Vienna acoustics Haydn Grand Symphony Edition

6月 6th, 2011

HAYDN GRAND SYMPHONY EDITIONは↓こちらからお求めいただけます。
『ザ・ステレオ屋 オンラインショップ(BASE店)』
https://digitalside.thebase.in/

今日は2本立てで書けそうなので書いておきます!

【Haydn Grand Symphony Edition ≒ Haydn Grand Special Edition】

(ご周知の方もおられるかもしれませんが、実は)先だって完売しました『Haydn Grand Special Edition』は当店が日本で一番(=世界で一番?)多く販売させていただいたのですが、(その最後の試聴機を残しておいたので)この度の新モデル『Haydn Grand Symphony Edition』との比較試聴をさせていただきました。

…で、結果なのですが、見出しの通り「ほぼ同じ(目をつぶって聴かされたらたぶん分からない)」です。

…って、実はこれは当たり前の結果と言えると思います。
それは『Haydn Grand Symphony Edition』は『Haydn Grand』のウーハーをスパイダーコーン(ウーハー)に変更し、それに伴ってネットワークを調整したモデルだからです。
これは『Haydn Grand Special Edition』と同じ変更点なのです。
結果的には『Haydn Grand Symphony Edition』の量産モデルといっても過言ではないと思われます。(その割に値段は上がりましたが、SEユーザーへの配慮かもしれませんね。)

もちろん、輸入元さんからも少し早目に情報が入っており「仕様上はSymphonyとSpecialに相違点が無い」ということでしたし、(いの一番に聴かせていただけることになったので)それであれば「同時比較試聴」がベストであると思い、あえて『Haydn Grand SE』を“手放さずにとっておいた”というワケなのです。

見た目もまったく同じです。(ネットワークまでは引っ張り出しませんでしたが、せいぜい誤差範囲かと思われます。)
大きく違うのはフィニッシュだけです。ピアノブラックやローズウッドなど、選択肢が増えましたが(その分?)値段が上がりました。
また、Special Editionに付いているCDは付属しません。

なので、サウンドのレポートは以前のリンクをご参照ください。
(決して手を抜いているのではなくて、本当に同じレポートなんです。^-^;)
なお、Mozart Grandも同様の変更ですので「以前のモデルの方が好きだった」という方も少なくないと思われます。

http://www.digitalside.net/?p=375
http://www.digitalside.net/?p=381
http://www.digitalside.net/?p=390

ONKYO A-7VL

6月 6th, 2011

前回までの再生ソフトが佳境に入ったところでしたが、今日はちょっと脱線(…というか、いつもの路線に戻って)してアンプのレポートを(急ぎ足で)書きます!

【黒江的サウンドでは至上最高のCP機&至上最高の制約機】
(※最後まできちんと読んでください。)

とにかく、すごいサウンドなのでいつも通りに箇条書きで褒めちぎります!
●もちろん、ハイスピード。
「超」が付いても良いかもしれません。何だかぶっちぎりのスピード感です。

●もっとも強力な武器は「音のキレ」です。
スピードに加えて、かなりのキレを持ったサウンドです。

●低域のタイトさとアタック感。
量感も薄くならず、しっかりと低音が出ている印象であり、深さも上々でありながら輪郭が明瞭です。…なかなかこういった低音を出せるアンプは少ないのではないでしょうか。

●高域の伸びと繊細さもあって、高いレンジ感を誇ります。
低域のみならず、高域も非常にきれいに出ている傾向で、とてもこの価格帯の印象ではありません。
粒立ち・分解能が良好なことに加えて、(粒立ち・分解能が良好であると失われやすい)アタック感もしっかりとしています。
TEAC AG-H600は高域の伸びや繊細さにやや欠けるので、A-7VLを聴いた後にAG-H600を聴くと少し暗く感じます。

●デジタル系の強みか、非常に高いS/N感。
何もない空間にスッと音が現れては消え、現れては消えるようなクリアな見通しです。
TEAC AG-H600のS/N感がやや悪いので、余計に高いS/N感が際立ちます。

続いて、(あまり過度に期待しないでいただきたいので)この辺はもう少しかな?という点です。
○全体的に音が前ががりで、奥行き方向は望めません。
tangentのEXEO AMPと同傾向で、いわゆる「アグレッシブ系」という位置づけです。

○広がりや、定位感はもう少しといったところ。
広がりは黒江も必要としていないのですが、やはり奥行き感の点で楽器の位置関係に少し不満があります。
(左右の位置関係やボーカルの定位は上々です。)

…と、あまり悪い点も無く『奇跡の1台なんじゃ…?』という感じではありますが、最後に大きなオチがあります。
それは『上記すべての印象は「同軸デジタルで接続した際に限る」サウンド』であるということです。

しかも、この印象を持ったのは他ならない当店のリファレンスCDプレーヤーである「Aura neo」を用いた場合(のみ)であり、他のプレーヤーではまったく違った見解(CDプレーヤーのサウンド傾向に依存)となります。

なので、A-7VLだけを購入されても、上記の様なサウンドが得られるわけではないので「要注意」を…。

ちなみに、アナログ入力でのサウンドはというと…、「ノーコメントにしたい」といった印象とだけ…。

でも、トランスポート次第ではメチャクチャいいサウンドだと思うので、ぜひ1度チェックしてみてください!

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 4

5月 25th, 2011

前回の続きです。
(前回同様に先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

○Audioactive Player
MP3専用なのですが『透明感・解像度・音の粒立ち・スピード感』など、かなりハイスコアです。
加えて、(プログラムの)ファイルサイズ・実行時のリソース(メモリー)消費などが小さく(MP3ファイル自体も軽量なので)、ロースペックなパソコンでも安定して稼働するのがポイントです。
最近(購入)のPCであれば他の作業をしながらの「ながら聴き」の際にメイン作業の(処理能力の)邪魔にもなりませんし、10年前…は分かりませんが4,5年前くらいのPCなら十分に安定して動いてくれますので気軽に扱うことが出来ます。
黒江的好み度:B+

○~(△)SoundPlayer Lilith
正直に言って「かなり好みではない音(作り)」なので無評価の方が良かったのかもしれませんが、プレーヤーでかなり音作りをしているのではないかという印象が強く「本当に同じWAVファイル・MP3ファイルを再生しているのだろうか?」…といった“興味深い体験”をさせてくれることと思いますので、ぜひ一度聴いてみていただければと思い、紹介させていただくことに。
情報量や解像度が高く、滑らかな音質なので高圧縮のMP3などは上手くケアされているサウンドです。
黒江的好み度:D

○WINAMP
こちらは老舗の(高音質でも?)かなり有名なメディアプレーヤーです。
(“老舗”とある通り、かなり前からWindows標準のWindows Media Playerよりも音質が高いことで知られていた気がしますが、いつの間にか動画にも対応していたんですね…。)
やや歪っぽく、ちょっと粗いかな?と感じる面もありますが粒立ちは上々で黒江好みのサウンドです。
…で、中でも僕が注目したのはインターネットラジオ機能なのですが、(紹介している数々の再生ソフトにはインターネットラジオ機能を持ったものは少ないですし、)今のところインターネットラジオに関しては最も高音質なのではないかと思っております。
WAV・MP3はもちろんのこと、対応フォーマットも豊富ですし、常駐させておくにはかなり有用かもしれません。ちょっとプログラムが重めですが…。(Lite版があるけど、こっちの方が音質良いのかも?!)
黒江的好み度:A-

○(~◎)MidRadio Player
今回の探求の中で、個人的には最も“嬉しい発見”だったソフトです。
foobar2000・cPlayときて「うーん。悪くないんだけど何だかどこかオーディオ的(味付け)なんだよな…。もっとバシッと鳴るヤツはないんだろうか。あと、ASIO(4ALL)じゃなきゃダメなの?」なんて思っていた時にこのソフトを聴いたのでとても刺激になりました。

具体的には『ちょっと歪みっぽい?のと、S/N感ではcPlay・foobar・Stealth(ASIO系)に及ばないのですが、何よりスピード感・アタック感が最高』です。
加えて、cPlayなどで顕著な「プレイリスト作りが不要」で「ファイルを開く」だけでWAVもMP3もリストアップして聴くことが出来ます。
更に加えて、ASIO4ALLが不要なのでどんなPC&DACでも気軽に使えるのも+評価です。(気軽に使えなきゃPCオーディオとしては-ですもんね。…と思ってますので。)
それと、音圧がやや低いのでご注意を。
(サイトにはVer.7とVer.6がありますが、黒江的には断然最新Ver.でした。S/N・スピード・分解能・粒立ち・キレ…と、総じて鋭さが全然違うんですよね…。)
黒江的好み度:A-

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 3

4月 27th, 2011

前回の続きです。

前回はiTunes・Windows Media Playerを基準としてfoobar2000の高音質さを紹介しましたが、今回は以前の様に一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

×iTunes
いきなりの「バツ」評価ですが、当レポートの趣旨からしても“スケープゴート”的なポジションになってしまっておりますのでご容赦ください。
具体的な感想としては、やはり「モヤモヤ・モワモワしている」という感じが非常に高く、S/N・解像度などが「及第点に満たない」といった印象です。

また、数少ないWindowsとMacの両環境でおそらくほぼ同一と思われるソース[プログラム]の再生ソフト(アプリケーション)ではありますが、音質の評価はMacでの試聴でも同様(に低評価)でした。
…と、あまりケチばかりつけてもなんなので勝手ながら背景を考察してみましたが、(先ほどは“再生ソフト”と書きましたが、)『そもそもiTunesはiPod/iPhone/iPadの管理および、ライブラリの管理、音楽・アプリの購入、その他(インターネットラジオ・ポッドキャスト・ホームシェアリング・レンダラー)と多機能なマルチメディアアプリケーションであって再生ソフトではない』のですよね…。
現にAppleは「多機能化やiPod/iPhone/iPad/AppleTVの新たな機能への対応」をうたっては来たものの、一度たりとも(iTunesが)「高音質」であるとうたったことはありません。(…よね?)それであれば妥当な評価なのかも…とも思うのですが。
黒江的好み度:C-

×Windows Media Player
iTunesほど(の多機能)ではないですが評価の理由は同様です。
ただ、個人的に音質はiTunesほど酷くはないと思っています。(音が明るめで少し抜けが良い感じです。)
ただし、リファレンスとなるような音質は期待できませんので辛口評価ということで…。
黒江的好み度:B-

△foobar2000 (with ASIO4ALL)
「色々な方から叱られそうですが、色々と聴いてきた結果です。」ただし、結構な好みで(僕の)評価を落としていることは間違いありません。
音の綺麗さ・広がり・情報量は高く、素直に評価しておりますが、悪く言えば「小奇麗なだけの、いかにもオーディオ的な作られた音」といった印象です。(ちょっとオーバーに書いてますが…。)
音が全体的に大人しく、やや滑らかになっているのでそれを“ビットパーフェクトが為せる情報量(の多いサウンド)(※仔細はまた後日)”と思い込んでしまうのかもしれませんが、個人的には「巷で言われている(決定版と言う)ほどのものではない」と思っております。
加えて、“ASIO4ALL”という+αで完全に盲信してしまう傾向があるのかもしれませんね。
黒江的好み度:C

◎cPlay (+ cMP with ASIO4ALL)
foobar2000と同様にこちらも比較的有名で評価の高いソフトですが、こちらは僕も高評価でした。…と言ってもやはり個人的に好みだったからだと思います。(そういう意味ではfoobar2000もきっと好み次第なんですよね…。^-^;)
ただし、僕の評価はSSE2版が圧倒的に高く“◎”ですが、SSE3版は“△”くらいになるかもしれません。

高評価の理由ですが…とにかく音が細かいです。そして、ハイスピードでクリア。
欲を言えば「音が少しスカスカしていて、(平面的にスピーカーの前で広がり)飛んでこない」ので「もう少し音が前に鋭角に向かって来てほしい」と思う点です。

更にcPlayとペアで動かすとWindowsの音楽再生に不要な機能を抑制できて更に音質が向上する“cMP”の効果も認められますが、(環境によっては)システムがやや不安定になりますし、無くても十分なので個人的には使用しておりません。(cMP使用時は音の余韻などが強くなり、好みから遠ざかる印象も。)
…ですので巷の評価と同じとは言え、巷では『cPlay SSE3 + cMP with ASIO4ALL』なのに対し、僕は『cPlay SSE2 with ASIO4ALL』なのでご注意を。
黒江的好み度:A-

…と、また次回に続きます。

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 2

4月 19th, 2011

ちょっと間が空きましたが、前回の続きを書いていきます。

[2]再生ソフト(ドライバー)
前回はCDの音楽・曲データを(正確に、元の録音通りに)リッピング(抽出)するソフトに触れましたが、今回はそのデータを再生するためのソフトです。
前回も述べましたが、黒江はFLACなどの高音質音源には今のところ関心がなく(関心のあるジャンルの配信がなく)、あくまで「CDで再生していたものをPCでいかにCDに近い再生ができるか」を主眼としています。

また、いつものアンプ・CDプレーヤー・スピーカー・ケーブル類のレポート時と同じく、「いかに色付けのない再生を得ることが出来るか」が重要であると考えておりますので、「このソフトは理論的に高音質であるはず…」といった概念はあいにく持っておりません。
こちらも、あくまで「(同じWAV・MP3ファイルなどを)異なるソフトで聴き比べて、よりCDプレーヤー(現在のリファレンスAura neo)で聴いている音に近い」ものを選出しています。

なお、PCオーディオに関しては、この“理論的”という点で色々と補足したい点もありますので、そちらはまた次回以降にでもまとめたいと思います。

■試したソフト
 ●iTunes
 ●Windows Media Player
 ●foobar2000
 ●cPlay (+ cMP)
 ●StealthAudioPlayer
 ●Wave File Player for Reference (& for Experimental)
 ●Audioactive Player
 ●SoundPlayer Lilith
 ●Frieve Audio
 ●Winamp
 ●MidRadio Player
 ○Activate Sound in SafeMode
 ○ASIO4ALL

※Windows 7やMacは別の機会にあらためさせてください。

もちろん(前回のリッピングソフトも)ここに列挙した以外のソフトも聴いていますが、とりあえずメジャーどころと(普通の方にとってはマイナーだけど)既存のPCオーディオユーザーの間では高音質で有名なもの、その他を聴いてみました。
本数が多いので1つずつのレポートは割愛しますが、それぞれの(僕なりの)感想をご覧ください。

『iTunes』『Windows Media Player』…は、もちろんの登場です。しかし、巷で言われている通りに再生の音質はとても称えられるものではないと思います。特に「iTunes」は…と思ってしまいました。
(双方ともにソフトのバージョンで音質が異なると言われていますが、iTunesは古いのでVer.6から最新Ver.10まで、Windows Media PlayerもVer.6からVer.11まで聴き比べてみたところ「確かに違うし古い方がまだマシだけど、低レベルの攻防かな…」と。)
(ちなみに、古いバージョンは仕事用のPCに「Windows2000」があるため用意できました。iTunesは結構たくさんのバージョン(のインストーラー)を保存しています。^-^;)

続いて、大本命の『foobar2000』です。やはり前述の2本に比べて全然違います。モワモワ・モヤモヤしていたのがスッキリした感じで、空間・広がりもあり、さすがに定番中の定番になっているだけのことはあります。
なお、この『foobar2000』ではじめて『ASIO4ALL』というものを使ってみました。

◆ASIO4ALLとは…
よく、「WindowsよりもMacの方が音が良い」と言われていますが、その素因の1つ(…いや、すでにMacのハードはWindowsと同じものだから「そのすべて」かな?)にOSが音を出す仕組みが異なる点が挙げられます。
Macは何かしらかのソフトで作られたサウンドをそのまま出力するのに対して、WindowsはKernel(カーネル)というOSの心臓部に一度サウンドを送り、その中のミキサーを通ってから出力しているのです。
(ソフトの音量をMAXにしてるのに、音が出なかったり、小さかったりして、調べてみたらタスクバー右下の「スピーカー?ラッパ?メガホン?みたいなマーク」をダブルクリックして出てくるミキサーパネルのボリュームが小さくなってたせいだったことがありませんか…?あれがカーネルミキサーです。)
つまり、簡潔に言えば2回ミキサーを経由してしまっているワケなので音質が劣化すると言われています。
そして、『ASIO4ALL』はこのカーネルミキサーをスキップしてサウンドを出すというドライバー(パッチ)と呼ばれるソフトです。(スキップしてるとは言ってもミキサーが無効になるわけではないのですが…。)

『ASIO4ALL』を介したサウンドは更にクリアになりました。先ほどのモワモワ・モヤモヤがもう1ランク取れ、広がりも更に出ます。
…ということで、しばらくはこの『foobar2000 with ASIO4ALL』がリファレンスプレーヤーソフトとなりました。…が、

続きます。

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)

3月 15th, 2011

『2011年3月11日14時46分』地震の瞬間はお店の近所のスーパーに(遅い休憩中で、たまたま買い物に出ていて)居ました。
カゴに数点の品物を入れつつ奥に進んでいたら、グラッと来たと同時に(…か、停電の方が早かったくらいに?)停電しました。

一瞬、ただの停電かと思っていましたが、揺れを感じたのですぐに入り口付近まで戻りました。
すると入り口付近にはおばちゃんたちが群がっていて立ち往生していたので『出た方が良いですよ!』と声を掛けて外に出させます。
(「建物の外と中、どちらが安全か」というところはありますが入り口付近に固まりすぎていたので、そちらの方が危ないととっさに判断しました。)

自分も外に出ましたが、「これはヤバいな」と確信します。(信号や電信柱が稲穂のように揺れ、アスファルトが波打っていました。)
…けど、カゴを持ったままだったので入り口に置いて(店員さんゴメンナサイ…)揺れ続けている中をダッシュでお店に戻ります。
幸いお店には大きな損害・ケガ人などはなく、自宅も最小限の被害でした。

僕自身も震災にあったことは事実であり、そのことは「不運」なのかもしれませんが、たったこれだけで済んだのですから「幸運」であったと思っています。

(僕の親族や知人にも甚大な被害を受け、今でも受け続けている方がおりますが、)
数万人、いえ、きっと数10万人の被害者が出るであろう大災害であると思われます。
(望みは薄いと思っていますが、今はまだ犠牲者とは書けません…。)

被害にあわれた方へは心よりお見舞い申し上げます。
そして、亡くなられた方へ心よりご冥福をお祈りいたします。

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 1

3月 9th, 2011

最近のレポートにも表れています通りですが、ここ数ヶ月は黒江もPCオーディオにすっかりハマっております。
ただし、『ハマってる』といっても決して『夢中』になっているわけではなく、どちらかと言えば『嵌められた』方に近いハマり方かもしれません…。

そこで“現状に於ける”僕のPCオーディオに対するスタンスを先に述べさせていただいておきます。

【手軽さ、気軽さを兼ね備えた低音質からの脱却。】

完結に言えばこんな感じです。
要は「今までの(ノーマルの)PC/Macで聴く音楽の音質が悪すぎたワケで、利便性の高いPCで聴けるレベルまで(簡単に、低予算で)音質を高められるようになった。」といったスタンスです。
なので、「CDを凌駕した」などといった印象は微塵にもありません。(後述しますが、近いレベルにまで“安価に”達することが出来るのは否定しません。)
もちろん、否定しているわけでもなく、むしろ肯定的なスタンスであることは予めご理解ください。(そうでなければ↓ここまで色々と試しません。笑)

ちなみに、PCは…
hp : nx6320 (WindowsXP SP3/MEMORY:1GB)
…といった旧型を使用しています。(PCオーディオの為にわざわざ新調したりはせず、気楽に行きましょう!)

まず、一口に『PCオーディオ・USBオーディオ』といっても実に様々なプロセス・装置(機材)を経て音が出ています。
[0]リッピング用ドライブ
[1]リッピング(ファイル形式)
[2]再生ソフト(ドライバー)
[3]USBケーブル
[4]DAC
[5]ラインケーブル
…と、ざっと書いてもこのくらいですし、もっと言えばOS(Ver.)やOSの設定、ドライバーの設定・調整と多岐に渡っています。
僕自身もまだそのすべてを網羅したとは言えませんが、それなりに数をこなしてみましたので順を追って試したものと(現状で黒江にとっての)最適解をレポートしていきます。

[0]リッピング用ドライブ
いきなりド本命の要素ですが、“とりあえず”お店ではTEACのCD-RWドライブ(ボツにしたのはNECとRICOHのDVD-RWドライブ)、自宅はPLEXTORのCD-RWドライブを使用しています。
※現在使っているドライブはリッピング用にセレクトしたものではなく、数年前に「いかにオリジナル盤を劣化・変化なくCD-Rにするか」に夢中になっていた時に比べたりしたものです。
 自宅では他にもSONY・TOSHIBA・Victor・SAMSUNGなどなど数機種の内蔵や外付けドライブをAB比較して良かったものを残していました。
 リッピングドライブとライティングドライブを別々にするなどは行っておりません。(そこまで凝り性ではないので…。^-^;)
 (目下、PioneerのPureRead搭載のドライブを検討中です。YAMAHAのAudioMASTER搭載のドライブは買い損ねちゃったしなぁ…。)

[1]リッピング(ファイル形式)
ここがみなさんと大きく異なるのかもしれませんが、黒江はFLACなどの高音質音源をベースにしていません。
基本はCDからWAVファイル方式でのリッピングで、次いで(今までiPod用にリッピングしていた)たくさんのストックを持っているMP3をいかに高音質で聴くかに注力しています。
もちろん、ジャンルはMETALを中心にHARD ROCK・J-POPがほとんどです。
■試したソフト
 ●EAC(ExactAudioCopy:エグザクトオーディオコピー)
 ●iTunes
 ●CloneCD
 ●CD2WAV32
 ●CDex
 ●LAME
すべてWAVファイルが中心です。(※LAMEはMP3、CloneCDはISOファイルを作成して対応ソフトでの再生です。)
結論としては『CD2WAV32』がもっともオリジナルに近いリッピングをすると判断し、『CD2WAV32』を使用しています。

経緯として、最初はやはり『ExactAudioCopy』がもっとも秀逸であると思っていましたが取り込んだWAVファイルとドライブの中のCDを聴き比べると『ExactAudioCopy』は少しパンチのない(その分、小奇麗には聴こえるのですが…)サウンドになっていると感じたためです。

もちろん、ドライブの特性やリッピングの仕方(EACのドライブ設定はバッチリだと思うんですが…)などに問題が無いとも言い切れませんので一概には言えませんが、僕は「綺麗にリッピングしたいのではなく、オリジナル通りにリッピングがしたい」のです。

なお、MP3はまだ余り比較していないのですが、LAMEはiTunesなどに比べると高音質であることは間違いありません。(でも、MP3だと「どうせ劣化するんだし」と思ってついついiTunesなどの手軽な方を使っちゃうんですけどね…。^-^;)

長くなるので一旦切ります。

ネットワークオーディオ report 4 [olive 3HD]

2月 18th, 2011

今回は「olive 3HD」にクローズアップです。

【黒江的には現在のベスト、ただし4HD・6HDとは音色傾向が異なるので要注意!】

まず、前回、前々回と続いた「NP-S2000」「NA7004」とは対極的なタイプと言えます。

1.「NP-S2000」「NA7004」がアナログ的なスムーズなサウンドなのに対して、「olive 3HD」は(NAS経由でも、内蔵HDDの再生でも)CD再生のままに近いサウンドで聴くことが出来ます。(=決してデジタルっぽいという意味ではありません。)

2.「NP-S2000」「NA7004」には無い内蔵HDDでNASが無くても完結してしまう。
個人的には「なぜ、わざわざNAS経由にする必要があるのか。」という思いもあることはあります。
(もちろん、NAS経由であれば一家に1台のNASを各部屋のオーディオシステムからコールすることが出来るので利便性は向上しますが、そんなにネットワークオーディオを各部屋に置くかなぁ…なんて。)
ちなみに、この「olive 3HD」はそのNASの役割にもなれる(NASを呼び出すことも出来るし、NASとして呼び出されることも出来る)のでポイントが高いです。

3.操作性はハッキリ言ってやや低レベル。
本体のタッチパネルはまずまずなのですが、それでも「反応が微妙に遅い」「(国内ブランドではないため)文字化けが発生する」などお世辞にも高評価できるレベルではありません。
更に言えば「PCやMac上のWEBブラウザー(Internet ExplorerやFirefox)からの操作[Maestro]」や「iPhone/iPod touch用のアプリ[Olive App(旧iMaestro?)]」などの操作性も低く(1例を挙げると、曲のリストから再生は出来るけど停止は出来ない!笑)、全体的な操作の快適さ、スピード、安定性などは課題が残ります。(アップデートで解消されるかもしれません。)

4.CDプレーヤーとしても秀逸。
黒江的に最終的にはこれに尽きるかもしれません。
さすがにCD専用プレーヤーである「Aura neo(定価210,000円)」などには及びませんが、何気に単体のプレーヤーとしても十分に聴けちゃう音質があると思います。(少なくとも定価10万円前後くらいのプレーヤー並みのレベルはあるんじゃないかな…と。)

…と、肝心のサウンド傾向をいつものように書き出してみます。(vs neo形式)
●neoに比べるとやや低重心で高域の抜けなどは劣りますが、スッキリとした軽快なサウンド。
●neoと比べるとやや劣りますが十分にハイスピードで張りやアタック感のあるアグレッシヴ系。
●S/N・解像度・分解能はCD専用機に比べると若干引けを取りますが、及第点“以上”のクラス。
●低域は出過ぎずタイト、やや重低音域の沈み込み・深さに欠ける。
●ウェット感・ドライ感などはなく、ニュートラルな音調。
●広がりはあまりなく、ステレオ感は強くない。
…こんな感じでしょうか。

パッと聴いてすぐに思ったのは「アグレッシブ&鮮度感が高い」といった印象のストレートな傾向のサウンドです。(要は黒江好みのサウンドということです!)

ちなみに、見出しにある通り同じolive社の兄弟機である「4HD」「6HD」とはサウンド傾向が異なりますのでご注意を。(3HDはDACに「CIRRUS LOGIC」を使用していますが、上位機種は「BURR-BROWN」という傾向の異なるDACが搭載されています。)

HDDの容量が500GBとやや少なめですが、単体でネットワークプレーヤーが成り立ち、NASとしても使え、CDプレーヤーとしても優秀。しかも僕の好みのサウンド。
現在のところ、黒江的ベストです!ぜひチェックしてください!

ネットワークオーディオ report 3 [marantz NA7004]

2月 4th, 2011

前回の続きです。今回は「marantz NA7004」を掘り下げてみます。

まず、「少々音質に難ありと」させていただいたNA7004ですが、もう少し具体的にレポートさせていただきます。
【YAMAHA NP-S2000と同じく、なめらか傾向を狙った結果か?】
その後もolive 3HDと何度も聴き比べてみましたが、やはりしっとりというか、のんびりというか、少し間延びしたようなサウンドであることは確かです。
(最初に聴いたNP-S2000といい、NA7004といい、両機がこんな感じでしたので最初はNAS経由の独特の傾向なんだろうかと思ってしまっていたわけですが、3HDでは異なった印象を受けたのでハードの傾向であると判断しております。)

…なのですが、(くどいようですが)「聴けたものではない」ということではありません。あくまでCDプレーヤー(Aura neo)と同じ曲を聴き比べた場合の感想でありますのでバッサリと斬り捨てるような音質ではありません。
加えて言えば、特に黒江が好む傾向のジャンルには向かず、音のメリハリ・スピード感・粒立ち・シャープさに(CDプレーヤーと比べると)欠けるので、(僕にとっては)余計に印象が悪く聴こえたのだと思います。

「その代り」と言ってはなんですが、なめらかに聴こえる傾向にあるので、いわゆる「デジタルっぽさ」は感じられず、WAVファイル、ましてや低ビットレートのMP3を聴いてると強く感じさせない良さがあります。(あまりに低ビットレートだとそうも言っていられませんが…。)

なお、Aura neoが定価210,000円ですので価格差を合わせるためにCambridge Audio azur 650Cなどとも比較してみましたが、やはりS/N感と分解能がやや不足気味に感じられました。もう少し明瞭になるだけでも随分印象は良くなりそうです。(LANケーブルで変わるのかなぁ…。)

もちろん、音数の少ないアコースティック系やボサノバ(カフェミュージック)なども聴いていますが、やはりこういったジャンルの方がしっくりくるサウンド傾向ですね。

…と、一旦NA7004の機能を整理してみましょう。
1.PCオーディオ(USBオーディオ)
2.ネットワークプレーヤー
3.インターネットラジオ
4.iPod/USBメモリプレーヤー
(全面の端子にiPodドックケーブルやUSBメモリを挿すことでデジタル接続再生が可能。)
5.Bluetooth接続
6.DAC機能
(デジタルイン・デジタルアウトも豊富でDAコンバーターやDDコンバーターとしても使用可能。)
細かな機能を抜かしてもこれだけの機能があります。そして実売7万円代なのですから『度肝を抜くような高音質』を求めるのは酷な気がしてきました…。(うん、この価格でこの機能なら…というか、PC/ネットワーク系であれば『全部入り』なんじゃないですか!…と、今さら気づきます。)

…で、(今回は褒める気満々なんですよ!笑)
実は黒江がもっとも高く評価したいのが「操作性」です。
本体のディスプレイ自体は3行表示ですが、アクティブな項目(真ん中)のフォントが少し大きくなって視認性を高めていて本体・リモコンどちらでも感覚的な操作が行えます。カーソルやボタンを押した後のレスポンスも程好く、(本体のみでも)「やりたいことがスムーズに実行できる」操作性は今までのどの機種よりも群を抜いています。
極めつけはiPhone/iPad/iPod touch用に配布されているアプリ「Wizz App」の操作性で、ディスプレイが鮮明に見れない距離でも手元でサクサクと操作できるのは癖になりそうな操作性です。(ちなみに有線・無線LANを介して操作しているので、別室からでもコントロールできます!)

もちろん「Wizz App」のようなアプリ(ソフト)は他のメーカーでも用意しているところが多いですが、marantzほど快適に操作できるのはLINNくらいでしょうか。

…ということで、marantz NA7004の結論は『全部入りで本体のみでもアプリでも楽々操作。』CPは破格に高いと思います!

ネットワークオーディオ report 2 [YAMAHA NP-S2000]

1月 25th, 2011

前回の続きです。

今回は前回の「後述」と、大まかな使い勝手などをまとめて行きたいと思います。

まず、(前回のレポートでの)YAMAHA NP-S2000の評価には賛否あるのではないかと思いますが、個人的な感想として「MP3/WAVE/FLAC」などのデジタルフォーマットのサウンドが一様に「アナログを聴いているようなサウンド(の印象)」になってしまっている点が気になりました。
どういうことかというと…特に“128kbps~192kbps程度の高圧縮されたMP3”が顕著でしたが「良くも悪くもMP3のスカスカした感じが無く、密度のある濃厚な音」になっているのです。

これは無圧縮であるWAVEに於いても同様で、CDプレーヤーで聴いているサウンドよりも遥かに情報量の高いサウンドとなっている(ように感じられる)のですが「黒江的には音作りが激しくてとてもついていけないなぁ…」と感じてしまったのです。
具体的には「低音の量感が上がり、1音1音に濃さが出て余韻や滑らかさが向上する」といった印象です。しかしながら「元の音よりも音の1粒1粒が大きく、音場も広大ですが、音像(ボーカルの口の大きさや、バスドラムの口径)も広大(肥大)している」とも言えます。

もちろん、何の先入観も持っていませんでしたし、発売前にYAMAHAさんのショウルームで聴いた時はもう少し色付け・癖の少ないサウンドだった気がしていたのですが…。(そう言えば、もう少しチューニングされるようなことを言われていたような…。)
…と、そんなところで、今さらですが内部の豪勢な回路を思い出します。トランスを2機積んで、ディスクリート?!と言わんばかりのアナログステージ、何と言ってもあの重量。(YAMAHAショウルームではじめて中身を見たときは「アンプと見間違うくらいのぎっしり感」でしたしね。笑)…何となく、出てくる音の重厚感につながってくるような気がしました。

…と、と、もちろん決して悪く言いたいのではありません。繊細な音はよく拾ってくれていますし、ダイナミックレンジも上々です。くどいようですが、デジタルフォーマット(ファイル)を再生しているようには感じないアナログ的なサウンドを良しとするかでこの製品の評価は変わってくると思います。
ちなみに僕はご存じの通り、ROCK・METAL・J-POPなどを好みますので、クラシックを主に聴かれる方とは音の趣向が相対しやすいです。その辺りもこのNP-S2000をご購入検討されている方には注目していただければと思っております。

それから、もう1点だけ。正直に言いますと「操作性」はちょっと悪いです。本体のディスプレイは表示窓(ディスプレイ)が小さく、読み込み・検索・切り替えなど(iPhone用のアプリ経由などでも)動作にモタつきが感じられます。(先日のアップデートで改善されたのかもしれませんが。)
この手の製品は「一見、ただハードを購入しているように捉えがちですが、実はソフトウェアやサポートも(同時に)購入している」という性質の製品です。
「使いやすさ」「ストレスのないインターフェース(直感的に操作できるか)」も重要なポイントになってきますので、今後のアップデートに期待したいところです。

なお、僕のイチオシのolive 3HDも「操作性はイマイチ」ですが、marantz NA7004はかなり完成度の高いインターフェース(本体操作もiPhoneアプリも)となっております。
この辺はまた続きで書きたいと思います。