
黒「了解、だいたい分かったので今日はとりあえずENTRY Siを聴いてもらっておこうかな。」
…と、2人の予算、HY君の大きさ制限に見合って、もっとも黒江がオススメしやすいALR/JORDAN [ENTRY Si]を(とりあえず)聴いてもらうことに。
(試聴後)
2人『音の方向性はいい感じだったので、ザ・ステレオ屋さんのお勧めから選んでもらえれば。』
DB『ただ、自分は結構前から何度も聴かせてもらってきたので、(どうせ買うなら)もう少し上のランクのスピーカーも捨てがたいかな…と思いました。』
HY『僕もENTRY Siは価格・大きさからしたら相当良いと思えたんですが、リファレンスのスピーカーと比べると…。』
2人『悩ましいところですね。』
…とと、ここで(見出しの通り)当初の予算と(本当に欲しいなと思える)実際の予算のジレンマが生じてきてしまいました。
焦って買うこともないですし、HY君は設置の工夫などができるかもあったので「どんどん上げていくつもりは無いけれど、予算に関しては今一度検討してもらうプランも提案させてもらうかも」…と(設置予定空間の採寸もお願いしつつ)2人には伝えて一旦お開きにいたしました。
一先ずは予算で買えるものを買って、後々(人によりますが数か月~数年)に入れ替えていくのもオーディオ購入のセオリーですが、(一先ず買ったものを下取りなどするにしても)買い替える回数が多くなるほど結果的な出費は大きくなるので時には予算を上乗せしてでも長く付き合えるものをセレクトする方が賢明な場合もあります。
2人はどんなプランを選ぶのでしょうか…。次回に続きます。