黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 1

3月 9th, 2011

最近のレポートにも表れています通りですが、ここ数ヶ月は黒江もPCオーディオにすっかりハマっております。
ただし、『ハマってる』といっても決して『夢中』になっているわけではなく、どちらかと言えば『嵌められた』方に近いハマり方かもしれません…。

そこで“現状に於ける”僕のPCオーディオに対するスタンスを先に述べさせていただいておきます。

【手軽さ、気軽さを兼ね備えた低音質からの脱却。】

完結に言えばこんな感じです。
要は「今までの(ノーマルの)PC/Macで聴く音楽の音質が悪すぎたワケで、利便性の高いPCで聴けるレベルまで(簡単に、低予算で)音質を高められるようになった。」といったスタンスです。
なので、「CDを凌駕した」などといった印象は微塵にもありません。(後述しますが、近いレベルにまで“安価に”達することが出来るのは否定しません。)
もちろん、否定しているわけでもなく、むしろ肯定的なスタンスであることは予めご理解ください。(そうでなければ↓ここまで色々と試しません。笑)

ちなみに、PCは…
hp : nx6320 (WindowsXP SP3/MEMORY:1GB)
…といった旧型を使用しています。(PCオーディオの為にわざわざ新調したりはせず、気楽に行きましょう!)

まず、一口に『PCオーディオ・USBオーディオ』といっても実に様々なプロセス・装置(機材)を経て音が出ています。
[0]リッピング用ドライブ
[1]リッピング(ファイル形式)
[2]再生ソフト(ドライバー)
[3]USBケーブル
[4]DAC
[5]ラインケーブル
…と、ざっと書いてもこのくらいですし、もっと言えばOS(Ver.)やOSの設定、ドライバーの設定・調整と多岐に渡っています。
僕自身もまだそのすべてを網羅したとは言えませんが、それなりに数をこなしてみましたので順を追って試したものと(現状で黒江にとっての)最適解をレポートしていきます。

[0]リッピング用ドライブ
いきなりド本命の要素ですが、“とりあえず”お店ではTEACのCD-RWドライブ(ボツにしたのはNECとRICOHのDVD-RWドライブ)、自宅はPLEXTORのCD-RWドライブを使用しています。
※現在使っているドライブはリッピング用にセレクトしたものではなく、数年前に「いかにオリジナル盤を劣化・変化なくCD-Rにするか」に夢中になっていた時に比べたりしたものです。
 自宅では他にもSONY・TOSHIBA・Victor・SAMSUNGなどなど数機種の内蔵や外付けドライブをAB比較して良かったものを残していました。
 リッピングドライブとライティングドライブを別々にするなどは行っておりません。(そこまで凝り性ではないので…。^-^;)
 (目下、PioneerのPureRead搭載のドライブを検討中です。YAMAHAのAudioMASTER搭載のドライブは買い損ねちゃったしなぁ…。)

[1]リッピング(ファイル形式)
ここがみなさんと大きく異なるのかもしれませんが、黒江はFLACなどの高音質音源をベースにしていません。
基本はCDからWAVファイル方式でのリッピングで、次いで(今までiPod用にリッピングしていた)たくさんのストックを持っているMP3をいかに高音質で聴くかに注力しています。
もちろん、ジャンルはMETALを中心にHARD ROCK・J-POPがほとんどです。
■試したソフト
 ●EAC(ExactAudioCopy:エグザクトオーディオコピー)
 ●iTunes
 ●CloneCD
 ●CD2WAV32
 ●CDex
 ●LAME
すべてWAVファイルが中心です。(※LAMEはMP3、CloneCDはISOファイルを作成して対応ソフトでの再生です。)
結論としては『CD2WAV32』がもっともオリジナルに近いリッピングをすると判断し、『CD2WAV32』を使用しています。

経緯として、最初はやはり『ExactAudioCopy』がもっとも秀逸であると思っていましたが取り込んだWAVファイルとドライブの中のCDを聴き比べると『ExactAudioCopy』は少しパンチのない(その分、小奇麗には聴こえるのですが…)サウンドになっていると感じたためです。

もちろん、ドライブの特性やリッピングの仕方(EACのドライブ設定はバッチリだと思うんですが…)などに問題が無いとも言い切れませんので一概には言えませんが、僕は「綺麗にリッピングしたいのではなく、オリジナル通りにリッピングがしたい」のです。

なお、MP3はまだ余り比較していないのですが、LAMEはiTunesなどに比べると高音質であることは間違いありません。(でも、MP3だと「どうせ劣化するんだし」と思ってついついiTunesなどの手軽な方を使っちゃうんですけどね…。^-^;)

長くなるので一旦切ります。

ネットワークオーディオ report 4 [olive 3HD]

2月 18th, 2011

今回は「olive 3HD」にクローズアップです。

【黒江的には現在のベスト、ただし4HD・6HDとは音色傾向が異なるので要注意!】

まず、前回、前々回と続いた「NP-S2000」「NA7004」とは対極的なタイプと言えます。

1.「NP-S2000」「NA7004」がアナログ的なスムーズなサウンドなのに対して、「olive 3HD」は(NAS経由でも、内蔵HDDの再生でも)CD再生のままに近いサウンドで聴くことが出来ます。(=決してデジタルっぽいという意味ではありません。)

2.「NP-S2000」「NA7004」には無い内蔵HDDでNASが無くても完結してしまう。
個人的には「なぜ、わざわざNAS経由にする必要があるのか。」という思いもあることはあります。
(もちろん、NAS経由であれば一家に1台のNASを各部屋のオーディオシステムからコールすることが出来るので利便性は向上しますが、そんなにネットワークオーディオを各部屋に置くかなぁ…なんて。)
ちなみに、この「olive 3HD」はそのNASの役割にもなれる(NASを呼び出すことも出来るし、NASとして呼び出されることも出来る)のでポイントが高いです。

3.操作性はハッキリ言ってやや低レベル。
本体のタッチパネルはまずまずなのですが、それでも「反応が微妙に遅い」「(国内ブランドではないため)文字化けが発生する」などお世辞にも高評価できるレベルではありません。
更に言えば「PCやMac上のWEBブラウザー(Internet ExplorerやFirefox)からの操作[Maestro]」や「iPhone/iPod touch用のアプリ[Olive App(旧iMaestro?)]」などの操作性も低く(1例を挙げると、曲のリストから再生は出来るけど停止は出来ない!笑)、全体的な操作の快適さ、スピード、安定性などは課題が残ります。(アップデートで解消されるかもしれません。)

4.CDプレーヤーとしても秀逸。
黒江的に最終的にはこれに尽きるかもしれません。
さすがにCD専用プレーヤーである「Aura neo(定価210,000円)」などには及びませんが、何気に単体のプレーヤーとしても十分に聴けちゃう音質があると思います。(少なくとも定価10万円前後くらいのプレーヤー並みのレベルはあるんじゃないかな…と。)

…と、肝心のサウンド傾向をいつものように書き出してみます。(vs neo形式)
●neoに比べるとやや低重心で高域の抜けなどは劣りますが、スッキリとした軽快なサウンド。
●neoと比べるとやや劣りますが十分にハイスピードで張りやアタック感のあるアグレッシヴ系。
●S/N・解像度・分解能はCD専用機に比べると若干引けを取りますが、及第点“以上”のクラス。
●低域は出過ぎずタイト、やや重低音域の沈み込み・深さに欠ける。
●ウェット感・ドライ感などはなく、ニュートラルな音調。
●広がりはあまりなく、ステレオ感は強くない。
…こんな感じでしょうか。

パッと聴いてすぐに思ったのは「アグレッシブ&鮮度感が高い」といった印象のストレートな傾向のサウンドです。(要は黒江好みのサウンドということです!)

ちなみに、見出しにある通り同じolive社の兄弟機である「4HD」「6HD」とはサウンド傾向が異なりますのでご注意を。(3HDはDACに「CIRRUS LOGIC」を使用していますが、上位機種は「BURR-BROWN」という傾向の異なるDACが搭載されています。)

HDDの容量が500GBとやや少なめですが、単体でネットワークプレーヤーが成り立ち、NASとしても使え、CDプレーヤーとしても優秀。しかも僕の好みのサウンド。
現在のところ、黒江的ベストです!ぜひチェックしてください!

ネットワークオーディオ report 3 [marantz NA7004]

2月 4th, 2011

前回の続きです。今回は「marantz NA7004」を掘り下げてみます。

まず、「少々音質に難ありと」させていただいたNA7004ですが、もう少し具体的にレポートさせていただきます。
【YAMAHA NP-S2000と同じく、なめらか傾向を狙った結果か?】
その後もolive 3HDと何度も聴き比べてみましたが、やはりしっとりというか、のんびりというか、少し間延びしたようなサウンドであることは確かです。
(最初に聴いたNP-S2000といい、NA7004といい、両機がこんな感じでしたので最初はNAS経由の独特の傾向なんだろうかと思ってしまっていたわけですが、3HDでは異なった印象を受けたのでハードの傾向であると判断しております。)

…なのですが、(くどいようですが)「聴けたものではない」ということではありません。あくまでCDプレーヤー(Aura neo)と同じ曲を聴き比べた場合の感想でありますのでバッサリと斬り捨てるような音質ではありません。
加えて言えば、特に黒江が好む傾向のジャンルには向かず、音のメリハリ・スピード感・粒立ち・シャープさに(CDプレーヤーと比べると)欠けるので、(僕にとっては)余計に印象が悪く聴こえたのだと思います。

「その代り」と言ってはなんですが、なめらかに聴こえる傾向にあるので、いわゆる「デジタルっぽさ」は感じられず、WAVファイル、ましてや低ビットレートのMP3を聴いてると強く感じさせない良さがあります。(あまりに低ビットレートだとそうも言っていられませんが…。)

なお、Aura neoが定価210,000円ですので価格差を合わせるためにCambridge Audio azur 650Cなどとも比較してみましたが、やはりS/N感と分解能がやや不足気味に感じられました。もう少し明瞭になるだけでも随分印象は良くなりそうです。(LANケーブルで変わるのかなぁ…。)

もちろん、音数の少ないアコースティック系やボサノバ(カフェミュージック)なども聴いていますが、やはりこういったジャンルの方がしっくりくるサウンド傾向ですね。

…と、一旦NA7004の機能を整理してみましょう。
1.PCオーディオ(USBオーディオ)
2.ネットワークプレーヤー
3.インターネットラジオ
4.iPod/USBメモリプレーヤー
(全面の端子にiPodドックケーブルやUSBメモリを挿すことでデジタル接続再生が可能。)
5.Bluetooth接続
6.DAC機能
(デジタルイン・デジタルアウトも豊富でDAコンバーターやDDコンバーターとしても使用可能。)
細かな機能を抜かしてもこれだけの機能があります。そして実売7万円代なのですから『度肝を抜くような高音質』を求めるのは酷な気がしてきました…。(うん、この価格でこの機能なら…というか、PC/ネットワーク系であれば『全部入り』なんじゃないですか!…と、今さら気づきます。)

…で、(今回は褒める気満々なんですよ!笑)
実は黒江がもっとも高く評価したいのが「操作性」です。
本体のディスプレイ自体は3行表示ですが、アクティブな項目(真ん中)のフォントが少し大きくなって視認性を高めていて本体・リモコンどちらでも感覚的な操作が行えます。カーソルやボタンを押した後のレスポンスも程好く、(本体のみでも)「やりたいことがスムーズに実行できる」操作性は今までのどの機種よりも群を抜いています。
極めつけはiPhone/iPad/iPod touch用に配布されているアプリ「Wizz App」の操作性で、ディスプレイが鮮明に見れない距離でも手元でサクサクと操作できるのは癖になりそうな操作性です。(ちなみに有線・無線LANを介して操作しているので、別室からでもコントロールできます!)

もちろん「Wizz App」のようなアプリ(ソフト)は他のメーカーでも用意しているところが多いですが、marantzほど快適に操作できるのはLINNくらいでしょうか。

…ということで、marantz NA7004の結論は『全部入りで本体のみでもアプリでも楽々操作。』CPは破格に高いと思います!

ネットワークオーディオ report 2 [YAMAHA NP-S2000]

1月 25th, 2011

前回の続きです。

今回は前回の「後述」と、大まかな使い勝手などをまとめて行きたいと思います。

まず、(前回のレポートでの)YAMAHA NP-S2000の評価には賛否あるのではないかと思いますが、個人的な感想として「MP3/WAVE/FLAC」などのデジタルフォーマットのサウンドが一様に「アナログを聴いているようなサウンド(の印象)」になってしまっている点が気になりました。
どういうことかというと…特に“128kbps~192kbps程度の高圧縮されたMP3”が顕著でしたが「良くも悪くもMP3のスカスカした感じが無く、密度のある濃厚な音」になっているのです。

これは無圧縮であるWAVEに於いても同様で、CDプレーヤーで聴いているサウンドよりも遥かに情報量の高いサウンドとなっている(ように感じられる)のですが「黒江的には音作りが激しくてとてもついていけないなぁ…」と感じてしまったのです。
具体的には「低音の量感が上がり、1音1音に濃さが出て余韻や滑らかさが向上する」といった印象です。しかしながら「元の音よりも音の1粒1粒が大きく、音場も広大ですが、音像(ボーカルの口の大きさや、バスドラムの口径)も広大(肥大)している」とも言えます。

もちろん、何の先入観も持っていませんでしたし、発売前にYAMAHAさんのショウルームで聴いた時はもう少し色付け・癖の少ないサウンドだった気がしていたのですが…。(そう言えば、もう少しチューニングされるようなことを言われていたような…。)
…と、そんなところで、今さらですが内部の豪勢な回路を思い出します。トランスを2機積んで、ディスクリート?!と言わんばかりのアナログステージ、何と言ってもあの重量。(YAMAHAショウルームではじめて中身を見たときは「アンプと見間違うくらいのぎっしり感」でしたしね。笑)…何となく、出てくる音の重厚感につながってくるような気がしました。

…と、と、もちろん決して悪く言いたいのではありません。繊細な音はよく拾ってくれていますし、ダイナミックレンジも上々です。くどいようですが、デジタルフォーマット(ファイル)を再生しているようには感じないアナログ的なサウンドを良しとするかでこの製品の評価は変わってくると思います。
ちなみに僕はご存じの通り、ROCK・METAL・J-POPなどを好みますので、クラシックを主に聴かれる方とは音の趣向が相対しやすいです。その辺りもこのNP-S2000をご購入検討されている方には注目していただければと思っております。

それから、もう1点だけ。正直に言いますと「操作性」はちょっと悪いです。本体のディスプレイは表示窓(ディスプレイ)が小さく、読み込み・検索・切り替えなど(iPhone用のアプリ経由などでも)動作にモタつきが感じられます。(先日のアップデートで改善されたのかもしれませんが。)
この手の製品は「一見、ただハードを購入しているように捉えがちですが、実はソフトウェアやサポートも(同時に)購入している」という性質の製品です。
「使いやすさ」「ストレスのないインターフェース(直感的に操作できるか)」も重要なポイントになってきますので、今後のアップデートに期待したいところです。

なお、僕のイチオシのolive 3HDも「操作性はイマイチ」ですが、marantz NA7004はかなり完成度の高いインターフェース(本体操作もiPhoneアプリも)となっております。
この辺はまた続きで書きたいと思います。

ネットワークオーディオ report 1

1月 18th, 2011

昼ごろに起きた時などに使う「お早う」で言うところの「遅よう」みたいに、「明けましておめでとうございます」も明けてから随分経った頃の挨拶がないものかと、新年も早半月が経った頃にそんなことばかり考えていますが、とりあえず「すっかり明けきっちゃいましたが、おめでとうございます」…とでも。(笑)

今回は前回の続きとなるPCオーディオ/ネットワークオーディオレポート、ネットワークオーディオ編です。

早速、前回と同様にまずは一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

■ネットワークオーディオ
試聴機
YAMAHA : NP-S2000
marantz : NA7004
Pioneer : PDX-Z10
olive : 3HD
※すべて同じNAS・LANケーブル(汎用カテゴリー5)・HUBを使用し、WAVファイル(もちろん同じ曲)を再生しての比較です。

とりあえずはサウンドについてとなりますが、ネットワークプレーヤーには『操作性』というもう一つの大きな課題があります。
具体的には「本体(&リモコン)での操作性」「iPad/iPhone/iPod touch(アプリ)などでの操作性」「その他(ブラウザーなどから)の操作性」と分類することが出来ると思いますが、これらについては今回は割愛させていただき、機種個別のレポートで仔細をレポートする予定です。

○YAMAHA : NP-S2000
かなり濃密で重厚なサウンド。LINNの対抗馬としては現在もっとも力の入った国産機として、さすがの物量投資からもうかがえる高音質(高品質)サウンドです。…が、黒江的にはちょっと物申したいので後述します。黒江的好み度:C(~D)

△marantz : NA7004
ややしっとり、ふわっとしたような音場を描きますが、総じてニュートラルなサウンド。決して安物の音、ミニコンポ並み…などと言うワケではありませんが、(CDプレーヤーなどと比べても)USB接続時と同様にどこかボケたようなサウンドです。こちらも後述します。黒江的好み度:B

○Pioneer : PDX-Z10
試聴は(ネットワーク再生部を他のプレーヤーと同列に比較するため)LINE OUTにて外部のアンプ(いつものTEAC AG-H600)にて聴きました。1音1音がしっかりとしていて明確。NA7004とはまた少し違ったニュートラル感で、こちらはストレート(素直)といった表現の方が合いそうです。(この中では)発売時期が最も古いモデルですが、予想以上に検討してくれました。アンプ・CDプレーヤー・AM/FMラジオチューナー・インターネットラジオまで搭載していますので、これから一式揃えようかと検討されていた方にはこれ1台で済んでしまうかもしれません。黒江的好み度:A-

◎olive : 3HD
前回のPCオーディオ(USBオーディオ)のレポート時にも「(最初は)やっぱりUSB接続の音は良くない」と書いたように今回も「(最初は)やっぱりネットワーク経由の音は良くない」といった印象でしたが、このolive 3HDなら『今すぐにでも欲しい』と思えるほどに悪いイメージを払拭してくれました。サウンドは僕の好きなクリア&シャープ&ハイスピード系。…というよりも、CDの音をそのまま聴いているような感じ(詳しくは後程)です。黒江的好み度:A

…と、こんな感じです。
「後述」とある通り、もう少し色々と書きたいことがありますので次回に続きます!

PCオーディオ report 1

12月 15th, 2010

さすがに12月は忙しくて遅筆気味になっておりますが、『PCオーディオ/ネットワークオーディオレポート』をお送りします。

まず、PCオーディオ/ネットワークオーディオという分野では『音質(クオリティ)・音色(傾向)』と『使い勝手・設定・操作性』の2つのセクションで製品のレポートを書くことが出来ますが、1つ1つのアイテムを一気に書いていくのは(時間的に)厳しいので、まずはいきなり(スクランブルテストの)総評から入ってみようと思います。

総評は「USB接続でPCオーディオとして使用したケース」と、「NASを使ったネットワークオーディオとしてのケース」で大きく2つに分けて書きます。
(marantz NA7004のように)双方の機能を持っている機種に関しては両方のレポートに登場してきますので合わせて参考にして頂ければ幸いです。

第1回目の今回はUSB接続でのいわゆる「PCオーディオ」での各製品の比較試聴レポートです。

■PCオーディオ
試聴機
ORB : JADE-1
LUXMAN : DA-200
north star design : Essensio
PhaseTech DIGITAL : HD-7A
Aura : neo
marantz : NA7004
sonicweld : diverter
※すべて同じUSBケーブル(FURUTECH : GT2 USB-B)を使用して同じPCと接続し、foobar2000(Windows XP + ASIO4ALL)にてWAVファイル(もちろん同じ曲)を再生しての比較です。

まずは一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

◎ORB : JADE-1
1音1音がタイトで鳴りっぷりが良く、躍動感・ドライブ感・アグレッシブさのあるサウンド。HARD ROCKには最適だと思われます。黒江的好み度:A

◎LUXMAN : DA-200
往年の「LUXトーン」はあまり顔を出さないものの音がしっかりとしていて、高い情報量をさりげなく(押しつけがましくなく)聴かせてくれます。黒江的好み度:B

◎north star design : Essensio
シャープでクリアネスでハイスピード。キレのあるタイプが好きな方にはイチオシです。黒江的好み度:S

◎PhaseTech DIGITAL : HD-7A
USB接続時の音質(クオリティ)だけを取れば今まで聴いた中ではベストです。音の密度感や厚みがあり、音場(空間表現)も広く滑らかです。黒江的好み度:B-

○Aura : neo
CDプレーヤーとしてのサウンドと比べるとやや低重心となってキレとクリアネスが鈍るものの、切れ込むような音の飛び方、スピード感の高いサウンド。黒江的好み度:A

△marantz : NA7004
(他と比べて)多機能な上に価格が安いためか、他のものに比べるとすこしこもった感じがあり、抜け・見通しがやや悪いです。サウンドは早くも遅くも無く、硬くも軟らかくも無く…といった中庸的です。黒江的好み度:B

○sonicweld : diverter
ちょっと番外編ですが…USBを同軸デジタル(=COAXIAL[コアキシャル]またはS/PDIFと表記する場合もあります。)に変換するユニット。驚くようなスピード感とアグレッシブさですが、やや粗い感じも…。PCのスタビライザー(振動止め)にもなるとのことですが、(寸法測り忘れたけど…)Mac miniとほぼ同じくらいのサイズなのでMac miniの上に乗せたらピッタリな気がします。(サウンドもMac miniに最適化されているのかもしれませんね。)黒江的好み度:A

くどいようですが、もっとも多機能な上にもっとも安価なので仕方がないのですが、marantzのNA7004を最初に聴いたためか「(最初は)やっぱりUSB接続の音は良くない」としか思えませんでした。(marantzさんゴメンナサイ…。)
どう悪いのかと言えば「音がこもった感じ」というのが一番で、次いで「輪郭が甘い(≒音がぼやけている)」「音にキレがない」「音の粒立ちが悪い」「音の立ち上がりが丸い」などです。
(…と、これは簡単に言えば「僕の好きな音に必要な要素が少ないだけ」とも言え、逆に言えば情報量(音の濃さ・なめらかさ・音場の広さ)のあるサウンドとも言えるのかもしれません。)

更に言えば、これは音のクオリティが高かった「HD-7A」や「DA-200」においても(もちろん音がこもった感じはありませんが、)同様の傾向があって「言わばMP3やWAVを聴いているのにデジタルっぽくないサウンド」を各メーカーさんが意識的に作っているのかもしれません。
(理屈的には情報量がCDプレーヤーより高いはずなので、僕の感覚がおかしいのだろうと思っていましたが、その後に「Essensio」や「JADE-1」を聴いて安心しました。笑)

そんな中、「Essensio」や「JADE-1」はかなりスッキリしたサウンド傾向で特に192kHz/32bit対応で専用ドライバーを使用するEssensioには目を見張りました。
JADE-1は「USB音源としてかなり力を入れている」というメーカーのPR通り、例え低ビットレート(128kbps)のMP3であっても高いS/N感と音数が秀逸で“不可逆圧縮”(=元の状態に戻せない圧縮方式)とは感じさせない再現をしつつ、音の輪郭や立ち上がり、芯の失われないサウンドを聴かせてくれます。
(黒江的に)そのJADE-1の更に上をゆくのがEssensioで、スピード感・鮮度感・切れ・定位・S/N感と兎にも角にもイチオシです。

…と、今回の試聴機器の総評ですが…
USB接続での音質の高さだけを単純に述べれば「HD-7A」と「Essensio」が頭一つ抜き出ている印象で、次いで「DA-200」と「JADE-1」でしょうか。
クラシックやボーカルものを好まれる方は「DA-200」「HD-7A」を、ROCK・POP系の方は「JADE-1」を、METAL派には断然「Essensio」ですね。
更にヘッドホンでの使用が多い方は「DA-200」「JADE-1」のヘッドホン出力の音質が抜きん出ています。(下手なヘッドホンアンプを買うよりも高音質かも…。)
CDプレーヤーにUSB-DACという事であれば(今回の候補機でSA8004などを除けば)「neo」の一択となりますし、インターネットラジオ・ネットワークオーディオと多機能が欲しい方は「NA7004」となると思います。(NA7004のUSB出力も十分に高音質で酷いというワケではありません。…念のため。)

…と、こんな感じで、選び甲斐のあるラインナップとなっております。
PCオーディオ(≒USB音源)にご興味・関心のあります方は黒江に気軽にお問い合わせください。

PCオーディオ/ネットワークオーディオ

12月 6th, 2010

今回からはしばらくPCオーディオ/ネットワークオーディオのレポートを連載しようと思っていますが、第1回目はとりあえず用語の解説からです。

まず、当店が呼称する『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』という言葉ですが、基本的にはどの情報(雑誌・blog・BBS等)でも共通の意義で統一されている感はありますが、念のため定義を再確認しておきます。

『PCオーディオ』とは、WindowsやMacといったPC(パソコン)とオーディオ機器を主にUSBで接続し、高音質化を図る目的のものとします。
元々、PCには音を出すための装置(オーディオデバイス)が付いていますが、これを使わずに外部の機器を使用することから外部音源などとも呼ばれ、他にもUSBオーディオなどとも呼ばれます。
また、デスクトップPCには「オーディオボード」と呼ばれる装置(オーディオデバイス)が内蔵されていて、これを高音質のものに交換するという手法もありますが、昨今の『PCオーディオ』と呼ばれる分野では(主に)外部に接続するものだけが対象になっています。

一方の
『ネットワークオーディオ』とは、パソコンを介さずにネットワーク対応のオーディオ機器から『NAS(Network Attached Storage)』[通称:ナスと呼ぶ方がほとんど]というネットワーク経由で使用する(外付け)HDD(ハードディスクドライブ)の情報を読み込んで再生する、またはそれに準ずるものを指します。
総枠では『DLNA(Digital Living Network Alliance)』などとも呼ばれますが、音・音楽に特化したのが『ネットワークオーディオ』です。

なお、最近Appleが開始したサービス?の『AirPlay』はネットワークオーディオではなく、どちらかと言うとPCオーディオの方に所属します。
なぜなら『AirPlay』はあくまでMacやPC(iPod/iPhone/iPad含む)を介してAirPlay対応の機器に音楽や動画を送る機能であり、「USB接続していたところをワイヤレス(無線LAN・Wi-Fi)接続に対応した」と考える方が妥当だと思うからなのですが…。(ちょっとコレは勝手な定義なので自信があるわけじゃありませんが…。)

…と、こんな感じですが、とりあえず『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』の指す言葉の意味は分かってもらえたでしょうか。
また書き進めて行こうと思います。

tangent EXEO AMP and EXEO CDP

11月 30th, 2010

PCオーディオ/ネットワークオーディオプレーヤーに突入する前に、今年最後かも?のアンプとCDプレーヤーのレポートをお届けします。

【tangentらしからぬ、暴力的なドライブ感!】

そろそろお馴染みとなりつつある、ヨーロッパ(EU)の“tangent”から新たなプロダクト、「EXEO(イグジオ)シリーズ」が誕生しました。

tangentと言えば、(僕が監修を務めさせていただいたビギナー向けのオーディオ誌「my-musicstyle」で平原綾香さんに抱っこしてもらった、もとい、僕が手渡した!笑)カラフルなスピーカー『EVO』を代表にHiFi50シリーズの『CDP-50/AMP-50』、HiFi200シリーズの『CDP-200(-EU)/AMP-200(-EU)』などなど、その殆どが「中庸(ニュートラル)な音作り」といった印象でした。

このEXEOも輸入元などから「いわゆるtangentらしいサウンドですよ。」と言われていたので、そんなに期待もせずに試聴してみるのでした。(tangentさん、スミマセン。)

…………が!次の瞬間に出た言葉は「これがtangent(の音)?!」なんですかコレ?全然tangentらしくないじゃないですか!

いつものように書いていきますと…

EXEO AMP
●聴いてすぐに頭に思い浮かんだのは「ドライブ感」という言葉なくらい、グイグイ押し出してくる感じです。(クラス下のPRIMAREみたいな印象。)
●ちょっと雑なんですけど、スピード感もかなり高いです。(軽快とか、シャープな、切れ切れの…という感じではなく、「パンッと張り出すような」元気いっぱいではつらつとしたスピード感。)
●サウンドのカラーレーションはやや赤や黄色を連想させる明るめ。
●その割には高域はちょっと抑え目。(レンジ感として、高域が伸びきっていない。)
●低域は欲張らずに浅めで(価格的にも)無理していないところが好印象です。(タイトに上手く処理されている感じ。)
●奥行き感はありませんが、その分音が前に来るパワー感が高いです。
●音場(サウンドステージ)のS/Nは良好ですが、1音1音のS/N感は今一つで全体的に粗っぽく(荒っぽく)聴こえます。

EXEO COP
●基本的な印象はEXEO AMPと共通していますが、こちらは(価格差ほぼ10倍ですが、音の雰囲気は)「DENSEN BEAT B-400 PLUS」を彷彿とさせるキレのあるハイスピードサウンドです。
●やはり(価格的には仕方がないですが)音にまとまりがなく、四方八方に飛散してしまい、定位感もやや悪いのでちょっと粗雑な感じがします。
●S/N感はアンプよりも良い感じです。

…と、要は「いつもの通り価格を超越するサウンドではないけれど、アグレッシブでハイスピードなサウンドを好まれる方には最近で1番お勧めできるセット」だと思われます。

最後に…何だか、言いたくて言いたくてウズウズしている言葉があるので(これだけ書いたんですが)もっと端的に言わせてください。
「Children of Bodom」を最高のサウンドで聴きたい人(ヤツ)EXEOシステムで聴け!と。(笑)

AMP単体でもよし、CDP単体でもよしなんですが、久しぶりにセット(システム)でお勧めできる感じです。
お値段も「初オーディオ」に持ってこいの価格帯なのでぜひ買ってやってください!

P.S.
このEXEOの印象が他の方と違うのは「(たぶん)聴いているソースが違うから」なので、お気になさらずに!
(※MIDレンジ(中域)がしっかりしている点では、いつものtangentと同様でしたしね。)

TEAC CR-H500NT part.2

11月 18th, 2010

前回は書ききれませんでしたので「TEAC CR-H500NT-B」(「-B」は本体がブラックという意です。)のサウンド傾向をレポートします。

【メタルファンに朗報のオススメ入門機!】

当店がTEACの「PD-H600」と「AG-H600」を非常に気に入っていて、リファレンスにしていることはこのblogをご覧いただいている方の多くが既にご存知かと思いますが、やはり2機のサウンド傾向と同じく「ガツンとした鳴りっぷりの良いサウンド」といった第一印象です。

もちろん、一体型であることや価格面からも「2機を組み合わせたサウンドの廉価版」という感は否めませんが、逆に「このサウンドがよく一体型に収められたもの」と感心するクオリティでもあります。

いつもの通り、思いつきで書き出していきますと…、
●アグレッシブで音がバシバシと飛んでくるような開放的なサウンド。
●「緻密」とか「繊細」という言葉とは無縁?のような豪快&パワフルさを持っています。
●高音はやや寂しい(出切っていない)ですが、低音は思いの外に深さ(重低音までよく出ている)があって、重厚感・情報量もそこそこに感じられます。
●スピード感は「中の上」?「上の下」?という感じで、黒江的には十分合格点です。

要は見出しの通り『(特にバキバキの)メタル向き』な感じのサウンドなんです!

…と、褒めてばかりでは何ですので、気になった点ですが、一番はやはりS/N感で次いで解像度。
簡潔に言えば「少し音が粗く、乱雑でクリアネスが足りない」…と、やはり純然たる「単品コンポ」のクラスには残念ながら及びません。
(まあ、この価格ですから多少の見劣り(聴き劣り)は仕方がないですし、価格以上の音質であることは「太鼓判」で良いと思います!)

しかしながら、「まだ単品コンポまでは手が出せないけどオーディオを少しずつ揃えていきたい」方や、「セカンドシステム」「リビングでコンパクト、且つ本格的なオーディオ」を組みたい方にはオススメしたい製品でした。

で、忘れてはいけないのが(1つ前のレポートの通り)、「インターネットラジオ」機能を搭載していることです。
メタル向きのサウンド傾向、一体型の利便性と省スペース性(って言っても結構大きいですのでご注意を)、国内盤は発売されていないバンドや海外のインディーシーン(インディーズ)まで聴くことが出来るインターネットラジオに『それらを簡単にUSBメモリーに録音出来る+αのおいしいオマケ付き』です。

(特に)メタルファンはぜひチェックしてみください!(J-POPやROCKも全然イケますよ!)

TEAC CR-H500NT

11月 13th, 2010

ちょっと間が空いてしまいましたが、『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』レポートの第1弾をお届けします!

【インターネットラジオ搭載のオールインワン最先端。】

まずは「TEAC CR-H500NT-B」です。
CDは当然のこと、アナログレコードのPHONOに、iPodやUSBメモリー内のMP3なども再生可能。
さらにFM/AMチューナーまで付いていている、いわゆるオールインワンと呼ばれるタイプの製品ですが、これに加えてインターネットラジオまでもが搭載されているのが特徴であり最大のウリです。

本題の前に『インターネットラジオ』とは…読んで字のごとくインターネットを介したラジオのこと。なのですが、最大の利点はインターネットの特性と同じく「世界中の(WEBサイトが見れる=)ラジオ局が聴ける」ことにあります。
CR-H500NTはLANを介して「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」という世界中のインターネットラジオ局が15,000局以上も登録されているインターネットラジオ局を包括・網羅するWEBサイトにアクセス(連携)してラジオを聴くことが出来るようになっています。

言わば「世界中のありとあらゆるジャンルがいつでも聴けるジュークボックス状態」。これがインターネットラジオというものです。

また、まったく知らない曲やアーティストでも、選局中のラジオ局から情報が送られてきているので「はじめて聴く曲でもすぐに詳細を知ることが出来る」のもありがたいですよね。
パソコンだけでもインターネットラジオは楽しめますが、「CR-H500NT」のようなインターネットラジオ機能を持った専用機があれば音質も良く、パソコンを他の用途に注力させることができます。

そして、「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトではラジオ局のリストアップや検索、お気に入りのラジオ局や新しく見つけたラジオ曲の登録をすることが出来ます。(要メンバー登録)
この機能がかなり便利で、例えばすでに「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」に登録されているラジオ局であれば語句やアーティスト名で検索すれば該当のラジオ局がすぐに見かりますので、気に入ったラジオ局ならお気に入りに入れておくだけ。
すると「CR-H500NT」ですぐに選局することが出来るようになるのです。要は「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトを通じて「CR-H500NT」のインターネットラジオ機能をパソコンから制御することが出来るというワケです。(再生や録音、選局などの操作が出来るというワケではないのでご注意を。)

(まだそんなに実践していませんが、例えば北欧スウェーデンのインディーシーンのデスメタルバンドばかりを集めたラジオ局があれば(あればですが)、未来の大物バンドを早くから発見・聴くことができるかも!?)

これだけではありません。
「CR-H500NT」ならインターネットラジオはもちろん、CD/FM/AMなどのサウンドはUSB端子に挿しこまれているUSBメモリーにMP3形式などで録音することも出来るんです。
つまり、(USBメモリーの容量が足りていれば)1日中だってインターネットラジオを録りためることができ、パソコンなどで気軽に再生することができるのです!
これは便利な機能じゃないかなぁーと、個人的には思っています。(録音したMP3などでは曲の詳細などは記録されませんのでアーティスト名などを調べるのは苦労しそうですが…。)

…と、長くなってしまったので肝心な「CR-H500NT」のサウンド傾向などはまた次回にでも。

http://www.wifiradio-frontier.com/