『WAVファイル』ってなんて読む?

2月 16th, 2013

たまには緩めのエントリーでも書いてみます。

表題の『WAVファイル』、みなさんはなんて読んで(呼んで)ますでしょうか?
ワブファイル?ウェブファイル?それとも、ダブリューエーブイ…ってこれはなさそうですね。

黒江的には断然、当然、「ウェブファイル」です。
正直言って機器のレポートとかには(好みの問題や聴いているジャンルなどでも大きく変わってくるので)異論・反論いただいても構いませんが、本件については異論・反論を一切受け付けません!…と言いたいくらい「ウェブファイル」です。

…と、こんなことで熱くなっても何ですし、もうちょっと理論?的に「なぜウェブファイルなのか」を少し解説させてください。

そもそも“WAV”というのは“拡張子”と呼ばれるファイルの種類を表す、「ファイル名の後に続く苗字(ファミリーネーム)」みたいなものです。
代表的な拡張子には“txt”(メモ帳)とか“htm”(WEBページ)とか“mp3”(圧縮音源)とか“xls”(エクセル)とか“doc”(ワード)とか“pdf”(書類)など色々とあります。
(“abcdefg.txt”というファイルなら、(フォントとかサイズの指定が出来ない簡易な)テキストファイルのファミリーのabcdefgという名前の子といった解釈になります。)
ファイル名と拡張子の間には必ず“.”(ピリオド)を入れるのがルールで、ピリオドの前がファイル名(「黒江 昌之」なら下の名前「masayuki」)、ピリオドの後が拡張子(苗字)です。
(日本人が海外で名乗るときに「ファーストネーム・ファミリーネーム」[masayuki kuroe]で名乗ったりするのと同じですね。)

つまり、拡張子はそのファイルがどんな種類のファイルであるか、(そして、その種類のファイルをどのソフトで開く、実行するか)を分類するために定められた動作管理用のファイル名(の一部)というところです。
(なので、この拡張子を例えば“mp3”→“txt”に変更すると正常に開けないことがあります。→特に古いWindowsでは基本的に開けません。)

ちなみに、AppleのMac OS系にはこの拡張子の概念が(あまり)無く、(Windows系よりは簡単に)変更もできないのでファイルが開けなくなることが少ないですが、実際はファイルデータの中に拡張子と同等のデータを保持しており、(変更しやすい)ファイル名という外側に露出しているか、ファイルの中に埋め込まれているかといった程度の違いであるのでMac OS系にも拡張子に似た概念は存在しています。
(最近はMacとWindows相互でファイルを共通・共有・共用できますしね。)

…で、でで、ここからが本題です。
“txt”が“TEXT”を短縮したものであることは多くの方がご存知ではないかと思いますが、“wav”も本来は4文字の短縮形なのです。(短縮って言っても1文字だけですが…。笑)

……そうです。もうお分かりいただけたのではないかと思いますが、“wav”は“WAVE”を短縮したものなのです。
なので、『WAVファイル』を正式に呼ぶとなれば「ウェーブファイル」または「ウェイブファイル」、それを短縮したものなので『WAVファイル』の呼称は「ウェブファイル」の方が自然なのだと思うのです。
(実際、今でいう“DTM”[DeskTopMusic]などが浸透し始めた頃は宅録ユーザーをはじめ、エンジニアやプレーヤー、レコーディング系の雑誌などでも「ウェブファイル」ってみんな言ってましたし、むしろ「ワブファイル」なんて言ってるヤツ見かけたことないです!笑)

(ここまで書いてる時点で一切Wikipediaとかを見てないのであくまで予想ですが、)
『WAVファイル』はおそらくWindows系に搭載されたライン入力やマイクからの音声入力を録音できる「レコーダー」(?だったと思う)というアクセサリソフトが録音した音声をファイル出力するときに付けられ始めた拡張子なのではないかと思います。(もしくは広く使われるようになった。)
そして、この「レコーダー」を使用すると入出力された音声が常に“波形”としてモニタリングされるので(サウンド:SOUND)ではなく、WAVEになったのかな?…と。(WAVEの方が当時主流だった3文字拡張子にしやすかったのも一因かもしれません。“sou”とか“snd”だと分かりにくいですもんね。)

なので、なので、黒江的には断然、当然、「ウェブファイル」です。
…ので、(ワブ派のみなさんには)「ワブファイル」と今後も言ってもらってもいいんですが、「ウェブファイル」と言っても怒らないでくださいね。

P.S.
…というか、誰なんでしょう「ワブファイル」とか言い始めた(書き始めた)人は。
(ご存知の方いましたら教えてください。○○に行きます!笑)

ちくわぶ

Nmode : X-DP1-HF

1月 22nd, 2013

ご挨拶が遅くなりましたが、2013年も元気に始動しております。
本年もよろしくお願い申し上げます。

【醤油顔でちょっとおっとりタイプの肉食系細身イケメン?】

…年明け早々、なにやらワケの分からない見出しになってしまいましたが、遅ればせながら『Nmode : X-DP1-HF』をプチレポートしたいと思います。

まず、見出しから察していただける通り『か弱い乙女サウンド(…ってどんなサウンドでしょう…。)』ではありません。
滑らかにフワーッと流れてくるようなサウンドではなく、ビシッと鳴ってくるサウンドの傾向であり、このことから(どちらかと言えば)男性的な印象を持つ音が基調になっています。(本体の見た目も男性的ですしね。)

ザ・ステレオ屋らしく表現すると、いわゆる『シャープ&アグレッシブ系』に分類することができ、全体的に音の分解能が高く、低音もタイトで輪郭の甘さがありません。(このことから肉食系と付けました。)

ただし、“アグレッシブ”と言っても「鈍器で殴打するような」「音(のつぶて)をものすごい勢いでぶつけられるような」…といった暴力的でパンチ力の高い傾向ではなく、「平手で何往復もビンタされているような」“ピシピシ・ビシビシ”といった鋭い(痛みの)傾向に分類されると思います。
(このことから無骨で隆々という感じではなく、細身と付けました。)

サウンド自体は非常にS/N感が高く、きわめてクリア・明瞭です。音に雑味が無く、細かさが高いので音のディテールがよく見え、音像定位も良好です。
加えて、“シャープ・タイト”と挙げていますが、ガチガチの硬質サウンドには聴こえず、“ほぐれている”という形容も当てはまりそうですが、これは1音1音の分解能が高いので「音の線が見え、(絡まっていないので)ほぐれている」ように感じられるといった印象を持ちます。(端整だけどさっぱりしているので醤油顔と付けました。)

悪く言えば、淡々としていて無表情・無機質に感じられる面もありますが、実は最後に1スパイスあります。
(特にミッドレンジに)ほのかに、うっすらとウェット感を帯びているサウンドであることです。
(この“わずかなウェット感”が絶妙であり、好みが分かれるところだと思います。)

そして、どうやらこのウェット感によって、ややスピード感には劣るサウンドになってしまっており(決して鈍足ではありませんが)お世辞にも“ハイスピード”とは形容しがたいサウンドになっています。
(※最初に「シンバルとバスドラがリードしていくようなイントロの曲」を聴いていたときにはこの減速感が感じられませんでしたが、ギターリフがメインのスピードナンバーなどを聴き比べると明らかな違いを感じることが出来ました。)
(この点にちょっとおっとりと付けました。)

…と、基本的な能力は上々、特にこれといった欠点も無し、…なんですが、どっちにも寄りきれていないとも言えるタイプであり、相反する特性を併せ持っているとも言え、なかなか評価や表現が難しいサウンド傾向の製品であると思います。(こういったニュートラル系は昨今多いですが。)
(個人的にはもっとウェットでも良いし、逆にウェット感を限りなく抑えてスピード感を上げてもらえたら“どストライク”だったかと。)
総評としては【黒江的評価:◎/黒江的好み度:B-】といったところですが、みなさんはいかがに感じられますでしょうか。

P.S.
見出しはこれでもだいぶ短縮いたしました。(笑)
「(醤油顔でちょっとおっとりタイプの肉食系細身イケメンが)いつもは無表情だけど、時々ウェットな癒し系の顔を見せてくれる」でも良かったんですが…。

今年の一発目にこんな縦ノリのレポートで恐縮です…。(でもせっかく書いたのでアップします。)

Pioneer A-70 [postscript]

11月 21st, 2012

(採用にあたり条件付きながらも)数年ぶりに『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』の座を射止めた「Pioneer A-70」ですが、当店のユーザーさんからも一様に好評をいただいておりますが、ぽつぽつと購入された方、ほぼ購入決定の方も増えてまいりましたので前回に書ききれなかったことを幾つか追伸させていただきます。

●USB接続やデジタル入力でのサウンド
原則的には前回のレポートの通り、「ハイスピード・クリア系・硬質傾向・エッジ感・キレ」といった“アンプのベーシックなサウンド”を感じさせますが、DACを経由するためかややサウンドに変化(エッセンス・スパイス)が乗っているようです。
USBやデジタル接続時のサウンドは(ライン入力時に比べ)「ややおとなしく、平面的」といった印象で、きれいではあるのですが少し棘が取れて丸くなる傾向なのでUSB接続などをメインに検討されている方はご注意ください。(スピードやキレも少し落ちます。)

●BASSの絞り加減
前回は“9時半~10時”と書かせていただきましたが、少し大げさでした。(ごめんなさい。)
(黒江的)ベストは“10時~10時半”あたりで、繋げるスピーカーの元々の低音量によって9時半や11時あたりをお好みでお使いいただければと思います。
(BASSのデフォルトはセンターの12時ですが、11時あたりで一気に低音が減衰するので試聴の際は「大体○時で」などと適当にせず、ぜひ微調整をしていただければと思います。)

●A-50との違い
「A-70とA-50の主要な部分は共通」とのことですが、実際に同時比較試聴を行った結果、(少なくとも黒江には)「とても同じようなサウンドには聴こえなかった」ので、「A-70のレポートや評価を見聞きしてA-50を購入するのは(A-50が良い悪いではなく違ったものなので)回避していただくのが賢明と思います」ということを今一度、明言させていただきたいと思います。
(「A-50とA-70は似たような音だけどA-50の方が安い分、やっぱり少し粗いかな…とか、解像度やS/N感に劣るかも」程度の差であれば、そう書かせていただきますので…。)
…ですので、(予算的に)A-50を検討されている方は必ず試聴していただければ幸いです。(できたらA-70との比較試聴もしてみてください!)

●サウンドの捕捉
(前回は特筆し忘れてましたが)S/Nが非常に高いのもポイントの1つで、何も再生していない状態の“無音時”に於ける(スピーカーから「スッー」と小さくノイズが聴こえてくる)残留ノイズもほぼ皆無であり、(音が出ている間は)その無音の空間に(次から次へと)ポッと音が浮かび上がってくるのが目に見えるよう、手に取れるような高い音像感も持ち合わせています。
逆に「1音1音の芯や肉付きはやや華奢な傾向」であるため、TEAC AG-H600や(旧機種の)PRIMAREのような“エグってくる感”はあまり持ち合わせておらず、“鋭利感”はあるけど“暴力的”ではないといった「無骨なマッシブさ、マッチョさ」は求め辛いかもしれません。(低音を上げれば少しカバーできますが…。)
とは言え、女々しいサウンドのアンプではありませんので、アグレッシブなジャンルをお好きな方も安心してお求めいただけると思います。(これで聴くSliPKnoTがめちゃくちゃ気持ちいんです…。)

…と、とにもかくにも(いい加減しつこいのはわかっていますが!笑)、条件付きであれば“黒江的サウンド”の間違いない今年(ここ数年)のベストアンプです。
しばらくは『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』として長めの付き合いになりそうなので、ぜひ皆さんにもご検討いただければ幸いです。

Pioneer A-70

11月 1st, 2012

新製品時期ということで立て続けになりますが、ようやく巡り会えた『ザ・ステレオ屋NEWリファレンスアンプ』を今回はレポートさせていただきます。
(2つ前のエントリーではモニターの黒江的ヒット「DB1 Gold」をレポートしています。)

訳あってちょっとしたストーリー仕立て&毒舌の応酬となっておりますが、最後まで暖かい目で読んでやっていただけると幸いです。(Pioneerさん、気を悪くさせてしまったら申し訳ございません…。)

【その豹変ぶりは、まるで“みにくいあひるのこ”?!】

「はじめまして」…と開封された新しいアンプを見て、無意識の内に「半端なくカッコ悪いな」…と、口をついてしまったくらい(個人的には)最低クラスのデザインであり、その第一印象は最悪のまま試聴に入ります。

いつものようにチャチャッと繋いで、パパッといつもの曲を聴いた直後、(外観と同様に)無意識の内に口をついていました。
『なんなの?この低音域の狂ったようなバランスは』…と、そのくらい低音が耳につくバランスの悪さです。(もっとひどいものもありますが、N-50の“とっても好きだった”テイストを期待していたあまりにそのガッカリ感が半端なかったのです…。)

ふと、(Pioneerさん社内でのテストか、雑誌社さんか、他店さんなどで聴かれていたのかもしれないと思い、)「ひょっとしてイコライザーいじった状態になってない?」…と、(アンプのそばに居た)弟分にたずねます。

「いえ、つまみ位置はセンターですし、(EQなどをバイパスする)ダイレクトがオンになっています…。」
「えー、マジかよ。これが(このアンプの音作りをした人が思う、周波数帯域が)フラットなのか。」…と、首をかしげながら様々な考えを巡らせます。
「待てよ?これがまだ試作機で、このトーンコントロール(イコライザー)が間に合わせの物とかかもしれないよ?」…と、今度はPioneerさんに念のための確認をお願いします。

数分の電話の後、「今ここにあるのは、ほぼ量産品とイコールで間違いないようです…」とのこと。
「うわー、デザインも野暮ったいけど、音も野暮ったいなぁ。デザインにも音にもセンスが感じられないよ…。」なんてボロカスに言いたい放題のわたくしです。(陳謝)

…と、ここまでわずか数分。まだパッとしか聴いていませんでしたので(特徴をしっかりと把握するために)今一度の試聴です。(もちろん、すでに半分“心ここに非ず”の状態で。)
やはり低音が気になります。…が、(低音にばかり気を取られるくらい)気になる低音を一旦(耳の中で)削除して聴き始めたとき、(推理物を解決するときのような)閃きを覚えたのです。
『これ、低域以外はかなりいいセン行ってるかも…。』
…となれば試すことは1つです。

『ちょっとイコライザー(EQ)でBASSを絞ってみて!』
…当然と言えば当然なのですが、EQ特性がおかしいと思ったのなら、EQで調整してあげればよいのではないかと。
(ただ、僕自身も然りですが、オーディオユーザーの多くはこの“EQをいじる前提でアンプを選ぶ”ことを好ましく思わない傾向にありますので、やや抵抗感のある方法ではあるのですが。)

…ということで、ここからはいつものレポートです。ただし、BASSを絞った状態でのレポートとなりますのでご注意ください。

■Pioneer [A-70]
●いわゆる“ハイスピード系”であり、S/N感・分解能が高く、音の立ち上がりがスピーディで明瞭、1音1音のエッジも明確でキレのあるサウンドです。
●(黒江の好む)ピークを丸めないストレートなサウンドであり、ディストーションのガリガリした刺々しさ、シンバルのジャリジャリとした硬質感などがしっかりと再現されています。
●サウンドは寒色系、硬質系ですので「聴き疲れる」「キンキンする」「耳鳴りがする」など、好ましく思われない方も多くいらっしゃる傾向ですのでご注意ください。
●ディストーションギターやベースの巻き弦をピッキングする際の(ピッキング)アタック音、スネア・バスの(特に皮をピンと張った)アタック音なども得意分野であり、ステレオ感も(押し付けがましいセパレーションではなく)高いので、ディストーション&フランジャーサウンドなども絶品です。
●上下左右の音場・サウンドステージに広がりのあるタイプではありません。前後の奥行感は良好で(先日のDB1 Gold同様に)眼前に迫りくるというタイプではありませんが、しっかりと明瞭に前方に定位するサウンドです。
●ボーカルはやや無機的ではありますが、音像(口もと)がやはり明瞭で、シャウト系ボイスの歪みは抜群です。(低音デスボイスやグロウルはやや軽い感じになる印象です。)
黒江的好み度:S (BASS DOWN)
黒江的好み度:C- (DIRECT)

…と、久しぶりに黒江的には『ほぼ完璧なサウンド』のアンプが登場してくれました。
(ここまで高く評価したのは1つ前が「ONKYO A-7VL (ただし同軸デジタル接続時のサウンドのみ)」だったので、奇しくも「条件付き」の推奨ではありますが。)
振り返ると条件無しに(ここまで強く)オススメしていたのがもう5年くらい前の「TEAC AG-H600 (すでに生産完了)」でしたので、本当に待望のアンプとなりました。
アンプで悩まれている方はぜひご検討いただければと思います。(ルックスとEQをいじるのが許せるなら!笑)

ちなみに、BASSは通常(DIRECT)が時計の短針の12時ですが、黒江の推奨値は時計の短針が9時半~10時くらいのポジションです。(10時半~11時とお好みのポジションを探してください。)
当店以外で試聴される方も、ぜひBASSを調整して(DIRECTをオフにして、BASSのみを下げて)聴かせてもらってください。(他店さん、ご協力お願いします。)
なお、DIRECTをオンにするとS/N感や解像度が一段向上するものが多いですが、(幸いにして?)A-70はそこまでの変化を感じられなかったので、BASSを下げての常用でのデメリットは皆無であるとお考えいただいて結構です。

P.S.
BASSを絞って聴き始めた瞬間、さっきまでの悪態が一変「スゲーよ、このアンプ。めちゃくちゃいいじゃん!」と歓喜の連続だったことはご想像の通りです。(Pioneerさん、許してください。)
あらためて見るとルックスも無骨でなかなかいいんじゃ?
(デザインそのものはそこまで嫌いじゃないので)黒江的にはブラックモデルだったら全然ありなんですけどね。
Pioneerさん、デフォルトでBASSを下げて、ブラックボディ(インシュレーターもブラック)の“ザ・ステレオ屋Ver.”を出しませんか?!

最後に…弟機のA-50は「A-70とは印象の異なるサウンド」でしたので、「クラス下だから大体似たような音が出るだろう」という推測ではご購入されないようにご注意いただきたいと思います。

PMC DB1 Gold [postscript]

10月 24th, 2012

早速のお申し込み、お問い合わせありがとうございます。

前回に引き続き、PMC DB1 Goldについて捕捉させていただきます。

●ユニットの増し締めは必須です。
このスピーカーに限ったことではありませんが、数々のスピーカーと対面してきた経験上で意外に多く見受けられるのが「スピーカーユニット自体がしっかりと固定できていない(または固定が緩んでいる)」ということです。
(特に!)このPMCでは以前から顕著に見受けられ、当モデルDB1 Goldも同様の状態でした。
理由は幾つか考えられ、「輸送中に緩んでしまった」のかもしれませんし「ハナっから緩かった」のかもしれませんが、当店としては増し締めをオススメしたいところです。

締め方は…トルク調整できるドライバーなどを用いるのがベストではありますが、(普通はお持ち合わせでないことと思いますので)比較的簡単な調整方法を書いておきます。
『キュッときつく締めて、少し戻す。』一口に言えばこんなイメージでしょうか。
(締めすぎるとエンクロージャーにめり込むので)力いっぱいではなく、「これ以上は力を入れないと進まない」程度までまずは締めます。簡単にはビスが進まないところまで来たら、そこから少しだけ戻し(緩め)ます。緩める分量は大体30度~45度(時計の針の10分から15分くらい)です。
(大雑把に言えば)きつめに締めると音がタイトになりますが、締め過ぎると音がデッド(量感が落ちる・飛ばない・キレがない)になりますのでご注意ください。

これを(大抵のユニットは4ヶ所)すべてのビスに対して一定の力加減で行います。
厳密に言えば、(時計回り、反時計回りではなく、対角の順番で)4ヶ所をちょっとずつ締め、4ヶ所をちょっとずつ緩めるのが正解ですが、その辺は大らかでも良いかと思います。

なお、締め加減・緩め加減はやはり好みの世界です。
(前述の締め具合に関してはあくまで“締め過ぎない”ための参考です。)
『車やバイクで言うタイヤの空気圧・テニスのガットの張り・料理の塩加減、スパイスの効かせ具合』のようなものなので何度も聴き比べて(味見して)ベストな位置を決めていただけると幸いです。

また、スピーカーメーカーによっては「当社のスピーカーは厳密なトルク調整(トルクコントロール)をしております」といった謳い文句を掲げているところも少なくはありませんので、そういったメーカーの製品を安易にトルク調整してしまうと「そのメーカーのサウンドらしさを失う」ことにもなりかねません。
…が、やはり輸送中の緩みが生じることも少なくはありませんし(少なくともスピーカー自身が振動していますので)長期間の使用では必ず緩みが生ずるものですから、たまにはチェックしてあげると良いかもしれません。

●バイワイヤリング用の金具は必ず外してください。
PMCのジャンパー金具は“とにかく酷い音質”です。…ので、ケーブル(導体)を長く剥き出してHF/LFを貫通させるか、短く切ったスピーカーケーブルを金具代わりに使用してください。

●鳴らし立てのPMCの音はひどいので驚かれないようにお願いします。
(黒江は)スピーカーの初期的なエージングは3段階~4段階くらいに分かれていると考察しています。(初期的とあるのはエージング自体が永続的であるからです。)
初段のエージングは20時間から長いもので50時間くらいで、まずは粗さが取れ、良い意味でほぐれてきます。
2段階目は200時間~300時間(早いもので100時間強くらい、遅いもので500時間)くらいでしょうか、ツイーターとウーハーの繋がりが良くなってきます。(ツイーターとウーハーが別々に鳴っているように感じていたものから、(1つのユニットが鳴っているような)一体感の高いサウンドに変化してきます。
PMCは少なくともこの2段階目のエージングまで進まないと本領発揮とはいかないので到着後しばらくは我慢しつつも、たくさん鳴らしてあげてください。
なお、エージングを早く進めたくても「逆送接続で向い合せての再生」「エージングソフト」「普段聴かないソフト」でのエージングではなく、あくまで現時点でのベストな選曲で手なずけてやっていただければと思います。

●アンプやプレーヤー次第でお好みのサウンドに。
DB1 Goldは非常にレスポンスの良いモニターですので前回のレポートのようなサウンドのみに非ず、様々な鳴らし方に応えてくれることと思います。
例えば、真空管アンプにアナログ(らしい)プレーヤーなどと組み合わせれば、伸びのあるしっとりとした方向にもアプローチできるので様々な方にご検討いたければ幸いです。(とは言え、同じUKモニターだからと言ってHarbethのようには鳴りませんが…。)

●フィニッシュについて。
DB1 Goldはレギュラーモデルのシリーズとは異なり、本国では“Silk Black”と名付けられた仕上げとなっています。実機はシルクというようりはマッドブラックといった感じの仕上げであり、艶・光沢のほとんどないテイストになっています。
無垢材ではもちろんなく、基本はMDF材となり、レギュラーモデルの突板仕上げでもありませんのでその点はご注意ください。(正直なところ仕上げはやや安っぽいです。多少の塗りムラも見受けられますし…。)
(あと、独特な匂いがしばらくお部屋を漂います…。匂いが取れた頃が第2段階のエージング終了かもしれません。笑)

●プライスはお安めです。
DB1iに変わる前のDB1+が定価20万円強でしたのでお手頃なプライスとなっております。

●仕様などについて。
Googleなどで「DB1 Gold」と検索していただければPMCの発行した正規のpdfファイルが閲覧できます。
(なぜかPMCのオフィシャルには無く、よそ様のWEBサイトでしたのでリンクは割愛させていただきます。)

●DB1 Goldの悪い点。
前回は褒めてばかりでしたので端的に述べさせていただきます。
音場は狭く、上下左右の広がりも弱い傾向なのでいわゆる“箱庭的”な鳴りかたです。
また、「ハイスピードかアグレッシブかと訊かれたら…」のくだりの通り、音が目の前にビシビシと飛んでくるようなアタッカーぶりはそこまではありません。
(強烈なヤツが眉間くらいまで迫ってくるとすれば、DB1 Goldは眼前30cmくらいまでしか来ない感じです。それでも十分ですが…。)
黒江的にはもっとヤンチャでも良かったかな…と。(以前は感じなかった雑感なので組み合わせ次第で変わるかもしれません。&以前は防音室でもなかったですし。)

…と、軽い気持ちで書いてみたら長くなってしまいました…。(読破おつかれさまです。)

前回のレポートと合わせて、(ピンときたら)ぜひご検討ください。

PMC DB1 Gold

10月 20th, 2012

一気に寒くなってきた今日この頃ですがオーディオ業界では新製品の発表・発売が多くなる季節ですので、当店では(超高級機は除いて)様々な製品を毎日のようにチェックしております。
(この季節以外も年中してるかな…。笑)
そんな中、“何の前触れもなく”現れた1つのモニターを今日はレポートさせていただきます。

【ハイスピード系コンパクトモニターの(一つの)最終形。】

タイトルをご覧いただければ一目瞭然かとは思いますが、(数年以前の)黒江のマストアイテムであったDB1がこの度(限定モデルではありますが)復刻いたします!
(“何の前触れもなかった”のは限定数での生産であるため、限られたディーラーに案内されたからなのです。)

製品名は「DB1」となっておりますがツイーターがソフトドームであるため、ベースは「DB1+」となります。(本国にも確認済みです。)
かなり以前のコンテンツにメタルツイーターのDB1SMとDB1+を聴き比べたレポートがありますが(自身で読み返して「あれ?こんなくらいしか書いてなかったんだ…」と思ったくらい)、淡白なレポートですので少しおさらいもしつつ新たにレポートさせていただきます。

まず、初代DB1とDB1+は、やはりメタルツイーターとソフトツイーターの差に尽きると言っても過言ではありません。
メタルツイーターの方が冷たく硬質でややキンキンしていますが、「キーン」と張りつめた高音域は天井に向かって突き抜けるような伸びがあってこれはこれで魅力的であると思います。(人によってはこちらを選ぶかと思います。)
一方のソフトツイーターはS/N感と分解能が非常に高く、粗さの無い繊細な高音域となっていますが、反面で金属音に強かった初代に対してこちらはややドライな高音域となっているため金物(特に余韻)の響きに(ほんの)少し物足りなさを感じるかもしれません。
…と、要は“好み”の問題かもしれかせんが、黒江的には「DB1+の方が僅差で軍配」という結論でした。
(その後のDB1iは価格が高くなってしまったのであまりクローズアップしていませんでしたが、そのうちに改めて聴いてみようと思います。)

その上でいつものようにサウンドの傾向を書いてみたいと思います。
(かなり好きなサウンドなので“べた褒め”っぽくなっちゃうと思いますが、予めご容赦ください。)

■PMC [DB1 Gold]
●“キレのあるハイスピードサウンド”この一言だけで終わらせてしまいたいくらいの圧倒的なキレとスピード感です。
アグレッシブさも持ち合わせていますが、「アグレッシブかハイスピードか」と問われたら躊躇なく「ハイスピード」と答えると思います。
擦る音(バイオリンなど)や吹く音(フルート・クラリネット・ラッパなど)よりもアタック音が得意なタイプであり、ディストーションギターのガリガリ・ジャリジャリとした歪みの細かさ、粒立ちとエッジ感やスネア・バスの打音にシャウトボイスの立ち上がりやザラつきなどがとにかく秀逸です。

●PMC社の専売特許とも言える、(14cmウーハー)サイズからは想像できないくらいにしっかりとした低域が出力されます。
ベースの再現力に関しては(ウーハーサイズが大きい)Haydn Grand Symphony Editionよりも高く、ATC SCM7などにも引けを取らないレベル・クオリティでありながら、ボーカルやギターの前に重なってくるような(出しゃばった)出かたでもない“ちょうどいい”加減です。もちろん、ビシッとタイトに描かれていてボワつきやゴワつきなどは一切ありません。

●1音1音・各パート・音像とすべてが明瞭で、抜群の定位感は“とにかく秀逸”といった印象です。
強いて悪く言えば「輪郭の強めなサウンド」です。輪郭の強めということは、テレビなどの映像機器でいうところの“シャープネスを高めにした”状態であり、クッキリとハッキリと見える状態です。
極論を言えば(黒江が日頃から嫌っているような)「作った音」とも言えそうですが、輪郭線は細く、持ち前のスピードとキレで高速に1音1音が描かれるので輪郭を押し付けられるような印象はありません。(音の輪郭がもっと太いか鈍足であれば強調された感じを強く受けてしまっていたかもしれません。)

●全体的にはややドライな音色傾向です。
ドライと言えば「Klipsch」を思い出しますが少し傾向の異なる感じで、Klipschは金属感のある「カンカン」としたドライ、こちらは金属感のない「ザラザラ」としたドライです。
“ウェット感”を感じさせてくれることはまずないと思いますので、「しっとり・マイルド・軟らか」などの傾向が好ましい方は選択肢に入れないでください。

●Handcrafted In the UK
いわゆる“MADE IN UK”です。

黒江的好み度:S

言わずもがなとは思いますが、ハードロック・ヘヴィメタル系のリスナーさんはぜひ注目してやってください!

P.S.
(世界)限定販売ということですが、世界で200セット程度ということのようです。
そのうち日本では20セット程度だけの入荷とのこと。(当店ではその半分程度です。)
(限定品商法をするつもりは一切ないのですが、ピンと来た方はすぐにでもオーダーいただかないとSOLD OUTしちゃうと思いますので)ぜひお早めにお問い合わせください。
レギュラー品(DB1i)もありますからこれを逃してまだ手には入れられます。(音は少し違いますが。)
価格は(オープン価格の限定品と言うことで公に出来ませんが)13万円以下で提供させていただきます!

Cambridge Audio Stream Magic 6

9月 21st, 2012

久しぶりに『ヒット機の予感!』をさせてくれたネットワークプレーヤーと出会いましたので緊急レポートさせていただきます。

【All-Around and All Genre】
“オールラウンド・オールジャンルのダークホース機”
(秋冬の注目機になってほしいかも!)

まずはいつものようにサウンドの分析です。
(弟分が似たようなことを書いてしまっているので面白みに欠けますが…。)

■Cambridge Audio [Stream Magic 6]
●(ほぼ同じ仕様ということと、当店のリファレンスである)N-50と比較すると「N-50は硬質・寒色系・シャープ・タイト・スッキリ系」のサウンドであることがより明確に分かります。
かと言って、Stream Magic 6はその対極である「軟質・暖色系・ファット・マイルド・美音系」ということではなく、その中間でもなく…「限りなくN-50寄りのサウンドだけれど、N-50よりは全体的に音の濃い傾向」と言えるポジションです。
●「ニュートラル・フラット・ウェルバランス」と言った形容が似合いそうなサウンドで、「んんー、この手の曲はグズグズだなぁ」と思うようなことがありません。…が、「ああ、このジャンルがピッタリだな」と思うこともなく、“どんなジャンルでも普通に鳴ってる”という感想に尽きます。(もちろん、褒め言葉として。)
●N-50に比べて“やや厚く、やや濃い”という印象ですが、「低音が緩い、音が丸い、エッジがぼやけている、低音が強い、高音がきつい」などのネガティブ要素は無く、(くり返しになりますが)どんなジャンルでも安心して聴けるのが本機の(音的な)最大のウリではないかと思います。
●S/N感はまずまず良好、見通しも上々、音場も広すぎないのが個人的にはgoodです。
●“超”が付くようなハイスピードではありませんが、“上の下”~“中の上”くらいのスピード感なのでメタルやアグレッシヴなナンバーもお手の物です。
●強いて言えば、若干高域の伸びが弱いので高音域を重要視したい方は(ネットワークプレーヤーじゃありませんが)Essensioの方を強くお勧めいたします。
黒江的好み度:A- (総合評価は◎です。)
…と、サラッと書き出すとこんな感じでしょうか。

サウンドの傾向を踏まえて幾つかのポイントを挙げさせていただくと…

○ネットワークプレーヤーにとって“どんなジャンルでも普通に鳴ってる”ということは最大の武器ではないかと考察します。
USB DACにも同様のことが言えるかもしれませんが、家族や兄弟、恋人などと音楽ライブラリーを共有していることが多い方は様々な音楽ジャンルがそのライブラリーには詰まっているはずですし、
(僕はこのタイプですが)複数で共有していなくても「メタルやハードロックや歌物を筆頭にJ-POP・ELECTRONIC・ACOUSTIC・COUNTRYとか、クリスマス時期用にクリスマス系など幅広いプレイリスト」を所持している方も少なくはないはずです。
こういった面を考えると「あるジャンルに突出したサウンド傾向より、オールジャンルが好ましい」と言えるのではないかと思うのです。

○豊富な機能(接続)がデジタルステーションとしての役割も果たします。
いわゆるUSB DACとしても使用できますし、USBメモリーやUSBハードディスクも接続でき、光デジタル入力・同軸デジタル入力も可能なのでレコーダーやCDプレーヤーなどを接続しておけばデジタル入力の切替機としても重宝します。
さらに無線LANも搭載しているので、ネットワークラジオや(ハイレゾリューション音源などの)高レートな音楽データ再生しないライブラリーのシャッフルプレイ程度であれば余計な配線を1本減らすことができます。(ハイレゾはUSBメモリーやUSBハードディスクなどで聴くのもよいと思います。)

○1つ大きな注意点を述べますと「iPhone/iPad/iPod touch/Android」をリモコンとして用意できない方は購入を控えていただきたいという点です。
ご周知の通り、輸入品であるこのモデルは『本体がまったく日本語に対応できていない』という状態です。
本体のディスプレイでは“ひらがな・カタカナ・漢字”はすべて文字化けか空白でしか表示されませんし、フォルダやファイル名などでの操作もままなりません。
その代り…と言ってはなんですが、コントローラーアプリである“Stream Magic”というアプリケーションはなかなか出来が良く、(N-50とは違って!笑)NAS[DLNA]と直接やり取りをするためアプリ上では日本語もバッチリ表示されますし、動作もなかなか軽快です。(Android版では時折不安定になることも。)

…こういった特徴を持っておりますが、総合的には非常に総合力の高い製品であると思います。
デザインも数あるネットワークプレーヤーの中では(黒江的には)トップクラスに入るのではないかと…。(大好きな黒もありますしね!)

ぜひぜひご購入の検討に加えていただければと思います。

Pioneer A-30 & PD-30

8月 29th, 2012

少し間が空きましたが、久しぶりにレポートを書きましたので更新いたします。
(宣言していた“アナログ系レポート”ではないので恐縮ですが…。)

【ビギナーにオススメしたい、ちょっと無骨な入門機!】

N-50のヒット(当店的には音的にフィット)で波に乗りそうなPioneerさんから(エントリークラスとはいえ)オーディオ機が立て続けに登場していますが、パイオニア関係者曰く「N-50の音決め(軟らかい傾向・シャープな傾向など、サウンドの傾向を決めること)を担当した者が今回のアンプやプレーヤーも音決めしています。」とのことなのでそこそこの期待を持ちつつの試聴となりましたが、感想は(見出しと下記のような)こんな感じになりました。

先に結論から申し上げると、以前にご紹介した
■[Aura vivid & vita]
http://www.digitalside.net/?p=667
と同様にセットで組み合わせて使用していただくことをお勧めします。

理由は「vivid & vita」の時と同様に帯域バランスなどが(上下セットで)程よくなるためなのですが、以下にそれぞれの特徴を挙げていきたいと思います。

■A-30 (アンプ)
●全体的にやや抜けが悪く、低域がやや強め(盛りめ)なので少しゴワッとした印象を持ちます。
●いわゆるパワー系であり、音の噴き出しは良好でドライブ感の高いパワフルな感じの(逆に言えばキレキレの、シャープ系なハイスピードではない)“やや”ハイスピードサウンドといったところです。
●1音1音はタイトで低音も輪郭はまずまずの明瞭さを持っていますが、(価格的に仕方のないことですが)総じてS/N感の不足や全体的にヴェール感や混濁感を少し感じ、これが「ゴワッとした印象」などにも繋がっているようです。
●全体的に音場の見通しが悪く、お世辞にも“スッキリとしたクリアなサウンド”とは言えないという印象です。
●ダイレクトモード(左右のバランスやイコライザーをバイパスする機能)は必須で、よほどの理由がない限りはダイレクトモードをオンにして使用していただければと思います。

■PD-30 (CDプレーヤー)
●S/N感はまずまずであり、価格を考慮すると大健闘しているレベルだと思います。
●アンプとは対極的にこちらはクリア系でありますが、慎重に丁寧にサウンドを精錬しているせいか、スピードが遅めであることが「すごく惜しい」といった印象です。
●加えて、こちらは低音が薄く、黒江的にはギリギリ我慢できるか?というくらい明らかにベースやバスが引っ込んでしまう傾向にあります。
●ちょっと気になったのは高域に歪み?破綻?と思わせるような“音割れ”を感じることです。かなりの高音域まで出せるような女性ボーカルや金物系、ピアノなどの高音域(の中でも更に高音部)がクリーンに鳴る場面などでは気になることがあるかもしれません。
●(今話題の?)DSD再生は(サンプルにお借りしたデモ曲が)分析できるジャンルのものでもなく、元々録音の良さそうな曲ばかりの収録でしたので今一つ説得力に欠けると思いますが「SACDとCDを比べた時の感じに近くて、余韻や微弱音の再現性が高く、S/N感と実像感が高い」といった印象を持ちました。

…と、黒江的には『かなり評価は高い』のですが、少し気になる点もちらりほらりと見え隠れする結果となりました。
…が、それでも価格的には『十分に満足できるサウンド』であると思えたのでレポートを書かせていただこうと思った次第です。
それぞれ実売が4万円前後ですので、はじめてのオーディオ入門にぜひご検討ください。

P.S.
ちなみに、見出しの「ちょっと無骨な」の意味ですが…デザインと言いますか、その風体のことです。
(特にビギナーの方には「ちょっと大きすぎるかなぁ…」と思ったり、思わなかったり。)
Pioneerさん、もうちょっとスタイリッシュでスリムなものも出してください!(笑)

SONNETEER Sedley USB

6月 30th, 2012

前回の予告通り、アナログ関連製品のレポートを書かせていただきます。

【中庸でモダンなテイストを匂わせつつもアナログらしいサウンド。】

本来であればTRIGON [VANGUARD II]との“vs レポート”形式でご紹介したい気もするのですが、前回にも触れたとおり、このSONNETEER [Sedley USB]に関しては別の切り口でお勧めしたい点が“強く”ありますので、サウンドの比較については端的にまとめてしまいたいと思います。

前回の抜粋ですが…
■TRIGON [VANGUARD II]
“キレ・クリアさ・スピード”と3拍子揃っており、鋭利に、アグレッシブに切れ込んでくるようなサウンドです。
…に対しSedley(セドレー) USBのサウンド傾向は…

■SONNETEER [Sedley USB]
●ベースは良くも悪くも普通のフォノイコといった印象で「キレキレでもなければ、伸びのあるサウンドでもなく、シャープな音像を出してくるわけでもなく、広大なサウンドステージを描くわけでもなく」という傾向です。
●かといって「どんくささや濃い味付けを強要してくるタイプでもなく、しっかりしたクリアさのあるタイトなサウンド」なので黒江的にはメタルもこなせるオールラウンダー的な印象です。
●(弟分のブログでは「低域がやや膨らむといった印象を持った」とありますが)元々低域がタイトな(HAYDNなどの)モニターで聴く分には低域が膨らむなどの「アナログにありがちな暑苦しさ」を感じさせません。(むしろ、フォノイコの中ではややクールよりではないかと。)
 (弟分は自宅のATC [SCM19]でのモニタリングだったので、お使いのスピーカーやアンプ次第では印象が異なるのかもしれませんね。)
●レンジ感はやや高域がおとなしめで、ミッドレンジ(中音域)をしっかりと押し出してくる傾向です。(この点が「アナログらしさ」を醸し出しているような気がします。)
●スピード感は鈍足傾向ではありませんが、ハイスピード系にエントリーはできない、“中速タイプ”といったところでしょうか。
●総じて癖の少なめな傾向で「ここが良くない」「(音に癖が乗って)この音はおかしい」などのネガティブな印象は皆無です。なので、パッと聴いて「セドレーらしい音だね」といった感想にはならないので「存在感の薄い(けど、かなりの)優等生」サウンドであると思っていただければ幸いです。
黒江的好み度:B+ (黒江的にはVANGUARD IIとの2台持ちを検討中です。)

そして、このSONNETEER [Sedley USB]の真骨頂と言えるのがPC/Macを使用したUSB接続でのアナログ(レコード)音源のデジタルフォーマット化なのですが、その使用方法などを次回でレポートする予定です。

※「使い方などはマニュアルを見れば分かるよ」という方は下記URLの本国サイトのマニュアルをご覧ください。
http://www.sonneteer.co.uk/pics/sedley%20usb%20manual%20v1.pdf

アナログPCオーディオのススメ。

5月 31st, 2012

タイトルを見ると「何のこっちゃ」と思われそうですが、今回(からしばらく)は黒江的?黒江流?のアナログの楽しみ方をご紹介したいと思います。

(弟分のヤツと連動企画になっているのは意図でもあり、たまたまでもあります。弟分は以前からアナログにのめり込んでいたので「blogで取り組んでみたらどうかな?」と言っていたので…。)
http://blogs.yahoo.co.jp/digital_side

【HARD ROCKやHEAVY METALのハイレゾ音源が無いなら、作っちゃえばいいんじゃん!】

少し前のレポートでも書いている通り、以前から黒江は「聴きたい音源が無いからハイレゾ(high resolution:ハイレゾリューション)は興味が無い」と声高に申しておりました。

ハイレゾ音源とは…一般的なCDの音質を数値で表すと『16bit/44.1kHz/1411kbps』という3項目に分かれ、音の高さと低さや1秒間あたりのデータ量などを示しています。
これらの項目をより高精度にし、例えば『24bit/96kHz/2000kbps』などにすることで音の元になるデータ量を増やした音源を“ハイレゾ音源”と呼んでいます。

逆に、MP3などは例えば『16bit/22.05kHz/128kbps』などとCDよりもデータを省く(圧縮する)ことで音楽データファイルの大きさを小さくし、iPodなどにたくさんの曲が入るようにサイズダウンすることができます。
※実際のMP3は『16bit/44.1kHz/128kbps~192kbps』(と前者の2項目は同じまま、ビットレートのみを下げるの)が主流で、128kbpsの場合はビットレートが“約11分の1”になるのでファイルサイズもだいたい11分の1になります。

そんな中、(見ていただいた方もいると思われます)BURRN!誌で『アナログの特別企画』を書かせていただくことになりましたが、「何事もやってみるもんだ」…と、この特集を手掛けることで“ちょっとした開眼”をしてしまいます。

まずは、かなり気に入った3製品を軽めに紹介しておきます。(詳細は個別のレポートで紹介させていただきます。)

●Pro-Ject [Essential]
定価で5万円程度とターンテーブルの中ではかなりお安いモデルですが、(黒江にしては珍しく)自信を持ってお勧めしたい高い音質です。
ただし、(特にアナログを知っている人ほど)薄っぺらい筐体なので見た目にはあまり期待をしないでください。
加えて、トーンアームは(かなり器用な人でないと)標準装備品しか使用できず、ヘッドシェル一体型なのでカートリッジの交換も制限・制約があります。
(つまり、たぶん、誰もが「こんなんじゃ良い音出るわけないんじゃ?」と思われそうな第一印象なのです。)
しかしながら、出音はストレートでS/Nが高く、帯域バランスも良好(フラット)です。『ターンテーブルで余計な味を乗せない』という印象は今までのどのテーブルよりも強く感じました。
ストロボでの回転チェックも安定度は良好でした。(※ただし、当店の電力環境の場合です。ACアダプター駆動ですので、お住まいによっては回転がやや不安定になる場合がございます。)
なお、フォノイコ・USB搭載モデルがありますが、こちらは異なる音になりますのでご注意ください。(黒江がお勧めしたいのはターンテーブルのみのモデルです。≒要フォノイコです。)

●TRIGON [VANGUARD II]
こちらはEssentialに比べるとちょっとお高くなってしまうのですが『もう、最初で最後だから奮発して買ってしまいたい』と思わせてくれたフォノイコライザーです。
黒江の好む“キレ・クリアさ・スピード”と3拍子揃っており、鋭利に、アグレッシブに切れ込んでくるようなサウンドです。

●SONNETEER [Sedley USB]
Essentialとは逆に、こちらは「USB搭載モデル」です。
VANGUARD IIと同じくフォノイコライザーなのですが、ちょっと用途が異なります。
「USB搭載モデル」にしかできないこと…『アナログレコードの音をPCに取り込む』という機能が非常にエクセレントなのです。
詳細は次回以降に書かせていただきますが、この『アナログレコードの音をPCに取り込む』という機能を長所に謳った製品は昨今とても増えており、もちろんその殆どが『アナログを高音質に取り込めます!』と張り切ったコピーを掲げているのですが、黒江的には『まともに取り込めた製品が1つも無かった…』というのが本音・本心でした。

単体のフォノイコとしてはVANGUARD IIの方が好きなのですが、この取り込んだサウンドには脱帽でした。
黒江も(いつかはやろうとしているアナログを取り込む作業は非常に骨の折れる作業なので)せっかく取り込むのであれば『この先絶対に後悔しない音質』で取り込みたいなぁと思っていましたので、“これなら聴ける!”という音質で取り込める相棒が見つかったのはとてもラッキーでした。
…ということで、見出しの通り『アナログレコードをハイレゾで取り込んでUSB DACやネットワークオーディオで聴く』という1つの完成系を見つけられた気がしています。

それぞれのレポートはまた次回以降をご覧ください。