ネットワークオーディオ report 1

1月 18th, 2011

昼ごろに起きた時などに使う「お早う」で言うところの「遅よう」みたいに、「明けましておめでとうございます」も明けてから随分経った頃の挨拶がないものかと、新年も早半月が経った頃にそんなことばかり考えていますが、とりあえず「すっかり明けきっちゃいましたが、おめでとうございます」…とでも。(笑)

今回は前回の続きとなるPCオーディオ/ネットワークオーディオレポート、ネットワークオーディオ編です。

早速、前回と同様にまずは一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

■ネットワークオーディオ
試聴機
YAMAHA : NP-S2000
marantz : NA7004
Pioneer : PDX-Z10
olive : 3HD
※すべて同じNAS・LANケーブル(汎用カテゴリー5)・HUBを使用し、WAVファイル(もちろん同じ曲)を再生しての比較です。

とりあえずはサウンドについてとなりますが、ネットワークプレーヤーには『操作性』というもう一つの大きな課題があります。
具体的には「本体(&リモコン)での操作性」「iPad/iPhone/iPod touch(アプリ)などでの操作性」「その他(ブラウザーなどから)の操作性」と分類することが出来ると思いますが、これらについては今回は割愛させていただき、機種個別のレポートで仔細をレポートする予定です。

○YAMAHA : NP-S2000
かなり濃密で重厚なサウンド。LINNの対抗馬としては現在もっとも力の入った国産機として、さすがの物量投資からもうかがえる高音質(高品質)サウンドです。…が、黒江的にはちょっと物申したいので後述します。黒江的好み度:C(~D)

△marantz : NA7004
ややしっとり、ふわっとしたような音場を描きますが、総じてニュートラルなサウンド。決して安物の音、ミニコンポ並み…などと言うワケではありませんが、(CDプレーヤーなどと比べても)USB接続時と同様にどこかボケたようなサウンドです。こちらも後述します。黒江的好み度:B

○Pioneer : PDX-Z10
試聴は(ネットワーク再生部を他のプレーヤーと同列に比較するため)LINE OUTにて外部のアンプ(いつものTEAC AG-H600)にて聴きました。1音1音がしっかりとしていて明確。NA7004とはまた少し違ったニュートラル感で、こちらはストレート(素直)といった表現の方が合いそうです。(この中では)発売時期が最も古いモデルですが、予想以上に検討してくれました。アンプ・CDプレーヤー・AM/FMラジオチューナー・インターネットラジオまで搭載していますので、これから一式揃えようかと検討されていた方にはこれ1台で済んでしまうかもしれません。黒江的好み度:A-

◎olive : 3HD
前回のPCオーディオ(USBオーディオ)のレポート時にも「(最初は)やっぱりUSB接続の音は良くない」と書いたように今回も「(最初は)やっぱりネットワーク経由の音は良くない」といった印象でしたが、このolive 3HDなら『今すぐにでも欲しい』と思えるほどに悪いイメージを払拭してくれました。サウンドは僕の好きなクリア&シャープ&ハイスピード系。…というよりも、CDの音をそのまま聴いているような感じ(詳しくは後程)です。黒江的好み度:A

…と、こんな感じです。
「後述」とある通り、もう少し色々と書きたいことがありますので次回に続きます!

PCオーディオ report 1

12月 15th, 2010

さすがに12月は忙しくて遅筆気味になっておりますが、『PCオーディオ/ネットワークオーディオレポート』をお送りします。

まず、PCオーディオ/ネットワークオーディオという分野では『音質(クオリティ)・音色(傾向)』と『使い勝手・設定・操作性』の2つのセクションで製品のレポートを書くことが出来ますが、1つ1つのアイテムを一気に書いていくのは(時間的に)厳しいので、まずはいきなり(スクランブルテストの)総評から入ってみようと思います。

総評は「USB接続でPCオーディオとして使用したケース」と、「NASを使ったネットワークオーディオとしてのケース」で大きく2つに分けて書きます。
(marantz NA7004のように)双方の機能を持っている機種に関しては両方のレポートに登場してきますので合わせて参考にして頂ければ幸いです。

第1回目の今回はUSB接続でのいわゆる「PCオーディオ」での各製品の比較試聴レポートです。

■PCオーディオ
試聴機
ORB : JADE-1
LUXMAN : DA-200
north star design : Essensio
PhaseTech DIGITAL : HD-7A
Aura : neo
marantz : NA7004
sonicweld : diverter
※すべて同じUSBケーブル(FURUTECH : GT2 USB-B)を使用して同じPCと接続し、foobar2000(Windows XP + ASIO4ALL)にてWAVファイル(もちろん同じ曲)を再生しての比較です。

まずは一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

◎ORB : JADE-1
1音1音がタイトで鳴りっぷりが良く、躍動感・ドライブ感・アグレッシブさのあるサウンド。HARD ROCKには最適だと思われます。黒江的好み度:A

◎LUXMAN : DA-200
往年の「LUXトーン」はあまり顔を出さないものの音がしっかりとしていて、高い情報量をさりげなく(押しつけがましくなく)聴かせてくれます。黒江的好み度:B

◎north star design : Essensio
シャープでクリアネスでハイスピード。キレのあるタイプが好きな方にはイチオシです。黒江的好み度:S

◎PhaseTech DIGITAL : HD-7A
USB接続時の音質(クオリティ)だけを取れば今まで聴いた中ではベストです。音の密度感や厚みがあり、音場(空間表現)も広く滑らかです。黒江的好み度:B-

○Aura : neo
CDプレーヤーとしてのサウンドと比べるとやや低重心となってキレとクリアネスが鈍るものの、切れ込むような音の飛び方、スピード感の高いサウンド。黒江的好み度:A

△marantz : NA7004
(他と比べて)多機能な上に価格が安いためか、他のものに比べるとすこしこもった感じがあり、抜け・見通しがやや悪いです。サウンドは早くも遅くも無く、硬くも軟らかくも無く…といった中庸的です。黒江的好み度:B

○sonicweld : diverter
ちょっと番外編ですが…USBを同軸デジタル(=COAXIAL[コアキシャル]またはS/PDIFと表記する場合もあります。)に変換するユニット。驚くようなスピード感とアグレッシブさですが、やや粗い感じも…。PCのスタビライザー(振動止め)にもなるとのことですが、(寸法測り忘れたけど…)Mac miniとほぼ同じくらいのサイズなのでMac miniの上に乗せたらピッタリな気がします。(サウンドもMac miniに最適化されているのかもしれませんね。)黒江的好み度:A

くどいようですが、もっとも多機能な上にもっとも安価なので仕方がないのですが、marantzのNA7004を最初に聴いたためか「(最初は)やっぱりUSB接続の音は良くない」としか思えませんでした。(marantzさんゴメンナサイ…。)
どう悪いのかと言えば「音がこもった感じ」というのが一番で、次いで「輪郭が甘い(≒音がぼやけている)」「音にキレがない」「音の粒立ちが悪い」「音の立ち上がりが丸い」などです。
(…と、これは簡単に言えば「僕の好きな音に必要な要素が少ないだけ」とも言え、逆に言えば情報量(音の濃さ・なめらかさ・音場の広さ)のあるサウンドとも言えるのかもしれません。)

更に言えば、これは音のクオリティが高かった「HD-7A」や「DA-200」においても(もちろん音がこもった感じはありませんが、)同様の傾向があって「言わばMP3やWAVを聴いているのにデジタルっぽくないサウンド」を各メーカーさんが意識的に作っているのかもしれません。
(理屈的には情報量がCDプレーヤーより高いはずなので、僕の感覚がおかしいのだろうと思っていましたが、その後に「Essensio」や「JADE-1」を聴いて安心しました。笑)

そんな中、「Essensio」や「JADE-1」はかなりスッキリしたサウンド傾向で特に192kHz/32bit対応で専用ドライバーを使用するEssensioには目を見張りました。
JADE-1は「USB音源としてかなり力を入れている」というメーカーのPR通り、例え低ビットレート(128kbps)のMP3であっても高いS/N感と音数が秀逸で“不可逆圧縮”(=元の状態に戻せない圧縮方式)とは感じさせない再現をしつつ、音の輪郭や立ち上がり、芯の失われないサウンドを聴かせてくれます。
(黒江的に)そのJADE-1の更に上をゆくのがEssensioで、スピード感・鮮度感・切れ・定位・S/N感と兎にも角にもイチオシです。

…と、今回の試聴機器の総評ですが…
USB接続での音質の高さだけを単純に述べれば「HD-7A」と「Essensio」が頭一つ抜き出ている印象で、次いで「DA-200」と「JADE-1」でしょうか。
クラシックやボーカルものを好まれる方は「DA-200」「HD-7A」を、ROCK・POP系の方は「JADE-1」を、METAL派には断然「Essensio」ですね。
更にヘッドホンでの使用が多い方は「DA-200」「JADE-1」のヘッドホン出力の音質が抜きん出ています。(下手なヘッドホンアンプを買うよりも高音質かも…。)
CDプレーヤーにUSB-DACという事であれば(今回の候補機でSA8004などを除けば)「neo」の一択となりますし、インターネットラジオ・ネットワークオーディオと多機能が欲しい方は「NA7004」となると思います。(NA7004のUSB出力も十分に高音質で酷いというワケではありません。…念のため。)

…と、こんな感じで、選び甲斐のあるラインナップとなっております。
PCオーディオ(≒USB音源)にご興味・関心のあります方は黒江に気軽にお問い合わせください。

PCオーディオ/ネットワークオーディオ

12月 6th, 2010

今回からはしばらくPCオーディオ/ネットワークオーディオのレポートを連載しようと思っていますが、第1回目はとりあえず用語の解説からです。

まず、当店が呼称する『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』という言葉ですが、基本的にはどの情報(雑誌・blog・BBS等)でも共通の意義で統一されている感はありますが、念のため定義を再確認しておきます。

『PCオーディオ』とは、WindowsやMacといったPC(パソコン)とオーディオ機器を主にUSBで接続し、高音質化を図る目的のものとします。
元々、PCには音を出すための装置(オーディオデバイス)が付いていますが、これを使わずに外部の機器を使用することから外部音源などとも呼ばれ、他にもUSBオーディオなどとも呼ばれます。
また、デスクトップPCには「オーディオボード」と呼ばれる装置(オーディオデバイス)が内蔵されていて、これを高音質のものに交換するという手法もありますが、昨今の『PCオーディオ』と呼ばれる分野では(主に)外部に接続するものだけが対象になっています。

一方の
『ネットワークオーディオ』とは、パソコンを介さずにネットワーク対応のオーディオ機器から『NAS(Network Attached Storage)』[通称:ナスと呼ぶ方がほとんど]というネットワーク経由で使用する(外付け)HDD(ハードディスクドライブ)の情報を読み込んで再生する、またはそれに準ずるものを指します。
総枠では『DLNA(Digital Living Network Alliance)』などとも呼ばれますが、音・音楽に特化したのが『ネットワークオーディオ』です。

なお、最近Appleが開始したサービス?の『AirPlay』はネットワークオーディオではなく、どちらかと言うとPCオーディオの方に所属します。
なぜなら『AirPlay』はあくまでMacやPC(iPod/iPhone/iPad含む)を介してAirPlay対応の機器に音楽や動画を送る機能であり、「USB接続していたところをワイヤレス(無線LAN・Wi-Fi)接続に対応した」と考える方が妥当だと思うからなのですが…。(ちょっとコレは勝手な定義なので自信があるわけじゃありませんが…。)

…と、こんな感じですが、とりあえず『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』の指す言葉の意味は分かってもらえたでしょうか。
また書き進めて行こうと思います。

tangent EXEO AMP and EXEO CDP

11月 30th, 2010

PCオーディオ/ネットワークオーディオプレーヤーに突入する前に、今年最後かも?のアンプとCDプレーヤーのレポートをお届けします。

【tangentらしからぬ、暴力的なドライブ感!】

そろそろお馴染みとなりつつある、ヨーロッパ(EU)の“tangent”から新たなプロダクト、「EXEO(イグジオ)シリーズ」が誕生しました。

tangentと言えば、(僕が監修を務めさせていただいたビギナー向けのオーディオ誌「my-musicstyle」で平原綾香さんに抱っこしてもらった、もとい、僕が手渡した!笑)カラフルなスピーカー『EVO』を代表にHiFi50シリーズの『CDP-50/AMP-50』、HiFi200シリーズの『CDP-200(-EU)/AMP-200(-EU)』などなど、その殆どが「中庸(ニュートラル)な音作り」といった印象でした。

このEXEOも輸入元などから「いわゆるtangentらしいサウンドですよ。」と言われていたので、そんなに期待もせずに試聴してみるのでした。(tangentさん、スミマセン。)

…………が!次の瞬間に出た言葉は「これがtangent(の音)?!」なんですかコレ?全然tangentらしくないじゃないですか!

いつものように書いていきますと…

EXEO AMP
●聴いてすぐに頭に思い浮かんだのは「ドライブ感」という言葉なくらい、グイグイ押し出してくる感じです。(クラス下のPRIMAREみたいな印象。)
●ちょっと雑なんですけど、スピード感もかなり高いです。(軽快とか、シャープな、切れ切れの…という感じではなく、「パンッと張り出すような」元気いっぱいではつらつとしたスピード感。)
●サウンドのカラーレーションはやや赤や黄色を連想させる明るめ。
●その割には高域はちょっと抑え目。(レンジ感として、高域が伸びきっていない。)
●低域は欲張らずに浅めで(価格的にも)無理していないところが好印象です。(タイトに上手く処理されている感じ。)
●奥行き感はありませんが、その分音が前に来るパワー感が高いです。
●音場(サウンドステージ)のS/Nは良好ですが、1音1音のS/N感は今一つで全体的に粗っぽく(荒っぽく)聴こえます。

EXEO COP
●基本的な印象はEXEO AMPと共通していますが、こちらは(価格差ほぼ10倍ですが、音の雰囲気は)「DENSEN BEAT B-400 PLUS」を彷彿とさせるキレのあるハイスピードサウンドです。
●やはり(価格的には仕方がないですが)音にまとまりがなく、四方八方に飛散してしまい、定位感もやや悪いのでちょっと粗雑な感じがします。
●S/N感はアンプよりも良い感じです。

…と、要は「いつもの通り価格を超越するサウンドではないけれど、アグレッシブでハイスピードなサウンドを好まれる方には最近で1番お勧めできるセット」だと思われます。

最後に…何だか、言いたくて言いたくてウズウズしている言葉があるので(これだけ書いたんですが)もっと端的に言わせてください。
「Children of Bodom」を最高のサウンドで聴きたい人(ヤツ)EXEOシステムで聴け!と。(笑)

AMP単体でもよし、CDP単体でもよしなんですが、久しぶりにセット(システム)でお勧めできる感じです。
お値段も「初オーディオ」に持ってこいの価格帯なのでぜひ買ってやってください!

P.S.
このEXEOの印象が他の方と違うのは「(たぶん)聴いているソースが違うから」なので、お気になさらずに!
(※MIDレンジ(中域)がしっかりしている点では、いつものtangentと同様でしたしね。)

TEAC CR-H500NT part.2

11月 18th, 2010

前回は書ききれませんでしたので「TEAC CR-H500NT-B」(「-B」は本体がブラックという意です。)のサウンド傾向をレポートします。

【メタルファンに朗報のオススメ入門機!】

当店がTEACの「PD-H600」と「AG-H600」を非常に気に入っていて、リファレンスにしていることはこのblogをご覧いただいている方の多くが既にご存知かと思いますが、やはり2機のサウンド傾向と同じく「ガツンとした鳴りっぷりの良いサウンド」といった第一印象です。

もちろん、一体型であることや価格面からも「2機を組み合わせたサウンドの廉価版」という感は否めませんが、逆に「このサウンドがよく一体型に収められたもの」と感心するクオリティでもあります。

いつもの通り、思いつきで書き出していきますと…、
●アグレッシブで音がバシバシと飛んでくるような開放的なサウンド。
●「緻密」とか「繊細」という言葉とは無縁?のような豪快&パワフルさを持っています。
●高音はやや寂しい(出切っていない)ですが、低音は思いの外に深さ(重低音までよく出ている)があって、重厚感・情報量もそこそこに感じられます。
●スピード感は「中の上」?「上の下」?という感じで、黒江的には十分合格点です。

要は見出しの通り『(特にバキバキの)メタル向き』な感じのサウンドなんです!

…と、褒めてばかりでは何ですので、気になった点ですが、一番はやはりS/N感で次いで解像度。
簡潔に言えば「少し音が粗く、乱雑でクリアネスが足りない」…と、やはり純然たる「単品コンポ」のクラスには残念ながら及びません。
(まあ、この価格ですから多少の見劣り(聴き劣り)は仕方がないですし、価格以上の音質であることは「太鼓判」で良いと思います!)

しかしながら、「まだ単品コンポまでは手が出せないけどオーディオを少しずつ揃えていきたい」方や、「セカンドシステム」「リビングでコンパクト、且つ本格的なオーディオ」を組みたい方にはオススメしたい製品でした。

で、忘れてはいけないのが(1つ前のレポートの通り)、「インターネットラジオ」機能を搭載していることです。
メタル向きのサウンド傾向、一体型の利便性と省スペース性(って言っても結構大きいですのでご注意を)、国内盤は発売されていないバンドや海外のインディーシーン(インディーズ)まで聴くことが出来るインターネットラジオに『それらを簡単にUSBメモリーに録音出来る+αのおいしいオマケ付き』です。

(特に)メタルファンはぜひチェックしてみください!(J-POPやROCKも全然イケますよ!)

TEAC CR-H500NT

11月 13th, 2010

ちょっと間が空いてしまいましたが、『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』レポートの第1弾をお届けします!

【インターネットラジオ搭載のオールインワン最先端。】

まずは「TEAC CR-H500NT-B」です。
CDは当然のこと、アナログレコードのPHONOに、iPodやUSBメモリー内のMP3なども再生可能。
さらにFM/AMチューナーまで付いていている、いわゆるオールインワンと呼ばれるタイプの製品ですが、これに加えてインターネットラジオまでもが搭載されているのが特徴であり最大のウリです。

本題の前に『インターネットラジオ』とは…読んで字のごとくインターネットを介したラジオのこと。なのですが、最大の利点はインターネットの特性と同じく「世界中の(WEBサイトが見れる=)ラジオ局が聴ける」ことにあります。
CR-H500NTはLANを介して「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」という世界中のインターネットラジオ局が15,000局以上も登録されているインターネットラジオ局を包括・網羅するWEBサイトにアクセス(連携)してラジオを聴くことが出来るようになっています。

言わば「世界中のありとあらゆるジャンルがいつでも聴けるジュークボックス状態」。これがインターネットラジオというものです。

また、まったく知らない曲やアーティストでも、選局中のラジオ局から情報が送られてきているので「はじめて聴く曲でもすぐに詳細を知ることが出来る」のもありがたいですよね。
パソコンだけでもインターネットラジオは楽しめますが、「CR-H500NT」のようなインターネットラジオ機能を持った専用機があれば音質も良く、パソコンを他の用途に注力させることができます。

そして、「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトではラジオ局のリストアップや検索、お気に入りのラジオ局や新しく見つけたラジオ曲の登録をすることが出来ます。(要メンバー登録)
この機能がかなり便利で、例えばすでに「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」に登録されているラジオ局であれば語句やアーティスト名で検索すれば該当のラジオ局がすぐに見かりますので、気に入ったラジオ局ならお気に入りに入れておくだけ。
すると「CR-H500NT」ですぐに選局することが出来るようになるのです。要は「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトを通じて「CR-H500NT」のインターネットラジオ機能をパソコンから制御することが出来るというワケです。(再生や録音、選局などの操作が出来るというワケではないのでご注意を。)

(まだそんなに実践していませんが、例えば北欧スウェーデンのインディーシーンのデスメタルバンドばかりを集めたラジオ局があれば(あればですが)、未来の大物バンドを早くから発見・聴くことができるかも!?)

これだけではありません。
「CR-H500NT」ならインターネットラジオはもちろん、CD/FM/AMなどのサウンドはUSB端子に挿しこまれているUSBメモリーにMP3形式などで録音することも出来るんです。
つまり、(USBメモリーの容量が足りていれば)1日中だってインターネットラジオを録りためることができ、パソコンなどで気軽に再生することができるのです!
これは便利な機能じゃないかなぁーと、個人的には思っています。(録音したMP3などでは曲の詳細などは記録されませんのでアーティスト名などを調べるのは苦労しそうですが…。)

…と、長くなってしまったので肝心な「CR-H500NT」のサウンド傾向などはまた次回にでも。

http://www.wifiradio-frontier.com/

PCオーディオ/ネットワークオーディオはじめました。

11月 4th, 2010

「冷やし中華~」みたいですが、表題の通り『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』を本格的に店頭導入し、デモンストレーションやレクチャーを開始させていただきます!

当面は、

●TEAC CR-H500NT (インターネットラジオ)
●marantz NA7004 (ミュージックサーバー[NAS]&USB音源)
●YAMAHA NP-S2000 (ミュージックサーバー[NAS])
●olive 3HD (ミュージックサーバー[NAS])
○NuForce Icon2/uDAC2 (USB音源)

の4機種+αをメイン軸として同種の機器との比較レポートや使い勝手、黒江的なオススメをご紹介できればと思います。

ちなみに、わたくし黒江は前職歴に『プログラマー』『システムエンジニア(SE)』があり、現在で言うところの『ネットワークエンジニア』的な要素までを網羅しておりました。
(なお、当社は7,8年くらい前までPC関連業も行っていたのでお客様のご要望でPCの組み立てなども行っていました。…ので、その後も関心は続いており、)ハード面もそれなりに熟知しています。
そういった意味ではパソコン(Windows/Mac/UNIX[LINUX])やネットワーク、ひいてはデジタル全般の知識や経験は『オーディオ業界では屈指』と言えるかも(?)しれません!(^-^;

なので、昨今に急加熱したような「PCオーディオ/ネットワークオーディオ」ですが、実は僕は(少しでもパソコンの音質を上げられないかと)すでに一通りやってしまってたんです(よね…)。
かれこれ(たぶんこれも)7,8年前に「当時のオーディオボード(サウンドカード)を色々試したり」「パソコンの内部にシールドをしたり」「配線を高品質なものにして、さらに自分で編んでノイズ対策したり」「アースを落としてあげたり」…と。

結局は「YAMAHA DP-U50」という(外部)USB音源を購入して内部を改造して、電源部をインレット化(着脱式でなかった機器を電源ケーブルが着脱できるように)して好きな電源ケーブルを使えるようにしたところで落ち着ちついた記憶があります。
(当時はCD-Rを少しでも高音質にライティングしたり、DVDプレーヤー代わりにあれこれしていたんだと思います。ちなみに、僕は映画とかアニメとかゲームには疎いので、今までも、これからも、あくまで僕の好きなサウンドでのレポートですのでご理解くださいね。)

そんなこともあって、自分ではもう「イッチョ上がってた」ような気がして昨今の『PCオーディオ/ネットワークオーディオ熱』には少し乗り遅れましたが、今日からまた最新鋭・最先端の機器達と格闘したいと思います。
もちろん、ザ・ステレオ屋らしいのは大前提です。

『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』に関してはぜひ黒江にお問い合わせください。

P.S.
先日発売開始された共同通信社(AUDIO BASIC誌別冊)『PCオーディオfan NO.3』に登場させていただいております!

north star design Essensio

10月 9th, 2010

タイトルの通り、north star design社からの新製品USB接続(PC音源)も可能なD/Aコンバーター『Essensio』をレポートします!

【非の打ちどころのない『決定版的』1台。】

先に述べておきますと、僕は自宅でこのnorth star designの旧モデル『Model 192 DAC』を愛用しています。
(実はDensenの『BEAT B-400 PLUS』購入を機に手放せるはずだったのですが、結局Model 192を通したサウンドの方が気に入ってしまい、すっかり定着してしまったのです…。)

なので、多少のひいき目はあるかもしれません…。
が!久しぶりに『おおおおー!』という感じのDACに出会いました!

とりあえず、いつものように…

※トランスポート(CDの読み取り)は相変わらずのリファレンス「Aura neo」、アンプはこれまたリファレンスの「TEAC AG-H600」、モニターはこれまたまたReferenceの「Vienna acoustics HAYDN GRAND SE」です!
なので、実質的には『Aura neoの内蔵DAC vs north star design Essensio』ということになります。

●S/Nが1クラス向上。(neoでさえ、この価格でこのクリアさかよ!という感じでしたが、更に音場がクリアになりました。)
●↑の通り、音場が広がり、且つ透明なサウンドステージです。
●レンジが高域方向も低域方向もよりワイドレンジになります。
●特に低域のレンジ感(深さ)、解像度には脱帽です。

ざっと上げると淡泊なものですが、だからこそ「いいんです!」。…というのは「DACを入れたら(変えたら)音が激変した」なんて場合は「DACが音を作りこんでいる」とも言え、それはつまり…僕の好まない「色付け・脚色・化粧・調理・誤魔化し」された音であるとも言えると思うのです。

そういう意味では、僕の愛用しているModel 192 DACもEssensioも余計な仕事はせず、クリーンにデジタル(Digital)をアナログ(Analog)にコンバート(Convert)していると言えると思います。
『※DigitalAnalogConverterの最初の(大文字)1文字をとってDAC(ダック)と呼びます。』

あまり褒めちぎってばかりでもなんですので、もう少し雑感を書き並べています。
neoよりは若干スピード感は劣ります。…が、レンジが広がり、音場が広がっているためそう感じるだけでかなりハイスピードであると考えられますし、低域~中域~高域と足並みも揃っていてスピード感のずれや違和感もなく、定位もばっちりです。
加えて、若干音が前に飛んでこなくなった感じ、ほんのりウェットになった感じがあります。
しかし、(最近、これ以上はないかも?と思っていた)neoの内蔵DACと交互に聴いても何の違和感もなく聴けちゃうのですから大したものです。(もちろん、あくまで僕の感覚・好み・基準ですので…。^-^;)

とにかく、neoよりもレンジが広くなって、特に低域がかなり深く高い解像度。(これは僕はあまり必要ないのでneoの方が好きなんですが…)音場が広がって音が上下左右により広がって飛んだり、現れたりする。なのにハイスピード。クリアで癖も少なく、入力も豊富で家中の(デジタル出力を持った)AV機器を全部繋げちゃうかも?という感じなので(DVD/BD/PS3/iPodなどなど)すべてのサウンドをオーディオで気軽に出力できる「デジタルステーション」としても重宝しそうです。

…で、なにより、USB接続が出来るわけです。PCやMacのサウンドも手軽にオーディオ環境で聴けるんです。何だか至れり尽くせりな感じです!

サウンド良し!デザイン(ルックス)良し!入力たくさん!USB接続も出来る!コンパクト!価格は(高いのからすれば)ややお安め!
…と、黒江は久しぶりの猛プッシュDACです!(文面がハイテンションでごめんなさい。)

north star design Essensio 157,500円→黒江価格はメールにて!

DYNAUDIO Excite X12 NEUTRAL & NATURAL

9月 29th, 2010

今回はDYNAUDIOのエントリーコンパクトモニター「Excite X12」をレポートいたします。

【あらゆるジャンルを“そつなくこなす”というキャラクターの持ち主。】

いつもながら若干「????」な見出しとなってしまいましたが、こんな表現に尽きるモニターだと思います。
まず(これまたいつもながらですが)、黒江的には非常に気に入った「オススメしたいモニター」に軽ーくランクインしてしまった実力機であると前置きさせてください。

その上で、大体の位置付けや音の傾向を他のオススメモニターとの比較レポートにてご紹介いたします。

●基本的には「色付け・癖が少なく、バランスの整ったハイスピードモニター」ですが、HAYDNと同じく若干しっとり・ウェットな音色(音触)感があります。
 (HAYDNは冷たい感じの冷ややかな湿度(水気)だったのに対し、Excite X12はもう少し常温寄りの印象で、キンキンとしたヒステリックさはありません。)

●解像度が高く、広がりのあるサウンド。いわゆる音場が(当店がオススメしているモニターの中では)かなり広い方で、リスニングポイント(定位・焦点)から多少ずれても大きく聴こえ方が変わる(HAYDNのような)「ピンポイント」タイプではありません。

●リアバスレフ(背面に(低域を補強する)バスレフポート(穴)が空いているもの)の割りには低域の回り込み、被りが少なく(当店の試聴室だと左右後方共にかなり広く取れるからでもありますが)、久しぶりにリアバスレフもので「合格点」を付けられるものに出会いました。

●レンジは「ちょっとだけ狭め」。SCM7に比べると低域はやや浅く、HAYDNに比べると高域は少しおとなしめの印象で、特に高域方向はスーパーツイーターで補強することによってよりハイスピードとなることも期待できるので、ぜひ実践してみたいところです。

●少々残念なのは「アンプのパワーが必要な点」。能率は86dBと決して極端に低くはないのですが、数値以上に「なかなか(本領発揮し)鳴ってくれない」という印象で、Iconなどの小型アンプでは期待した音にちょっとならなそう…。ですが、だからと言ってそんなに大きなアンプが必要と言うわけでもなく、当店で(ここ1年くらいの集計で)一番多く売れている「TEAC AG-H600」で充分にドライブできますのでご安心を。

…と、大体はこんな感じです。
また意味不明なことを言うかもしれませんが、
「音のキャラクター感はATC SCM7とrevolver MUSIC 3の中間点くらい」
「音の細かさはHAYDNにも近いものがある」

…と、なんだかいいトコ取りみたいになりますが、そんなわけでもなく
「抜けが良くって、ハリもあるし(黒江的にはスネアのサウンドがかなりツボ)、音の密度感も上々。なんだけど、どれも頭抜けていない・突出した武器がない。」
そんな印象でもあります。

それでも、「手の平サイズ」とまではいかなくても、かなり小さなモニターですし、見出しの通り「どんなジャンルを鳴らしても悪い印象を抱かせない」「速い曲は速く、遅い曲は遅く」「スピードも切れ味もあるのに聴き疲れるサウンドでもない」という何だか万能な感じが憎いヤツです。

とにかく、とりあえず、「ザ・ステレオ屋イチオシ・オススメモニター」に認定ですので、みなさん要注目にてお願いいたします!
(…あ、なんといっても定価126,000円という大プッシュの中では最安値なのも忘れずに書いておきます!→販売価格はお問い合わせください。)

NuForce Icon2 and Icon uDAC2(μDAC2) #2

9月 21st, 2010

前回の続きです。

今回は「uDAC-2」を中心に、こちらは簡潔に行きましょう。(^-^;

こちらは前回のIcon2とは異なり、基本的には(構造がシンプルなためか)大きな音質傾向の変化は感じられず、いわゆるヴァージョンアップ・アップグレードといった基本性能の向上だけのようです。

そのため「悪くなった」や「傾向が変わった」と思われる点はなく、純粋に成長を遂げたMK2モデルと位置付けてよいと思います。

成長点を簡潔に述べますと…
●「96kHz/24bit」に対応したDACにより、情報量が高くなりました。
●ヴェールを1枚はがしたようなS/N感の向上、見通しの良さが顕著です。
●レンジ感や解像度、音の広がりも更に向上した印象です。
…と、あっさりとしたものです。(笑)

以前(初代モデル)のレポートでも述べたとおり、uDACは少し「オーディオ的」なサウンドで「情報量」と言われる音の濃さ・太さに軸を置いた印象があり、やや軟らかさや、音の丸み、音の伸びなどを強調してくる傾向も前モデルと変わりません。(それでも、初代モデルからすれば音の澄み方=透明感が向上した分、だいぶん癖が少なくなったとも言えますが。)

そういう意味では、同じくNuForceの「Icon mobile」の方が「モニター的」なサウンドで「鮮度感」と言われる透明感・明瞭度に軸を置いた印象で、僕個人としては好きなタイプです。(ただし、純粋なクオリティ≒音質はIcon uDACの方が1~2枚上手です。)
なので、シャープさを追求する方はNuForce「Icon mobile」も一聴の上、ご判断いただけると良いかと思います。

なお、Icon2のUSB入力の再生音とも比較しましたが、おそらく「Icon2とuDAC2」の両機のDACは共通のものであると思われます。
ですので、Icon2のUSBサウンドもこのuDACとほぼ同じ傾向であると考えていただいて構いません。(「ほぼ」とするのは、アンプ部との絡みでややIcon2の方がシャープ・パワフル・ハイスピードに感じられたからです。)

Icon2・uDAC2ともに、初回分もあと僅かです!お早めにご利用ください。

uDAC2は初代とまったく見分けがつかないので箱ごとパシャリ。(笑)

uDAC2は初代とまったく見分けがつかないので箱ごとパシャリ。(笑)