少し間が空きましたが、この度久しぶりに元祖の輸入元エレクトリに復帰し、新作を発表した名門中の名門オーディオ(主にアンプ)ブランド『McIntosh (マッキントッシュ)』からインテグレーテッドアンプの兄弟機をレポートいたします。
(名門ブランドだけに当ブログにしては高級なものになってしまって恐縮ですが、憧れのブランドの一つになれば幸いです。)
【NewGeneration McIn Sound !?】
まず先に(お得意の)脱線したお話からになりますが、“マッキントッシュ”と言われるともう一つのビッグネームを思い浮かべる方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、(そうです!)正に今現在、このメーカーをご存じない方はいないであろうApple社のコンピューター名と同じ“マッキントッシュ”というメーカー・ブランド名なのです。
ただし、同じ名前でもちょっとした相違点がありますのでザザッと箇条してみます。
★オーディオの“マッキントッシュ”はメーカー・ブランド名、コンピューター(類)の“マッキントッシュ”は商品名(TOYOTAのCROWNとか、Fenderのストラト[キャスター]とか、Gibsonのレスポールとか、HERMESのバーキンとかと同じ)です。
★スペル・綴りが違っていて、オーディオは“McIntosh”、コンピューターは“Macintosh”です。※オーディオは「a」が無く、「I」は大文字なのが正式なので覚えてもらえると嬉しいです。
ちなみに、Appleの“Macintosh”は最近のモデルでは一切使われておらず、略称の“Mac(iMac/MacBook等)”になっています。
おまけで、(僕は最近はじめて知った)アパレルの“MACKINTOSH PHILOSOPHY”は全部大文字で「K」入りです。(たぶん。)
すべて正しく書き分けられるとちょっと素敵(…な気がします)。
(歴史と言いますか、いち早くマッキントッシュを名乗ったのはこのオーディオブランドなので、Appleファンのみなさんにはちょっとリスペクトしてもらいたいような気もします…ね。)
…と、早々に脱線いたしましたが、新モデルのレポートの前に歴史ある“マッキンサウンド”の特徴をご案内したいと思います。
●とにかく、『パワー・エネルギー・情報量・密度感・濃厚感』という表現の似合う雄々しいサウンドが特徴です。
(繊細さ、クリアさなどが感じられないわけではないのですが、まずはパワフルさを感じる傾向です。)
●スタイルでは漆黒のガラスパネルに“ブルーアイズ”と呼ばれる青く灯るメーターが最大の特徴であり、遠くから見ても、誰が見ても一目瞭然のマッキンスタイルは(僕自身をはじめ)多くのファンを長年に渡って虜にしています。(これが“キュンキュンする”って言うんでしょうか。^-^;)
●多くのモデルに“マッキントランス”と呼称されるオートフォーマーという出力トランスを搭載しており、これが“マッキンサウンド”の源流とも言われています。
(まだまだ書きたいことはありますが、長くなるので簡潔に。)
…これらを踏まえて、この度の新製品MA5200とMA6700を「vs レポート」してみたいと思います。
■McIntosh [MA5200]
●同メーカーの中では、いわゆるエントリーモデルであり前述の“マッキントランス”を省略したモデルです。
(かなり前に同様の省略モデル「MA6500」が生産されており、黒江的にはもっともサウンドが気に入っていたモデルの一つだったので期待大でした!…が。)
●低域が強めで、パワーで押しこんでくる、いわゆる“マッキンサウンド”を強く感じられるサウンドです。
●暖色・低域寄り(極端に言えば低域[3]:中域[2]:高域[1]くらい)・高い押し出し感・パワフルなドライブ力を持っていますので、大型のフロア型スピーカーなどもガンガン鳴らしてくれそうです。
(当店では小型スピーカーしか鳴らせなかったので十分な魅力を引き出せなかったのかもしれませんが…)
○全体的に暗めであり、少し見通しが良くない印象もあります。
(情報量が多すぎて当店の小さな試聴室では部屋が音で充満してしまった感があるので広めのお部屋の方が向くようにも感じられました。)
○(マッキンは総じてですが)スピード感はやや遅め、音場感もやや狭いように感じられました。
(しつこいようですが、部屋との相性も考えられます。)
○少しサウンドは先丸、音の線は太め、エッジ感もビシッとした明瞭なタイプではありません。
■McIntosh [MA6700]
●こちらは“マッキントランス”搭載のプリメインアンプですが、MA5200に“マッキントランス”を載せた(またはMA5200がMA6700から“マッキントランス”を抜いた)設計ということではないようです。
(前述の通り、以前は“マッキントランス”レスが好きだったので、こちらはあまり期待しないでの試聴となります…。が!)
●基本的にはやはり“マッキンサウンド”です。…が、かなり洗練されたような、モヤモヤ・モワモワとしていたものが晴れたような、1レベルも2レベルも高い“マッキンサウンド”が感じられるサウンドだと思います。
●基本的にはやはり低域寄りだとは思いますが、こちらは中低域寄り([2]:中域[2]:高域[1.5]くらい)という表現の方が的確で、明らかな低域過多に感じられることはありませんでした。
●暖色傾向もさほど強くは無く、寒色・暖色のちょうど中間~ほんのり暖色といった音色傾向で、音像やエッジ感もしっかりしています。(少し先丸ではあります。)
●何より評価したい点が、スピーカーが「こんなに楽に鳴らしてもらっていいのかな」(←もちろん幻聴です。)と言っているように聞こえるくらい軽々と鳴っている点です。このアンプならどんなスピーカーでも駆動力不足に悩むことはなさそうです。
(“This is ドライブ力・トルク・駆動力”と言えるような、アンプの王道・王様とも言えるような何とも表現に苦しむセールスポイントです。)
●スピード感はやはりありませんが、抜けや見通しは上々であり、音場感も(とても広大とは言えませんが)十分な広がりを持っています。
●不得手なサウンドはあるものの、ベースのうねりやバスドラの(深い)沈み込み、オーバードライブの油っこい歪み感、男性ボーカルのうっとおしさ、肉厚の金属音、ビーターのインパクト音などなど“マッキンサウンド”でしか感じられないサウンドもまた魅力的だと思いました。
○PioneerのA-70と同様にイコライザーでハイ(高域)を少し上げて聴いていただきたいです。
…と、(個人的な主観&当店のセッティングでは)結果的にはMA6700の圧勝となりました。
とは言え、MA5200が劣っていたというよりは、MA6700の完成度が非常に高かったのだと感じています。
結論として…MA5200でさえとても高額でありMA6700は更に高額ではあるのですが、MA5200をご検討されているかたはもう一声がんばっていただいてMA6700まで何とか手を届かせていただけたら…と思いました。
P.S.
“ブルーアイズ”かっこいいな…。
部屋を暗くしてマッキン眺めてるだけでもすごい満足しちゃうんですよね…。
配色なのか、無機質と有機質が同居したようなデザインなのか、“McIntosh”のロゴが緑なのもポイントなんでしょうか…。