今回はLUXMANの新製品をレポートさせていただきます。
【無味無臭・無色透明の極まれり。】
お時間の取れます方はまず先に下記の動画を観ていただけると当レポートがより深く読めることと思われます。
…と言いますのも(音[の傾向]の記憶力にはそこそこ自信があるのですが、少しでもよりしっかりとしたレポートにしたいと思い)今回は黒江自身が以前の動画と比較試聴して色々な点を確かめているからなのですが、思いのほかに聴き分けられることに気が付き、すごい時代(システム)になったな…と。
(※ただし、2つの動画に於いてD-10X・D-07X共通で使用している音源はいわゆるデスメタルですので当店のコンセプトと肌の合わない方はレポートだけ読んでいただけますと幸いです。)
https://www.youtube.com/watch?v=HwpgxaprKLQ
(0分28秒あたりからD-07Xでのメタル曲再生)
(5分36秒あたりからD-03Xでのメタル曲再生)
https://www.youtube.com/watch?v=TXvtdksA3-E
(7分45秒あたりからD-10Xでのメタル曲再生)
動画内でも言及しておりますが、D-07XはD-03Xのブラッシュアップモデル・ハイグレードモデルというよりは、D-10Xをベースにコストダウンを図ったモデルと言え、回路構成や部品的にもD-10Xとの共通性が高く、実際の出音もD-10Xの方が親和性が高いように感じられました。
現状当店のリファレンスCDプレーヤーであるD-03Xと、以前に非常に高く評価させていただいている(現行機種では最高峰の)D-10Xの(お値段も)ちょうど中間に位置するモデルということで嫌でも期待は高まりましたが、このD-03X・D-10Xとの印象の違いも含めながらレポートしたいと思います。
■LUXMAN [D-07X]
●03と比べるとまずS/N感が1クラスも2クラスも上であることが分かります。03も十分な透明感を持っておりますが音場の見通しがより向上しております。
●03よりも更に高精細で粒子の細かいサウンドでありますが、且つほぐれ過ぎずに適度なエッジ感を残しています。
●スピード感に於いては07も03も甲乙つけがたく、両機を比べると、07はシャープなスピード感、03は(07を対象とするなら)ややアグレッシブなスピード感(ドライブ感)といった印象を持ちます。
●上位機種にありがちなやや行き過ぎたような(盛ったような)レンジ感ではなく、極めて自然でありながら高音~低音までよく伸びきったワイドレンジであり、(低音が膨らむことも、高音がしゃしゃり出ることもない)主張や強調が無くフラットに揃った出音となっています。
●超が付くほどのハイスピードではないものの、全体的にとても自然でありながら高純度・高鮮度・高音質といった印象が強く、(見出しの通り)極めて癖が排除されたサウンドは(元の情報から)盛られることも失われることもなく、結果的に自然なハイスピードサウンドに仕上がっているのではないかと推察しております。
○03に比べるとやや上品、07に比べるとやや素朴といった、中間モデルならではの半端感があることは否めませんが、個人的には07がもっとも好みと言えそうです。
黒江的好み度:S
(※以前のレポートではD-03XがAで、D-10XがSですが、D-03XはSに近いAであり、D-10Xはその完成度ゆえにSであったため、純粋な好きさでは07になりそうです。)
…ということで、3機種あるとなかなか纏め辛いこともありますので下記にワンポイントも記載しておきます。
ご検討の際に参考になれば幸いです。(…とは言ってみましたが、この3機種であればご予算次第で問題ないかと思われます。)
▼兄弟機3機種のワンポイントレポート
S/N感
D-10X >> D-07X >> D-03X
07も十分すぎるくらいのレベルですが、10がさらに上をゆく高次元といった印象です。
解像度(音場全体)
D-10X > D-07X >> D-03X
07を「細かいミスト状」と例えるなら、10は「目に映らない微粒子」くらいに高い解像感、非常に細かい部類の03でさえ粗めに感じられますが、解像度が高すぎるより、実像感が得やすい03を好まれる方もいると思います。
スピード感・音の切れ
D-07X >= D-03X > D-10X
下記の分解能とのマッチングもあって07がもっともスピーディに感じられますが、アグレッシブ系のスピード感・ドライブ感は03に軍配が挙がるので、音源次第では03がベストになりそうです。10はその細かさとスムースさゆえに鋭利なスピード感はあまり出ません。
音場空間
D-10X > D-07X >> D-03X
音の広さは別格的に10が広大です。03は上下左右奥行き(前後)すべてでやや狭く感じられます。
分解能(1音1音)
D-10X >= D-07X > D-03X
基本的には上記「ミスト」vs「微粒子」ですので10が頭一つ抜けている印象ですが、スムースな10に対して07は1音1音の輪郭が見えるため、好みの差になりそうなので“ほぼ互角”といった印象です。
レンジ感
D-10X > D-07X > D-03X
03が悪し、07が普通、10が良好ということではなく、03が良好、07が優秀、10が非凡・秀逸といったレベルと思われます。
D-03Xのレポート
http://www.digitalside.net/?p=1104
D-10Xのレポート
http://www.digitalside.net/?p=1115