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LUXMAN D-03X

木曜日, 3月 5th, 2020

今回はLUXMANからの新製品、今となっては希少なリリースとなるディスクプレーヤーD-03Xをレポートさせていただきます。

ちなみに、ディスクプレーヤーのリリースが希少である理由は(言うまでもありませんが)昨今に於けるディスクメディアからファイルメディア(データメディア)への転換・移行による需要減が主なところでありますが、そんな最中においてこのような力作を世に送り出してくれただけでも一定の賞賛を送りたいと思っております。

【スタンダードリスナーに於けるウェルバランス型の最有力。】

先に述べておきますとこのD-03Xは黒江個人(≒ザ・ステレオ屋サウンド)的にはやや低音の量感が豊富に感じるサウンドであり、(何度も何度も述べておりますが、当方は『やや痩せ型且つタイトで引き締まっており、その分スピード感やキレのある硬質傾向の低音が好み(ファーストチョイス)』なので)もっとも好きなタイプの低音域(の表現)ではありません。
…かと言って、このD-03Xはブーミーだったり、緩々だったりするわけではなく、(バキバキの硬質低音ではないものの)解像感が高く、見通しの良い低音域ですので(黒江的には)数ある低音域(の表現)の中ではセカンドチョイスには入ってくる傾向であると考察しております。

■LUXMAN [D-03X]
●高い解像度を基調に(拡がり過ぎていない)やや広めの音場感を描き、高いS/N感によって無音の空間にサウンドが瞬きます。
●中音域~高音域の分解能、定位感は(これまで聴いてきた中でも)トップクラスであり、俊敏・鮮明・デリケートに1音1音を描く印象です。
●やや広めの音場性ながらも音像が肥大することなく、高いセパレーションで各パートを配置させています。
●(中音域~高音域は)適度な余韻がありながらも、立ち上がりが早く、スッと立ち消えていき、一切の雑味を感じさせません。
●(特に中音域~高音域は)切れやスピード感も良好であり、『パッと現れては消える』淀みの無い爽快なサウンドを展開してくれます。
●レンジ感も良好であり、特に(きれいに伸びきってくれる)高音の伸びが秀逸です。低音もしっかりと最低域まで再生できており不足はありません。
●音傾向は少しだけ寒色傾向、高い音場性でありながら音像性(定位)も損なわないのは稀有な存在であるかと思います。
○強いて言えば少し低音の量感が大きいように思う場面があります。
○また、量感は好み次第として、中高域(やや寒色で硬質傾向)と低域(ほんの少しだけ音の先端が丸く、ほんのり暖色に思えることもある)のタッチ感が聴いているジャンルに拠ってはミスマッチに感じられることがありました。
黒江的好み度:A

…といったところになりますが、総じてはかなりの実力機であると断定できる完成度となっております。
低音の量感に関しては(くどいようですが黒江が痩せ気味を好むので)、「このくらいで丁度いい」と思われる方も少なくないかと思われます。
なお、基本的には主にCD再生(16bit/44.1Hz)での考察でありますが、メタル・ロック・ポップス・アコースティック・歌物などなど、あらゆるジャンルで隙の無い再生を得られ、いわゆる“オールジャンル向き”と言えるタイプに分類します。

CD・SACD再生に加え、USB DAC機能・バランス出力搭載、さらにMQA再生への対応と機能面でも隙の無いモデルです。
希少なCDプレーヤーの選択肢にぜひ名を連ねていただければ幸いです。