すでにPCオーディオ/ネットワークオーディオを実践されているユーザーさんの中では期待の新製品ではないかと思われる2機種ですが、別々のレポートを書くにあたって「どっちを先に書けばいいんだ!(笑)」といった葛藤に悩まされてしまったので、とりあえず「vs レポート」形式にて2機種をダイジェストにレポートしたいと思います。
(※ご周知のことと思われますが、「vs」とは「2つを比較する・対して述べる」という意であり、「優劣を決める」という意味ではありませんので予めご了承ください。)
まずは『2機種の見出し合戦(?)』でいきます。(※試聴はUSB接続でのWAVファイル再生とCDプレーヤーをCOAX接続での再生です。)
DA-06
【スピーディーで切れのある(テキパキ動ける)才色兼備(なでしこ)ガール】
NA-11S1
【スーツもユニフォームも着こなす体育会系メンズ】
…正直ちょっと適当ですが、大きく述べたいことは伝わるかな…と思っております。
そんな前置きをご覧いただきつつ、それぞれのサウンド傾向を大まかにレポートしてみますと…
■LUXMAN [DA-06]
●一聴して「キレイな音」。雑味がない・透明感があるといったスッキリ系の傾向です。
●S/N感が高く、分解能・定位・レンジ感も良好です。
●高域~低域のバランスもきれいで、「高音が走る、低音がもたつく、ボーカルが引っ込む」などの帯域間でのスピードの差異がありません。
●“かなりのハイスピード”とまでは言えませんが、ハイスピードの部類であり、抜けや切れも上々です。
●(これが叶ったらLUXサウンドではないと思いますが…)強いて言えばアタック感がソフトめで、歪み感を筆頭に、ザグり・エグみなどの“アグレッシブさに欠ける”といったところですが、(もしこれが揃えば黒江的にはパーフェクト?!と言えるかもくらい)全体的な基本音質は高いと思います。
●逆に“マイルドで、しなやかで、柔らかくて…”のような(往年の)LUXトーンを期待されている方にはやや不向きなサウンドの傾向ではないかと思います。
■marantz [NA-11S1]
●一聴して「パワフル・マッシブ・エネルギッシュなサウンド」。高い情報量で密度感のある傾向です。
●解像度と音場感(サウンドステージ)が高く、深さのある低域です。
●高音域がやや抑え目になっており、少し低重心の傾向に聴こえます。
●こちらも“かなりのハイスピード”とまでは言えませんが、十分にハイスピードの部類であり、もたつきのない立ち上がりの良いサウンドです。
●少し難しい表現になってしまうのですが、1音1音が「シャープなアタック音から、一瞬でグッと膨らみ(掛け)、ギュッとタイトに絞られつつ余韻を帯びて消えてゆく」といったような“デジタル的”と“アナログ的”を掛け合わせたような印象もあり、このあたりの聴こえ方で好みが分かれそうな傾向と思われます。
●こちらも、“艶やかで、高音が伸びて、すっきりめの…”といった(黒江が抱いていた)marantz的な印象は薄く、“アグレッシブに畳み掛けてくる”サウンドに感じられたので試聴等でご確認いただけると幸いです。(ゴワゴワしたヘヴィロックやグラインド・デスあたりはかなりハマってました。重厚なサウンドのソースと密度感の高いボーカルは非常に高評価です。)
…と、こんな風に並べ書くと「DA-06は音場が狭い?」「NA-11S1はS/N感に難あり?」と勘繰られるかもしれませんが、双方共に「S/N感・解像度・レンジ感」などの基本的音質は十分、十二分ですのでご安心ください。
見出しで表現したかったことがなんとなく伝わったのではないかと思いますが、
(すべて“どちらかと言えば”ですが)
DA-06は女性的・NA-11S1は男性的
DA-06は文系/理系(非体育会系)・NA-11S1は体育会系
DA-06はスピード感・NA-11S1はパワー感
DA-06は和風顔(さっぱり顔・薄化粧)・NA-11S1は洋風顔(ソース顔・彫りが深い)
など、双方には真逆の印象・感想を持つことも多くありました。
(こんなレポートで参考になるか分かりませんが)ご検討の際に少しでも役立てれば幸いです。