前回の続きです。
(『USBケーブルで音が変わるのか?』については前回のレポートで言及していますので、そちらもご覧いただければと思います。)
今回は表題の通り、“黒江的USBケーブルの決定版”をレポートしたいと思います。
まずは…
audioquest [CARBON]
【S/N感・解像度が高く、すっきりとした見通しのハイCPモデル。】
前回のレポートで紹介したaudioquest [CINNAMON]を聴いて、『理由・理屈・理論は分かりませんが』USBケーブルによって音質に圧倒的な違いが生じることが分かりました。(もちろん、それまでに聴いていたaudioquest [CINNAMON]以外の安価なケーブルでも音に違いがあることは感じ取っていましたが「圧倒的」と書いた通り、付属のケーブルを基準とした場合に於いて音の質の向上はもちろんのこと、『音色を変える(与える)ことで良くなった気がする』といった疑わしい要素が感じられなかったことが大きかったです。)
それではと同audioquestのもう1つ上位のモデルであるCARBONを聴いてみることにしました。
●基本形は癖の少ないクリアなサウンド傾向、強いて言えばわずかにウェット。
●それまで、PCオーディオ/USBオーディオの限界なのでは?…と感じていた「スピーカーの表面に音が貼り付いて剥がれてこない」といった印象から一変、スッと音が体(耳)を通り抜けるようなサウンドに。
(今まで聴いてきたサウンドを「ベタベタ」とすると、「サラサラ」になったという感じです。)
●全体のヴェール感が2枚も3枚も取れたように透明感が向上し、1音1音や微弱音までが鮮明に聴き取れるように。
●高音はスッと高く伸び、低音は(量感はやや抑え気味ではあるものの)しっかりと出てキチッと収まりの良いサウンドに。
●帯域バランスは非常にきれいで(黒江的には)フラット、キレッキレではないものの、抜けやS/N感の高さでスピード感もかなりの上々。
●音場感は(上下左右に)やや広がりがありますが(もっと広いものがあり)広すぎず、個人的にはこの点も好印象。(広がりすぎるものは好きではないので。)
…と、もちろん、基本的には黒江が好む『シャープ&タイト&ハイスピード系』なのですが、特筆すべきは高いS/N感だと思います。
(結構な高額のモデルまで聴き比べましたが、これ以上(同等はあっても)にはまだ巡り会っていないかもしれません…。)
とにかく(僕だってUSBケーブルで音が変わるなんて「ある意味今でも」信じてませんでしたけど)、はじめて「これならぜひ導入したい!」と思ったケーブルです。(もちろん、実際に買わせていただきました。)
(※セールスポイント的には0.75mなら定価12,600円、1.5mなら定価16,800円と特に1.5mを必要とされる方には非常に高いCPが得られると思います。その他、audioquestのUSBケーブル・HDMIケーブルは軒並みCPが高いですね。)
…が、実はもう1つ、すごいケーブルに行きついてしまいました!
KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]
【HIGH SPEED and AGGRESSIVE SOUND !!】
このサウンドを聴くまでには随分と時間が掛かり、ドラマがありました…。
黒江が好きなKIMBER KABLEですから、もちろん期待はしていましたが同社の電源ケーブルのように黒江的には“大ハズレ”になる予感を抱きつつも、まずはお借りして聴いてみることに…。
USBケーブルにはCu(銅)とAg(銀)があるようですが、ラインケーブルと同等の傾向であればCuの方が“より”好みなはず。…と、まずはBBUS Cuの手配をお願いします。
数日後に届いたCuモデルを聴いてみたところ…………正直、微妙です…………。
音にパンチがあり、パワフル、見通しも良好…と、決して悪くはないのですが、今1つすっきりとしない印象です。全体的に音が太めだし、そのせいかちょっと鈍足気味ですし、やや暗い感じもします。
「うーーーーん。はぁー。」…と、ちょっと落胆しましたが、「んんんん?待てよ?」と思ったわけです。「CuのウィークポイントはAgなら解消されるかも?!」…と、早速Agモデルをお願いしてみます。(って、本当は両方同時に来るはずだったんですけど手配ミスがあったんです…。笑)
更に数日後に届いたAgモデルを聴いてみたところ…………正直、すごいです!
●基本形は癖の少ないクリアなサウンド傾向はCARBONと共通、こちらも少しだけ艶やかな感じがあります。
●CARBONに比べると音場は狭く、広がり感は望めません。
●やはり低域はモリモリの量感ではなく、少し抑え目。
●音のキレ・粒子感・分解能は抜群・秀逸。(シンバルのジャリジャリ感・ディストーションのザラザラ感が最高です。)
●S/N感はわずかにCARBONに軍配が上がりますが、奥行き感・スピード感はsilver USB (B BUS Ag)が圧倒です。
●低域の輪郭やスティックやビーターのアタック音、巻き弦の歪み・粒立ちと尖った(ピーク)サウンドの再現力が秀逸です。
●フォーカスが非常に良好で、各パートの定位感も抜群だと思います。
…と、USBケーブル1つでこれだけのサウンドが出ることに驚いてしまいましたが、とにかくイチオシのケーブルです!(もちろん、こちらも買わせていただきました。自宅でもお店でも2つを使い分けています。)
(※セールスポイント的にはCARBONに比べるとあまり大きなことが言えず、1.0mが定価18,900円、1.5mなら定価28,350円とちょっとお高め…なので、1.0mで足りる方にオススメしたいです。)
『ちなみに、KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]は限られたショップでしか取り扱っていないので、ぜひ(当店:ザ・ステレオ屋)にお問い合わせください!』
オマケの見出しとして、
【アグレッシブならsilver USBを、オールラウンド&スタンダードならCARBONがベスト。】
【コストパフォーマンスは1.0mならsilver USBに、1.5mならCARBONがベター。】
とも書いておきます。
黒江以外にも「USBケーブルで本当に音が変わるの?」「どのくらいのを買っておけばいいの?」という方が多くいらっしゃるかと思いますが(『黒江的サウンド』でよろしければ)、この2つの決定版のどちらかをお求めいただければと思います。
(もう少しお安いモデルだと、前回のレポートのFURUTECHや最近発売されたMONSTER CABLEなどもお勧めです。※MONSTER CABLEは後日にレポートを少し書く予定です。)
P.S.
しかし、USBケーブルでなんで音が変わるんでしょうね…。