Pioneer PD-50AE

12月 7th, 2020

今回はPioneerからの新製品であるSACDプレーヤーをご紹介させていただきます。

【名機となるか、集大成プレーヤーの放つ輝き。】

まず先に1つ述べておきますと、このPD-50AEはベースが(2017年秋発売の)PD-70AEということであり、実質的にもかなりPD-70AEに近いサウンドとなっておりますので以下のリンク先(PD-70AEのレポート)も参照いただけますと幸いです。
http://www.digitalside.net/?p=993
※「“デ***”と“ネ****”が良くないのでは…?」となっているところはデザインとネーミングですね。(何で伏字にしたんだろう。笑)

ネーミングについての疑問は本機でも同様で、70AE→50AEとなると2クラス以上は下のイメージですが実際は若干のコストダウンモデルといった印象なので(65AEでもよいくらいで)60AEくらいが妥当ではないかと思うところではあります。(プライス的にも僅かですしね。)
また、PD-70AEは現状では終売になりそうであるため、このPD-50AEは実質70AEのリプレースモデルと言っても過言ではなさそうです。
その点なども踏まえた上でレポートしていきたいと思います。

■Pioneer [PD-50AE]
●やはり高いS/N感と解像感が顕著ではありますが、S/N感重視のクリア系だった70AEに比べると、50AEはやや情報量(高密度)系に拠っているような印象です。(当店ならではのワードだと70AEの方がややハイスピード系、50AEの方がややアグレッシヴ系といったところです。)
●70AEと同様に全帯域が揃っておりバランスは良好、凸凹感の無いすっきりとした出音であり、立ち上がりもスピーディです。
●70AEよりは硬質感は感じさせず、その分“張りのあるサウンド”の印象があります。低域はタイトで量感も過不足無く好印象、高域もしっかりと伸びておりやや鮮やかさや明るさの高めの印象があります。
●70AEと同様にやや“ウェットさ”を感じますが、声の再生に関しては色気や艶、パワフルさに繋がっており生々しさが魅力的です。
○70AEに比べるとやや1音1音の粒が大きい印象です。※後述のD-03X比較にて
黒江的好み度:S

…と、このようなサウンドに仕上がったようですが、すべて通常のCD再生(44.1kHz/16bit)での考察となっており、且つDIRECTモード時のものとなっております。※アップサンプリングモードなどにすると音場が広大になりますが、音像がややぼやけ、低域もゆったりと床を這うようなサウンドに変化します。→これだけ変わる(変えられる)なら「それはそれで使い勝手が面白い」とも言えると思いますが。
(なお、PD-70AEとの直接比較はできておりませんが、以前のレポートやLUXMAN D-03Xとの比較(D-03XとPD-70AEの比較時の記録を参考に)で一部述べさせていただいております。)

(動画https://youtu.be/Zzc0oc8k-yUにもある)現在のリファレンスLUXMAN D-03Xとの比較試聴に於いてはシャープさ、分解能、切れなどはD-03Xの方がやや優勢、情報量と低域の深さ、空間の広さはPD-70AEの方がやや優勢といったところですが、個人的な好みの範囲かと思いますので(動画も参考に)吟味していただけますと幸いです。

(色々と大人の事情もあって)流通量が非常に少ないプロダクトとなっておりますので、ご購入の際はお早めにご注文していただけますようお願い申し上げます。

LUXMAN L-595A LIMITED

11月 5th, 2020

今回はLUXMANの新製品をレポートさせていただきます。

【遂に出会ってしまった…(黒江的)史上最高のA級アンプ!】

まず先に幾つか述べさせていただきますが、プライスが税別98万円と高額なモデルでありますのでビギナーさんには大変恐縮でありますこと、加えて製品名にLIMITEDが付いている通り限定数300台とのことなので常時入手可能ではないモデルになりますことを予めご理解いただけますと幸いです。

…と、見出しで既に匂わせていますが、少しハードル(敷居)が高いプロダクトでありながらも強行にレポートを書かせていただきたくなるほどに素晴らしいサウンドであったので早速レポートしたいと思います。

■LUXMAN [L-595A LIMITED]
●純A級、クラスAのアンプというと(やや安直なイメージですが)力強さ、音の吹き出しの勢いなどは優秀だけれど(AB級やクラスDに比べると)濃密でややクリア感には欠ける(物も中にはあるかな…といった)イメージがありましたが、このL-595A LIMITEDはそんなイメージを払拭させてくれました。
●もちろん、A級らしい力強さ、音の吹き出しなどはしっかりと(抜群に)備えており、1音1音が引っ掛かりを感じさせず“スッ”“バッ”“ドンッ”“ガッ”と鮮烈に明瞭に明確に放たれます。
●その上で特筆したいのがA級アンプの土壌・基調をベースにしつつも、S/N感・クリアさの高さと高音の伸び、キレの良さと突き抜けるスピード感といった音調が上乗せされており、(当店でいうところの)アグレッシブ系(の中低域)にハイスピード系(の中高域)をアドオンしたようなサウンドになっております。
●とは言え、無理やり乗せた(合せた)ような違和感は無く、低域~高域まで見事に調和されていて不自然さはありません。
●低域はしっかりと引き締められていてタイト、ビシッと定位しブレがありません。中域は音の切れ、立ち上がりが鮮明で張りがありながらもシャープに分解されています。高域は(今まで聴いてきたA級の中に於いても)驚くほどによく伸びていてキンと高く張り詰めながらも歪みっぽさの無い透明感を感じさせてくれます。
●加えて音の抜けも良好、スピード感もハイスピードと呼べるレベルでありハイレスポンス、スピーカーからリリースされた音が一瞬で(耳の中で)消えてなくなるような印象です。
○強いて言えば「逆に言えばあまりA級らしい(分厚くて、濃厚で、熱い)サウンドではない」ように感じられました。
黒江的好み度:S (~S+→括弧付きの理由は最下段にて)

…ということで「久しぶりにすごいアンプ聴いてしまった…圧巻だ」と思わず呟いてしまいましたが、非常に能力の高いアンプではないかと思います。
ただ、前述の通り(当店の試聴音源・環境では)ホット・ウォーム系のサウンドには感じられず、むしろクール系のサウンドの印象の方が強い点や、そのルックスなどからもオールドLUXを想像しやすいのですがオールドLUX(LUXトーン)には程遠いと思われるため、その手のサウンドを期待されている方にはベストなチョイスとはならないのかもしれません。

個人的には(以前から高く評価させていただいている)L-550AXIIを最高峰・極限までブラッシュアップさせたサウンドなのではないかと感じておりますのでL-550AXIIのレポートも併せてお読みいただけますと幸いです。
LUXMAN L-550AXIIのレポートはこちら↓
http://www.digitalside.net/?p=922

しっかりとしたサウンドでありつつ、こんなに抜けやキレ、スピードを併せ持つアンプから放たれるサウンドは今までに感じたことのない感動・感激・感嘆でした。

製品のお問い合わせ等は↓こちらのアドレスまでお願いいたします。
manager@digitalside.net

P.S.
(黒江的感性ではございますが)デザイン性を無視すれば好み度は「S+」ということになります!
(オーディオの評価に「デザインを含めてもよいのかどうか」でS~S+ということです。個人的には音だけでよいと思いますが…。)
このままサイズダウンとプライスダウンとデザイン少し変えた廉価モデル出ないかしら…。笑

ELAC DS-A101-G

10月 30th, 2020

今回はやや遅ればせながらになりますが、以前から非常に気に入っているリファレンスアンプをレポートいたします。

【機能性・機動性と抜群のサウンドに省スペースとGoodデザインの名品。】

まずはじめに動画配信(下記URL)の詳細欄でも述べている通り、このアンプのサウンドは旧モデル(EA101EQ-G)とほぼ準じているためレポートを率先して書いておりませんでしたが、その後使い続けてゆくにしたがって“どんどん魅力に取り込まれる”プロダクトでもありましたので少し遅ればせながらになりますが題材とさせていただきました。

動画URL
DALI OPTICON 1 and ELAC DS-A101-G
https://www.youtube.com/watch?v=75Y6XwqZKsY

Nmode X-PW1 MKII vs ELAC DS-A101-G
https://www.youtube.com/watch?v=P2X6YDIeTVA

旧モデルEA101EQ-Gのレポート
http://www.digitalside.net/?p=967

サウンドの特徴などはEA101EQ-Gのレポートを参考にしていただければと思いますが、改めて聴き直してみると新モデルDS-A101-Gは旧モデルEA101EQ-Gよりもクリア感、抜け感が改善されていてよりハイレベルのサウンドになっている印象があります。
(クリアさと抜け感が向上することで、1音1音のキレや定位感、スピード感も相乗的に改善されており(黒江的に)より好みに近づいてはおりますが、旧モデルでも既に好み度[S]とさせていただいておりますので好み度は引き続き[S]にしたいと思います。)
とは言え、やはり全体的にパワフル・ドライブ感・アグレッシブといったワードの方が直感的に浮かびやすいサウンドが基調となっておりますが、その分歌物やアコースティックなどはより自然なナチュラルテイストとも言えますし、硬質系・寒色系のサウンドではないことからも(ジャンルを選ばない)“ストレートな傾向のアンプ”といった位置付けでよいかと思われます。

…と、今回あえてレポートを書こうと思った最大の動機ですが、見出しの通り、その機能性・機動性が1つにあります。
まずは豊富な入力端子(機能)として、LINE入力(2系統)・同軸デジタル(COAXIAL[COAX])・光デジタル(OPTICAL)・有線LAN(ETHERNET)・無線LAN(Wi-Fi)・Bluetoothなどを装備しており、(おそらく)オーディオ周りほぼすべてのプレーヤーなどを接続することが可能です。
中でも注目なのがネットワーク対応という点であり、音楽サーバー(DLNA/UPnP)やSpotify、AirPlayやRoonを気軽に手軽に楽しめるのが「正直こんなに有意義だったとは」実は最近まで気が付いておりませんでした。
※音楽サーバーの再生は各種別アプリを使用(アプリに拠って操作に難点が生じることもございますが、環境依存の問題でもありますので詳細なサポートは出来ない場合がございます。)

なお、この有意義さにはもう1つのポイントがあるのですが、それが(スマホ)アプリの存在です。
製品と同名のDS-A101-Gというアプリでは「各種入力の切り替え」「ボリューム制御」などの機能は当然のこと「(高音・低音の加減を調整できる)イコライザー機能」「(サブウーファー端子に繋いでいれば)サブウーファーの音量調整」「スピーカーの左右バランス」「ディスプレイの輝度調整」などなど、ほぼすべての機能をアプリだけでコントロールできるので、アンプに触ることなく(近寄る必要も無く)思い通りに使うことが可能です。

…ということで(元々はサウンドだけでも高評価だったので)サウンドは抜群でありましたが、使い込んでみたら「機能の充実さ、便利さに驚いた」ということで、多くの方にお勧めしやすい1台ではないかと思っております。

P.S.
個人的にはデザインも非常に好みです。
デザインの好み度:S (笑)

marantz SACD 30n and MODEL 30 (postscript)

10月 12th, 2020

新しいラインナップとなるmarantz 30シリーズ、3連載の最終編です。
新製品をカップル(つがい)で聴いた時のまとめを簡潔にレポートさせていただきます。

【相性は良好、お互いのウィークポイントを補完し合える関係。】
(…とはいえ、ウィークポイント(弱点・欠点)と言うほど双方レベル・クオリティが低いことはないので、あくまで見出し的な表現ということでご理解ください。)

個別のレポートを読んでいただけると分かるかと思いますが「MODEL 30は鳴りっぷりが良いけれどやや低重心」「SACD 30nは少し穏やかだけれど高音~低音まできれいな伸び」といった感じであり、2機種を対で繋ぐことでブレンドされ、よりナチュラルなサウンド傾向としてアウトプットされます。

MODEL 30は(ドライとは言いませんが)やや(良い意味で)カラッとした傾向なのでSACD 30nのウェットさで上手く調和されています。高域のレンジ感もSACD 30nはきれいに伸びており程よく補完されている印象です。

SACD 30nは上質できれいな鳴りですが、その分音が前に向かって来ず、少し穏やかで落ち着いた音調なのでMODEL 30でドライブすると音にメリハリが付いて躍動感が付随します。やや平面的だった音場(サウンドステージ)も立体的になる印象で良いフィット感だと思います。

…と、音調・傾向的には上記のようなマッチング・フィット感となり、黒江的には好印象のペアだと考察しております。

なお、SACD 30nが多彩なデジタル入力・デジタルソースに対応しており、デジタルステーションとしての活躍が見込めるため、この『SACD 30n と MODEL 30』にお気に入りのスピーカーを組み合わせるだけでシステムがほぼ完結するので非常にシンプルで高音質・高機能なオーディオを構築することができる点もお勧めしやすいポイントとなっております。
(リモコンも1つでプレーヤー・アンプ両方の操作が出来るので扱いやすく便利です。)

ぜひセットでのご検討もよろしくお願いいたします。

P.S.
こちらの製品はショッピングサイトではご購入いただけませんので下記メールアドレスまたはお電話などで直接お問い合わせください。
manager@digitalside.net

marantz SACD 30n and MODEL 30の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=2GKrInNqJrw

marantz MODEL 30

10月 9th, 2020

前回に続いてmarantzからの新製品をご紹介させていただきます。

【中庸的アンプのベストリファレンス!】

前回のSACD 30nのパートナーとして30シリーズにラインナップされたアンプ「MODEL 30」を今回はレポートさせていただきます。
(結論から申しますとかなり気に入ってしまいました!)

■marantz [MODEL 30]
●黒江の称するところで言うとタイプ的にはアグレッシブ系に近い傾向ではありますが、(ヤンチャで攻撃的なサウンド一辺倒とは異なり)一般的なオーディオファンにも受け入れられる普遍的なサウンド要素を併せ持っています。
●S/N感・解像度・パワー感・セパレーションなどの基本的音質に優れ、それぞれが過不足無くバランスの取れたチャートを示していて“ストレートな増幅”の印象を受けます。
●いわゆる(癖の無い)ニュートラルタイプと言えますが、決して硬くなりすぎずモニター的ではありません。自然な増幅装置として(ミドルレンジ価格帯では)最高峰の一角に入る出来栄えと個人的には評価しております。
●「かなりの音のキレにかなりのハイスピード」とは言えないところですが、音の立ち上がりは良く、全帯域タイトで緩みも無く、なかなかのスピード感が相まって「抜けの良い開放的サウンド」といったイメージがあります。
●総じてまとめると『ピュア感・パワー感・ドライブ感』などが絶妙なバランスで配合されており、アグレッシブ系に少しピュア系、スピード系要素を足し込んだ(溶け込ませた)感じです。ザクザクのギターリフから、ピアノの音色、パンチのあるドラムまで隙の無いリアリティが魅力的なアンプです。
○少し高音域が穏やかになり過ぎている印象があり、やや低重心になっています。(黒江的にはトーンコントロールで高音を少し持ち上げた聴き方がベストでした。)
黒江的好み度:S

これまでは、どうしてもミドルレンジ(の価格帯)以上になると「音に色艶を足してしまっていたり」「優雅に、華やかに音楽を聴かせようとしていたり」「暑苦しいほどの情報量を詰め込んで来たり」と“プライスへの説得力”を音に込め過ぎてしまっているような印象のものが多かったのですが、このmarantz MODEL 30は価格帯に恥じないハイレベル・ハイクオリティでありつつもサラッと鳴ってくれて押しつけがましくないサウンドとなっているように思えます。
このMODEL 30と同価格帯のアンプを比べると(低価格帯に不足しがちな)解像度・S/N感・ドライブ感などにはアドバンテージを感じさせつつ、(逆に)音への化粧や余計な脚色などをすることを控えているように感じられます。(“Simple is Best”とは言いますが、なかなか簡単に出来ることではないのではないのかな…と。)

…ということで、しばらくぶりにアンプのミドルレンジ帯にお勧めの製品が入ってきてくれました。
当面は(A級アンプなのにキレとハイスピードを持つ)ハイスピード系のLUXMAN L-550AXIIと、ニュートラル&アグレッシブ系を基調に鳴りっぷりの良さとストレートさのmarantz MODEL 30がミドルレンジ帯のリファレンスになりそうです。

LUXMAN L-550AXIIのレポートはこちら↓
http://www.digitalside.net/?p=922

P.S.
こちらの製品はショッピングサイトではご購入いただけませんので下記メールアドレスまたはお電話などで直接お問い合わせください。
manager@digitalside.net

marantz SACD 30n and MODEL 30の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=2GKrInNqJrw

marantz SACD 30n

10月 8th, 2020

今回はmarantzからの新製品をご紹介させていただきます。

【家庭円満をもたらすかも?ポリバレントな優等生キャラ。】

この度、30シリーズとして装い(フェース)も新たに(デザインはレガシーモデルを踏襲しているそうですが)したラインナップが登場することになりました。
サウンドやデザイン・フォルムに関しては“最新鋭でありつつも原点回帰”といった方向性を奥底に持っているようですが、はたしてどのようなサウンドを聴かせてくれるのでしょうか。期待を胸に試聴させていただきました。

■marantz [SACD 30n]
●ファーストインプレッションとして「よい意味で無難な傾向かな…」といった印象を持ちます。基本的音質性能であるS/N感・解像感・レンジ感などなどがすべて納得のいくレベルであり、音質面に於いて一切の疑問を感じさせません。
●音色面での癖が少なく、素直なサウンドをベースに少しウェットで少し落ち着き・穏やかさのある仕上げになっています。
●派手さ、煌びやかさなどを感じさせる傾向には無いですが、(だからと言って)無機質であったり硬質な音調ということもなく、極めてニュートラルな音の部類に属します。
●同様に、抜群のキレ、スピードとはならないものの、音像感・音場感はしっかりとしていて安定型です。全帯域で音の緩み、余計な余韻などがなくすっきりとした見通しです。
●音の傾向からしてもオールラウンドタイプと言え、ジャンルを選ばずに良く鳴らしてくれますが、どちらかと言えばアグレッシブサウンドよりはソフトなサウンドの方が(より)得意に思えました。
○個人的にはもう少し硬さやシャープさが欲しかったかな…と思います。→その点だけでスピードやキレも向上しそうです。
黒江的好み度:A

…と、いわゆるオールラウンド系ですので「無難で何かに突出していないサウンド」ということで問題は無く、むしろ歓迎されるべきことと捉えておりますが、歓迎したい大きな理由としてこの「SACD30n」の持つ特徴が挙げられます。
それはSACD30nには『非常に豊富な入出力機能』が備わっている点です。CDプレーヤーとしては当然のこと、他には主なものでUSB(DAC)・有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)・Bluetooth・同軸デジタル・光デジタルに対応しています。

仮に(仮説として)このSACD 30nを『リビングに設置して家族で共有できるオーディオシステムの中核』とした場合、テレビやBDプレーヤー(レコーダー)や各種ゲーム機を同軸や光デジタルで繋ぎ、PC/MacとはUSB DACまたはBluetoothで接続、インターネットラジオ程度ならWiFiで、NASがあればネットワークのハイレゾ音源も全てSACD 30n経由でオーディオシステムで鳴らすことが可能になります。
また、普段はスマホ・タブレットで音楽を楽しまれている方も、AirPlay 2やBluetoothですぐにオーディオに接続できるので「その音の良さに喜んでくれるかもしれません」が、ロックやポップスも“無難に、安定的にこなせる”ので誰の音源(ソース)でもWelcomeではないかと思います。

あらゆる機器(人間関係)の間に入って上手く橋渡し、仲を取り持ってくれる。そんな出来る子がファミリーに1人(1台)あると素敵なのかもしれません。
まだまだ家でコンテンツを楽しむ時期が続くことと思います。ぜひこの機会に新しいファミリーを迎えていただければと存じます。

P.S.
こちらの製品はショッピングサイトではご購入いただけませんので下記メールアドレスまたはお電話などで直接お問い合わせください。
manager@digitalside.net

marantz SACD 30n and MODEL 30の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=2GKrInNqJrw

KEF LS50 Meta

10月 2nd, 2020

今回はKEF社の新製品をレポートさせていただきます。

【個性派最高峰のアグレッシブサウンド!】

当ブログでKEF社を取り上げるのは初めてとなりますが、以前より「コストパフォーマンスに優れたスピーカーを世に送り出している印象のブランド」という認識は持っておりました。
…とは言え、なかなか黒江に(blogで取り上げたいような)フィットするプロダクトには巡り合えず「KEFさんとは縁が無いかな…」と半ば諦めていたところ、ふと(今回取り上げるLS50 Metaの前身モデルである)LS50というスピーカーを遅まきながら聴く機会が訪れます。
このLS50が今までになく非常に好印象であり、ようやく積極的に展開をしようと意を決するのですが…なんと既に終売(ディスコン)という悲しい現実を目の当たりにし、「やっぱりKEFさんとは縁が無いのか」と“始まる前に終った”ような気持ちとなっておりました。

…が、密かに後継機種の開発が進んでいたようでして、この度ようやくお目見えということで黒江とKEFのストーリーがようやく始まりそうです!
いつものようにレポートさせていただきます。

■KEF [LS50 Meta]
●一聴してパワフルであり、ストレートでドシッと迫り来る傾向のサウンドです。いわゆるアグレッシブ系に分類されますが、上々のスピード感なので爽快さも併せ持っている印象です。
●旧モデルLS50からの改良点でユニット後方の不要な反響・反射をキャンセルさせる「Metamaterial」(型番のMetaはおそらくここから)が搭載され、確かにすっきりさ、S/N感や抜けは旧LS50よりも向上しているように思えます。
●相乗効果でキレや抜けも改善されており、ドライブ感の高い「ぶっ放し系サウンド」の中では屈指のクオリティに位置します。
●突き抜けるような高音の伸び、沈み込むような低音の深さ、といった超ワイドレンジタイプではないものの、上々のレンジ感を持ち、帯域バランスも良好です。
●高音は吹き出し感のある傾向でやや硬質・ややドライ、中音は力強くてバシッと畳み掛けてきます。低音はしっかりめ且つタイトで重みも十分です。
○構造上、少し独特の音場・音像感、定位感を作り出すため、好みによっては受け付けない方がいるサウンドとなります。(後述)
○繊細・シャープといった形容とは少し遠く、線の細さやエッジ感を好まれる方には不向きな傾向です。
黒江的好み度:A+

…といった感じになりますが、音の傾向はATC・Klipsch(を足して2で割った)のような質量のある1音1音の音の粒を放出するタイプでありアグレッシブさが感じられますが、吹き出し感が高く軽快に鳴ってくれるので重々しさはさほど感じられません。
特筆するとなると、やはり(KEFお得意の)独特な構造による音像感・定位感が挙げられ、同軸ユニット(高音用のユニットと低音用のユニットを同軸線上に配置する≒低音用ユニットの真ん中に高音用ユニットが埋め込まれている)なので各パート・楽器・声が上下にはあまり展開せず、一円の中に展開する聴感となります。(各パートはちゃんとセパレートしています。)
良く言えば一体感とも言え、音数が少ないソースなどではまとまりのあるテイストが非常に気持ち良く楽しめるかと思います。(音数が多くても一体感に優れた弾丸的・大砲的サウンドが魅力的です!)

イチオシスピーカーに新たに加わったNewサウンドをぜひ一度チェックしてみてください。

AIRPULSE A80

9月 12th, 2020

今回は(非常に良好なサウンドの本格派オーディオに於いては)比較的お求めやすいオールインワンシステムをご紹介させていただきます。

【機能・サウンド・サイズの三拍子を揃えた新世代アクティブモニター。】

前回のTRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER] [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]に続いてのオールインワン系となりますが、一筐体に総てが収められていたワンボックスタイプのTRANSPARENT SPEAKERとは異なり、AIRPULSE A80は左右のスピーカーが独立したセパレートタイプになっております。
右チャンネル側のスピーカーにアンプ等がすべて収められており、右チャンネルに電源ケーブルを接続し、右チャンネルと左チャンネルを(左チャンネルの音声信号で)1本のケーブルで接続するだけでシステムは完成です。

今回は(動画配信同様)オーディオ専用のCDプレーヤーを用いず、パソコンとAIRPULSE A80をBluetoothまたはUSB接続で音源(CD・ファイル・Youtube等)を再生していますが、LINE入力(RCA)で専用CDプレーヤーを接続することも可能なため音質の伸びしろはまだ残しています。

■AIRPULSE [A80]
●スピード感に優れ、音の切れ、立ち上がりなどコンパクトモニターの長所が活かされた、総じて(価格帯を超えた)ハイクオリティなサウンドとなっております。
●クリアでシャープなところからもハイスピード系に分類され、端正で鮮烈さを感じさせる印象が強く、癖の少ないモニター調の傾向に位置付けられます。
●低音の量感はサイズ的にもやや抑え気味ではありますがタイトで緩みが無く明瞭です。無理のない帯域バランスとなっており、高域~低域の位相特性(高音~低音までずれなく聴こえる)も優秀です。
●全体的なサウンドの印象は、やや硬質傾向でやや明るめで、しっとりとした音色を出してくる傾向ではありません。
○コンパクトモニターのウィークポイントでもありますが、サウンドのスケール感はあまり無く部屋いっぱいに音場が広がるような鳴り方はできません。
○サイズ的に低音の量感はどうしても控えめになりますが、ウーファー出力を搭載しているので低音の強化を図ることができます。

…という感じですが、サイズやプライスを考えると『極めてCPに優れたクオリティ』と言え、久しぶりに驚きのサウンドです。
RCA・USB・Bluetooth・光デジタルと入力も豊富であり、リビングでもデスクトップでも使いやすく、(本格的なオーディオをはじめる)最初の1台としても、すでにシステムをお持ちの方のサブとしてもお勧めしやすいプロダクトです。
(最初の1台として購入後に、しっかりとしたシステムを構築し、後にサブに回す。という流れでも使い回しが効きやすいかと思います。)

マイナスポイントを挙げるとすれば、操作系統や入力端子が(マスターの)右チャンネルの背面に集約されているので右chの背面へのアクセスがしやすい環境にしたい点があります。(左右chを入れ替えられるとより便利になりそうですが、そういった機能はありません。)
また、左右のスピーカーを繋ぐケーブルが結構な太さなので、なかなかの存在感&(見た目と質量ともに)重量感があるのも少し残念なポイントです。

とは言え、『ちゃんとした音』(→黒江的にはこのクオリティくらいからが本当にいい音と言える出発点)が出るオーディオとしては最小単位である『左右のスピーカーだけ』でシステムが成立しますので、ビギナーさんにとにかくお勧めしたいです。
『スマホ・タブレット・パソコンで聴く音も決して悪くはないですが、もうちょっといい音で聴いてみようかな』と思った方はぜひご検討されてみてください。

動画配信はじめました。

8月 11th, 2020

https://www.youtube.com/channel/UCwjwrTCAFo2D_EsTm5LqrWg

TRANSPARENT SOUND TRANSPARENT SPEAKER

7月 4th, 2020

今回は北欧スウェーデンから日本初上陸となった(ブランド名)TRANSPARENT SOUNDの(商品名)TRANSPARENT SPEAKER(SMALL TRANSPARENT SPEAKER)をレポートさせていただきます。

【デザインと感性の向こう側に見える音。】

まずは“TRANSPARENT SOUND”のプロダクトを見たことが無い方ばかりだと思われるので(正規)輸入代理店のページをご覧いただくところから、このレポートを読み始めていただけたらと思います。
https://navys.jp/transparentspeaker/

一見してお分かりいただける通り、黒江のブログでは非常に希少となる「ALL IN ONE」タイプの製品です。(オールインワンと呼ぶには少々物足りない気もしますが…。※後述)
この手のALL IN ONEタイプは、これまでにもオーディオ専門・専業メーカーからも数多の製品が生み出され、その度に当然のこととして試聴を重ねたものです。…が、その上で過去に殆ど取り上げてこなかったのは、正直に言って『単品コンポーネントから得られるサウンド・機能・自由度にはおおよそ程遠い』『デザインコンシャス(素材の質感)に傾倒しており音響面への配慮がおろそか』といった、あくまでファニチャー・ラグジュアリー・インテリア路線がメインなのだと感じ取れてしまうからです。

その上で、決して期待を持たずにTRANSPARENT SOUNDと対面の日を迎えることになりました。
一見すると水槽っぽくも見えるガラス張りのキャビネットに無造作(…ではなく計算されているのでしょうけど)にスピーカーユニットとアンプが搭載され、(黒江的には)シンプルイズベスト的ないわゆる「無機質系デザイン」(好み)の部類です。あらためて実物を見ると(家具調などとは異なり)意外とオーディオらしいルックスなことに気が付きますが、インテリアとして見ても、ガジェットとして見てもくどさが無く強烈な存在感があるわけでもないのがプラスポイントでしょうか。
WHITEのSMALL TRANSPARENT SPEAKERはA4用紙を横にしたくらいのバッフルサイズに左ch・右ch1つずつのユニット、BLACKのTRANSPARENT SPEAKERはA4用紙を縦に2枚分(つまりA3用紙)くらいのバッフルサイズに左ch・右ch1つずつのユニットに加えてウーファーユニットが搭載されています。

やはり所詮インテリア(重視に音が出せるオマケ機能)なのか、それともオーディオとして認められるパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか…。
(まずは小型のSMALLからです。)

■TRANSPARENT SOUND [SMALL TRANSPARENT SPEAKER]
●パッと聴きで思わず「悪くないじゃない!」と笑いこぼしてしまったくらいに“普通(以上)に聴けるサウンド”になっています。(あくまでもオーディオ機器ブランドでは無いため、頂いた資料では仕様等不明な点が多いのですが)構造は至ってシンプルでキャビネットは「金属フレーム」に「ガラス板(強化ガラス)」で形成されており、筐体底部に搭載されたデジタルアンプから(おそらくネットワークを経由せず)ガラスバッフルにマウントされたユニットからサウンドが放たれます。
●キャビネットに木材やプラスチックなどが使われていない事や、金属とガラスの硬質系が素材の中心であることなどから緩みのないサウンド傾向が産み出されていると推測しており、加えてユニットが(おそらく)シングルコーンタイプの全帯域タイプを使用し、アンプからストレートな信号を送り出すことによって色付けの無い素直なサウンドを実現していることと思われます。
●シングル(1way)ユニットで高域~低域をカバーしていることからも、1音1音のシャープさはあまり高くはないもののスピード感・切れ・抜けなどは上々であり、クリアで疾走感の高いハイスピード系が基調となります。加えて、音が抑え込まれる様子もなく鳴りっぷりも良好であるためアグレッシブさも感じさせてくれるのは高評価でした。
○あくまでもシングルユニットのサウンドですので、高音の伸び、重低音あたりのレンジ感は多くを望むことができません。また、大音量時にはアンプの非力さも手伝って(シングルゆえに)少し歪みっぽくなってしまうことも…。
○バッフル面が(前述の通り)A4サイズ程度あるためサウンドステージが狭く、(キャビネット全面にしかサウンドステージが展開されないため)奥行き感もいま一つといったところです。また、音場の狭さに比例してサウンドのスイートスポット(エリア)が狭いのも難点の1つです。
黒江的好み度:A

■TRANSPARENT SOUND [TRANSPARENT SPEAKER]
●“基本的”には(これもおそらくですが)SMALL TRANSPARENT SPEAKERにウーファー加え、その分アンプの出力を上げた仕様ではないかと推測しておりますが、ウーファーユニットが加わることでシングルユニット部の担う周波数帯域の負担が減り、帯域バランス・レンジ感が良好になっている印象です。
●バッフル面もほぼ倍(のA3サイズ)となるためSMALLの良い部分はそのままに音場のセパレーション、1音1音のセパレーションが向上・改善され、1ランク上のオーディオ性能を発揮してくれます。
●少し一生懸命に鳴っていた印象のSMALLに比べ、楽に鳴らせており、大音量時の歪みっぽさも解消されております。
●伴って1音1音のシャープさや分解能もかなり向上しており、かなり“ちゃんとした”オーディオで聴けるサウンドの部類に入っております。(黒江的には下手な単品コンポーネントより評価してしおります。)
○簡易EQ(トーンコントロール)が搭載されておりますが、(黒江的には)BASSは時計の9時~11時、TREBLEは10時~12時辺りがベストポジションと考えており、これ以上・これ以下になると帯域バランスが悪く、一気に混濁化してしまうように思えました。
○SMALLに比べてバッフル面がほぼ倍とは言え、やはりスケール感には乏しく、奥行き感も高望みはできません。また、(ある意味1番のウィークポイント?になるのが)ウーファーが少し右にオフセットされている関係で正面に対峙してシングルユニット側の定位を取るとウーファーから出ているサウンド(中低域)が右に寄ってしまい、ウーファーの定位を優先するとシングルユニット(中高域)の音像定位に“少し”違和感を覚えることになります。
黒江的好み度:A+

…と、あまり解説し慣れていないタイプのプロダクトゆえ色々と述べさせていただきましたが、黒江的には『これなら欲しい!』と思わせてくれるサウンドとなりました。
音的には絶対に大きい方のTRANSPARENT SPEAKERが欲しいのですが、(個人で所有するならセカンド・サブで使うことになるので)スペースファクター的にはチビ(SMALL)の方を購入することになるかと思います。
(卓上やニアフィールドであまり大きな音を出さずに普段使いするのであれば、チビの方がよりシンプルなサウンドで使いやすそうです。)

…が、1つ2つ弱点があり、1つは入力端子(方式)の乏しさで基本はBluetooth(がメイン?)にミニジャック×2のみ、USBもありますがPC/Mac連携のUSB DAC機能では無いようです。
(せめてRCA端子があってセレクターがあれば…と、どうしても思ってしまうのはオーディオ業界じみてしまっているからかな…と。笑)
冒頭で「ALL IN ONE」タイプの製品と書かせていただいているものの、機能面を加味すると「HALF IN ONE」くらいが適当かもしれません。
また、レポートの通り「サウンドの真価を感じるには真正面(耳の高さも)がベストポジション」であるわけですが、製品の方向性としてはインテリア的にさりげなく設置して音楽を楽しめるもの…とも思えるため位置付けが少し悩ましいところです。(普段はさりげなく・ながら聴き・BGMで、集中したい時は正面でガチ聴きもできるかなと。)

ギャンギャンのディストーションもビシビシ鳴るし、金物・スネア・バスも(丸くなったり、寝たりせずに)しっかり立ち上がります。(チビはさすがに控えめですが)ベースラインも緩みなく聴き取れ、シャウトも上々…といつものワードが並べられるのに絶対的なオーディオ製品ではないのは初めてかもしれません。

ホームユースであれば何かとデザイン問題・スペース(配線)問題の出易いリビングやキッチン・寝室を筆頭に、オフィス・カフェバー・美容室・アパレルなどなど、(お問い合わせの多い)「いい音で聴きたいけどオシャレでデザイン的なオーディオ」をお探しであればぜひご検討いただけると幸いです。

なお、(当ブログを以前からご覧いただいていない方)音質面のレビューは激しめのロックやメタル系、ポップス系を主に聴いての分析となりますので予めご理解ください。

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P.S.
コンポーネントのオーディオが“非”オシャレとは思っておりません!