久しぶりの更新です。
(なかなか書きたいネタがなかったので…。)
このところ個人的なストライクを連発してくれている『north star design』より新しいDACが登場しました。
なんでも特に大当たりだった“Essensio”の後継機ということなので、かなりの期待作です。
(伴ってEssensioは生産終了ということで…とても残念です。)
早速、2機種を聴き比べてみましたので感想をご覧いただけると幸いです。
【青のEssensio、赤のImpulso。】
ちょっと大袈裟ですが、このくらいに伝えておいた方が良さそうなくらい「まったくもって異なるサウンド傾向」と言えます。
ですので、(近々ではPioneer A-50/A-70と同じように)後継モデル・兄弟モデルなどと思い込み、同様のサウンドが得られると思って購入されることのないようにご注意ください。
(メーカーや紙面等では「Essensioの後継」と表現しますが、いわゆる製品ポジション・価格ゾーン的な後継という意だと思われます。)
いつものように主にEssensioとの「vs 形式」でピックアップしてみます。
■north star design [Impulso]
(特にEssensioと共通している点としては…)
●S/N感・レンジ感・分解能が高く、音作り・化粧・味付け感の少ない、素直で癖のないタイプのサウンド傾向です。
(そういう意味でも、“青と赤”なんて例え方はちょっと極端な例えです。)
●広々と大きなサウンドステージを展開する傾向ではなく、ピシッと音像を描きだす、(高)音像定位タイプだと思います。
●Essensioよりは少し劣りますが、いわゆる“ハイスピードサウンド”であり、音のキレなども上々です。
(ここからはEssensioと異なる点、固有の点として…)
●Essensioは1音1音がスッキリとクリアでシャープであったのに対し、Impulsoは1音1音がもう少し太く、肉付きを感じられるサウンドです。
(太いと言っても過不足のない肉付きであり、芯・骨・肉・輪郭(肌)の全てが少しずつEssensioよりもたくましい感じです。悪く言えばEssensioはガリガリのシャープサウンドであり、芯と骨は線が細く、肉はほぼ無し、輪郭(線)はしっかりと描かれているが、細い(薄い)といった印象です。)
●非常に細かく分解され、キレとスピードで(音の粒子が)体を通り抜けていくようなEssensioに対して、Impulsoは音のつぶてを投げつけられるタイプ、いわゆる“アグレッシブ系”であり、(1,2世代前の)PRIMARE・TEAC・ATCなどの殴打感のある方向にサウンドが変わっています。
●シンバル1つとっても「よく分解され、金属感が感じられるEssensio」「アタック感が高く、躍動感を感じられるImpulso」といった印象で、ギターは「ザラつきが鮮明なEssensio」「ドライブ感とバッキバキ感(伝わってください…笑)が秀逸なImpulso」といったような違いが感じられます。
…ということで、結論として「この2機種は先行も後継も無く、兄弟でも無い」と結論づけたいと思います。
(なので、黒江的には『無機質で解析的なEssensio(クールなので“青”)』と『暴力的で情熱的なImpulso(パッションの“赤”)』とイメージを付けさせていただきました。)
みなさんにもご購入の際はぜひ試聴をお勧めします。
P.S.
…と、(まだ一切の資料が無かったので)返却時に分かる範囲でのスペックをお訊ねしたところ、やはりと言いますか肝心要のDAC(チップ)がまったく別のメーカーに変わっていました。
(EssensioはCIRRUS LOGIC(シーラスロジック)社、ImpulsoはESS社ということのようです。それは音の傾向が全然違うわけですね…。)
個人的にはEssensioが頭1つリードしています。(ホント好みの問題ですが。)
ちなみに、ESS社のDACチップは最近とても評判のようなのですが今まで一度も黒江的にはハマりませんでした。…が、今回はじめてESS搭載のDACで当たりが出たのでちょっと嬉しかったです。
(決してDACチップだけで音が決まるわけじゃないのですが、ある程度は左右されますからね…。)