今回はLUXMANの新モデルです。黒江的には絶賛のD-06u(レポートしてませんがD-05uも上々でした)の再来なるか…といった期待に混じり『ラックスらしさ』がどの程度感じられるか…と少々複雑な心持ちでの試聴となりましたが、感じたままにレポートさせていただきたいと思います。
【硬質・寒色、わずかにウェット、冷淡な鳴り。】
まず先に結論を述べますと、「(旧来の)ラックスらしさ、ラックストーンは(わずかに感じられる面はあるものの)卒業されたようです。」…と言いたくなるようなクリア系の音色傾向となっています。
ラックスサウンドと言えば「太めでコシのある、暖色傾向で重厚になりつつも、穏やか、上品でスムースに耳に入ってくる」(←ここまで言えるのは随分と以前のモデルではありますが)そんな印象でしたので、見出しのものとは“ほぼ正反対”と言えるようなサウンドです。
ですので、アンプも然りですが、D-06uに代表されるように昨今の音作りは間違いなく変化してきているので旧来のファンには受け入れ難くなってきているのかもしれません。
…が、音の傾向はともかくとして、名門ブランドに恥じないクオリティであることは間違いが無く、音質・機能・性能・不具合の少なさなど、品質には確信を持ってお勧めできるメーカーです。
…ということで(本当に卒業したのかはまだ分かりませんが)今回のDA-250は“新しいラックスサウンド”として新しいユーザーに向けて(いつも)のレポートを書かせていただきます。
■LUXMAN [DA-250]
●S/N感・解像度・ダイナミックレンジ・レンジ感(周波数帯域)などの基本的音質は十二分と言えるさすがの高音質です。
●(強めのエッジや、シャープネスというイメージを連想させる)シャープ…という言葉よりは、線が細めという表現がフィットするタイプの描写となっており、色濃く・力強くではない、ややパステル調で見通しの良いサウンドとなっています。(かと言って、薄い・淡い・か細いといった“水っぽい薄まったような音”ではなく、しっかりとした情報量も兼ね備えています。)
●(今までもっとも弱いと感じられていた)鋭さ・(特に立ち上がりの)キレ・ピーク感などもかなり鋭敏になっており、(痛々しいほどのものではないですが)キンキン・カンカンといった金属音や、ディストーションの粒子感、スネアやバスのインパクトなどなど硬質の音の表現(リアリティ)が増しています。
●“ピンッ”と張ったような緊張感の感じられるサウンドで、1音1音がタイト且つ反応(レスポンス)の早い傾向となっています。
○とは言え、超硬質・超キレッキレ・超ハイスピードのような振り切った感じではなく、わずかにウェット感があったり、どことなく抑えられた感があったりとなかなか絶妙なバランスでまとめられています。
○そのため、分解能も上々ではありますが、シャウト(ボーカル)が少し優しく聴こえるかな…といった印象には感じられました。
○また、(その手のサウンドを聴く上では)前に向かってくる、ビシバシと叩きつけてくる、アグレッシブなドライブ感の高いサウンドという要素はそれほど高くはありません。
○良くも悪くも優等生的な面がありますが、(色々なジャンルをこなせるので)重宝しやすいのではないかと感じました。
黒江的好み度:A+ (~S)
おそらくは、(やはりLUXMANなので)「本当にこんな音なのだろうか」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、気になる方はぜひ一度試聴をしていただけたらと思っております。
なお、(ご存知かと思いますが)当店の試聴はメタル・ロック・ポップスをメインとしたケースでのレポートとなっておりますので当該ジャンル以外での聴こえ方とは大きく異なることも考えれます。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
ちなみに、今年だけでもASUS Essence One MKII MUSES Edition・north star design Intensoと(レポート出来ていないのですが)CHORD Hugoもかなりいい感じの鳴り方(僕らが聴いた感じでは巷の分析とは異なる結果)でありましたので、DACに関しては豊作であったと思います。
(アンプは数年来の不作続きなので早く巡り合いたいですね。Pioneer A-50DAはなかなかの当たりでしたが。)
P.S.
試聴はハイがブーストされている状態をメインに行っております。(後日修正します。)
P.S.2
LUXMAN関係者より開発担当に関する情報を少し得ましたが、(色々と事情もあり)やはり高解像度・クリア系の傾向となっているのはメーカーとしても認識しているようです。(僕の耳が故障しているわけではなさそうなのでよかったです。^-^;)