Archive for 4月, 2011

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 3

水曜日, 4月 27th, 2011

前回の続きです。

前回はiTunes・Windows Media Playerを基準としてfoobar2000の高音質さを紹介しましたが、今回は以前の様に一覧リスト&ワンポイントでご覧ください。(先頭の◎○△×は大まかな評価です。黒江的好み度はSランク→A+ランク→Aランク→A-ランク→B+ランク…と続きます。)

×iTunes
いきなりの「バツ」評価ですが、当レポートの趣旨からしても“スケープゴート”的なポジションになってしまっておりますのでご容赦ください。
具体的な感想としては、やはり「モヤモヤ・モワモワしている」という感じが非常に高く、S/N・解像度などが「及第点に満たない」といった印象です。

また、数少ないWindowsとMacの両環境でおそらくほぼ同一と思われるソース[プログラム]の再生ソフト(アプリケーション)ではありますが、音質の評価はMacでの試聴でも同様(に低評価)でした。
…と、あまりケチばかりつけてもなんなので勝手ながら背景を考察してみましたが、(先ほどは“再生ソフト”と書きましたが、)『そもそもiTunesはiPod/iPhone/iPadの管理および、ライブラリの管理、音楽・アプリの購入、その他(インターネットラジオ・ポッドキャスト・ホームシェアリング・レンダラー)と多機能なマルチメディアアプリケーションであって再生ソフトではない』のですよね…。
現にAppleは「多機能化やiPod/iPhone/iPad/AppleTVの新たな機能への対応」をうたっては来たものの、一度たりとも(iTunesが)「高音質」であるとうたったことはありません。(…よね?)それであれば妥当な評価なのかも…とも思うのですが。
黒江的好み度:C-

×Windows Media Player
iTunesほど(の多機能)ではないですが評価の理由は同様です。
ただ、個人的に音質はiTunesほど酷くはないと思っています。(音が明るめで少し抜けが良い感じです。)
ただし、リファレンスとなるような音質は期待できませんので辛口評価ということで…。
黒江的好み度:B-

△foobar2000 (with ASIO4ALL)
「色々な方から叱られそうですが、色々と聴いてきた結果です。」ただし、結構な好みで(僕の)評価を落としていることは間違いありません。
音の綺麗さ・広がり・情報量は高く、素直に評価しておりますが、悪く言えば「小奇麗なだけの、いかにもオーディオ的な作られた音」といった印象です。(ちょっとオーバーに書いてますが…。)
音が全体的に大人しく、やや滑らかになっているのでそれを“ビットパーフェクトが為せる情報量(の多いサウンド)(※仔細はまた後日)”と思い込んでしまうのかもしれませんが、個人的には「巷で言われている(決定版と言う)ほどのものではない」と思っております。
加えて、“ASIO4ALL”という+αで完全に盲信してしまう傾向があるのかもしれませんね。
黒江的好み度:C

◎cPlay (+ cMP with ASIO4ALL)
foobar2000と同様にこちらも比較的有名で評価の高いソフトですが、こちらは僕も高評価でした。…と言ってもやはり個人的に好みだったからだと思います。(そういう意味ではfoobar2000もきっと好み次第なんですよね…。^-^;)
ただし、僕の評価はSSE2版が圧倒的に高く“◎”ですが、SSE3版は“△”くらいになるかもしれません。

高評価の理由ですが…とにかく音が細かいです。そして、ハイスピードでクリア。
欲を言えば「音が少しスカスカしていて、(平面的にスピーカーの前で広がり)飛んでこない」ので「もう少し音が前に鋭角に向かって来てほしい」と思う点です。

更にcPlayとペアで動かすとWindowsの音楽再生に不要な機能を抑制できて更に音質が向上する“cMP”の効果も認められますが、(環境によっては)システムがやや不安定になりますし、無くても十分なので個人的には使用しておりません。(cMP使用時は音の余韻などが強くなり、好みから遠ざかる印象も。)
…ですので巷の評価と同じとは言え、巷では『cPlay SSE3 + cMP with ASIO4ALL』なのに対し、僕は『cPlay SSE2 with ASIO4ALL』なのでご注意を。
黒江的好み度:A-

…と、また次回に続きます。

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 2

火曜日, 4月 19th, 2011

ちょっと間が空きましたが、前回の続きを書いていきます。

[2]再生ソフト(ドライバー)
前回はCDの音楽・曲データを(正確に、元の録音通りに)リッピング(抽出)するソフトに触れましたが、今回はそのデータを再生するためのソフトです。
前回も述べましたが、黒江はFLACなどの高音質音源には今のところ関心がなく(関心のあるジャンルの配信がなく)、あくまで「CDで再生していたものをPCでいかにCDに近い再生ができるか」を主眼としています。

また、いつものアンプ・CDプレーヤー・スピーカー・ケーブル類のレポート時と同じく、「いかに色付けのない再生を得ることが出来るか」が重要であると考えておりますので、「このソフトは理論的に高音質であるはず…」といった概念はあいにく持っておりません。
こちらも、あくまで「(同じWAV・MP3ファイルなどを)異なるソフトで聴き比べて、よりCDプレーヤー(現在のリファレンスAura neo)で聴いている音に近い」ものを選出しています。

なお、PCオーディオに関しては、この“理論的”という点で色々と補足したい点もありますので、そちらはまた次回以降にでもまとめたいと思います。

■試したソフト
 ●iTunes
 ●Windows Media Player
 ●foobar2000
 ●cPlay (+ cMP)
 ●StealthAudioPlayer
 ●Wave File Player for Reference (& for Experimental)
 ●Audioactive Player
 ●SoundPlayer Lilith
 ●Frieve Audio
 ●Winamp
 ●MidRadio Player
 ○Activate Sound in SafeMode
 ○ASIO4ALL

※Windows 7やMacは別の機会にあらためさせてください。

もちろん(前回のリッピングソフトも)ここに列挙した以外のソフトも聴いていますが、とりあえずメジャーどころと(普通の方にとってはマイナーだけど)既存のPCオーディオユーザーの間では高音質で有名なもの、その他を聴いてみました。
本数が多いので1つずつのレポートは割愛しますが、それぞれの(僕なりの)感想をご覧ください。

『iTunes』『Windows Media Player』…は、もちろんの登場です。しかし、巷で言われている通りに再生の音質はとても称えられるものではないと思います。特に「iTunes」は…と思ってしまいました。
(双方ともにソフトのバージョンで音質が異なると言われていますが、iTunesは古いのでVer.6から最新Ver.10まで、Windows Media PlayerもVer.6からVer.11まで聴き比べてみたところ「確かに違うし古い方がまだマシだけど、低レベルの攻防かな…」と。)
(ちなみに、古いバージョンは仕事用のPCに「Windows2000」があるため用意できました。iTunesは結構たくさんのバージョン(のインストーラー)を保存しています。^-^;)

続いて、大本命の『foobar2000』です。やはり前述の2本に比べて全然違います。モワモワ・モヤモヤしていたのがスッキリした感じで、空間・広がりもあり、さすがに定番中の定番になっているだけのことはあります。
なお、この『foobar2000』ではじめて『ASIO4ALL』というものを使ってみました。

◆ASIO4ALLとは…
よく、「WindowsよりもMacの方が音が良い」と言われていますが、その素因の1つ(…いや、すでにMacのハードはWindowsと同じものだから「そのすべて」かな?)にOSが音を出す仕組みが異なる点が挙げられます。
Macは何かしらかのソフトで作られたサウンドをそのまま出力するのに対して、WindowsはKernel(カーネル)というOSの心臓部に一度サウンドを送り、その中のミキサーを通ってから出力しているのです。
(ソフトの音量をMAXにしてるのに、音が出なかったり、小さかったりして、調べてみたらタスクバー右下の「スピーカー?ラッパ?メガホン?みたいなマーク」をダブルクリックして出てくるミキサーパネルのボリュームが小さくなってたせいだったことがありませんか…?あれがカーネルミキサーです。)
つまり、簡潔に言えば2回ミキサーを経由してしまっているワケなので音質が劣化すると言われています。
そして、『ASIO4ALL』はこのカーネルミキサーをスキップしてサウンドを出すというドライバー(パッチ)と呼ばれるソフトです。(スキップしてるとは言ってもミキサーが無効になるわけではないのですが…。)

『ASIO4ALL』を介したサウンドは更にクリアになりました。先ほどのモワモワ・モヤモヤがもう1ランク取れ、広がりも更に出ます。
…ということで、しばらくはこの『foobar2000 with ASIO4ALL』がリファレンスプレーヤーソフトとなりました。…が、

続きます。