今回は(久しぶりの)TEACブランドより、USB DAC(プリ)のUD-503をレポートいたします。
【「ドカッ」「バキッ」「ゴッ」アグレッシブ系のリファレンス。】
(ザ・ステレオ屋 黒江的に)TEACと言えば、当店で激オシしていたAG-H600とPD-H600の“Reference 600シリーズ”を思い浮かべます(思い浮かぶ方がいると思われます)が、600シリーズ終焉の後、同メーカーはローエンドタイプのリリースに徹した(その他に色々なことが相まった)こともあり、しばらく遠ざかっておりました。
久しぶりに当店に合いそうな製品が登場し、満を持しての試聴レポートです。600シリーズで感じられていたTEACサウンドは健在なのでしょうか…。
■TEAC [UD-503]
●ぱっと聴いての印象は“(以前に聴いていた)TEACサウンド健在”といった第一印象です。良い意味で変わっていないことにほっとしました。
●基本的な音質も上々で(すっごくクリアといった傾向ではないものの)S/N感・(超高精細に広がるようなほどではないものの)解像感・(これでもかという程の高音の伸びがあるわけではないものの)レンジ感・ダイナミック感など基本的音質面で見劣り(聴き劣り)するようなことはありません。
●音の感触面では「やや硬質(間違いなくソフトではない)」「ウォームではないけれどキンキンの寒色系ではない」「(高音がにぎやかで派手な)明るい傾向ではない」といった印象が挙げられます。
●スピード感も「ややハイスピード」と(ハイスピードを好む黒江的に)上々ですが、音の“キレ”よりも、“えぐり”や“アタック音”“インパクト音”に長けているタイプであり、総じて『雄々しいモニター調』といった印象を持ちます。
●シャープというよりは「タイト」、鋭利というよりは「鈍器」となるので、(黒江的には)いわゆる“アグレッシブ系”に分類されるサウンドですが、(決して鈍足ではなく)最低限のハイスピード感も併せ持っているのでかなり“いい感じのドライブ感”で(ノリノリに)楽しませてくれると思います。
○前述の通り、高域がピーンと張りつめて伸びる傾向ではなく、やや低重心のサウンドです。
○透き通るようなサウンド(ステージ)でもなく、悪く言うと「やや暑苦しいタイプ」の傾向です。
○エッジ(輪郭感)もしっかりとしていますが、輪郭線は(シャープと形容するタイプに比べると)わずかに太めのテイストです。
黒江的好み度:A+ (~S-)
…といったところで、黒江が好んでいたTEACサウンドが復活したようで、(2世代以上前の)旧PRIMARE・(これらも以前の)KRELL・PASSなどのような“鳴りっぷりのよい”ハイドライブ(感)サウンドの一角はTEACにお任せできそうです。
アグレッシブ系らしく、シャウト(グロウル・ガテラル)の低音の効き方、巻き弦のガナり、タイトなベースライン、スネアの皮の厚み感、ビーターのインパクト音などなどヘヴィな音は抜群なので今時の重めメタルはもちろん、80年代のハードロックにも合いそうです。
(何よりも各パートが一体感を持って体めがけて飛んでくる、ぶつけてくるような“あの感じ”は癖になりそうな心地よさですね!)
ということで、アグレッシブ系でお考えの方にぜひお勧めさせてください。