前回の続きです。
今回は前回の「後述」と、大まかな使い勝手などをまとめて行きたいと思います。
まず、(前回のレポートでの)YAMAHA NP-S2000の評価には賛否あるのではないかと思いますが、個人的な感想として「MP3/WAVE/FLAC」などのデジタルフォーマットのサウンドが一様に「アナログを聴いているようなサウンド(の印象)」になってしまっている点が気になりました。
どういうことかというと…特に“128kbps~192kbps程度の高圧縮されたMP3”が顕著でしたが「良くも悪くもMP3のスカスカした感じが無く、密度のある濃厚な音」になっているのです。
これは無圧縮であるWAVEに於いても同様で、CDプレーヤーで聴いているサウンドよりも遥かに情報量の高いサウンドとなっている(ように感じられる)のですが「黒江的には音作りが激しくてとてもついていけないなぁ…」と感じてしまったのです。
具体的には「低音の量感が上がり、1音1音に濃さが出て余韻や滑らかさが向上する」といった印象です。しかしながら「元の音よりも音の1粒1粒が大きく、音場も広大ですが、音像(ボーカルの口の大きさや、バスドラムの口径)も広大(肥大)している」とも言えます。
もちろん、何の先入観も持っていませんでしたし、発売前にYAMAHAさんのショウルームで聴いた時はもう少し色付け・癖の少ないサウンドだった気がしていたのですが…。(そう言えば、もう少しチューニングされるようなことを言われていたような…。)
…と、そんなところで、今さらですが内部の豪勢な回路を思い出します。トランスを2機積んで、ディスクリート?!と言わんばかりのアナログステージ、何と言ってもあの重量。(YAMAHAショウルームではじめて中身を見たときは「アンプと見間違うくらいのぎっしり感」でしたしね。笑)…何となく、出てくる音の重厚感につながってくるような気がしました。
…と、と、もちろん決して悪く言いたいのではありません。繊細な音はよく拾ってくれていますし、ダイナミックレンジも上々です。くどいようですが、デジタルフォーマット(ファイル)を再生しているようには感じないアナログ的なサウンドを良しとするかでこの製品の評価は変わってくると思います。
ちなみに僕はご存じの通り、ROCK・METAL・J-POPなどを好みますので、クラシックを主に聴かれる方とは音の趣向が相対しやすいです。その辺りもこのNP-S2000をご購入検討されている方には注目していただければと思っております。
それから、もう1点だけ。正直に言いますと「操作性」はちょっと悪いです。本体のディスプレイは表示窓(ディスプレイ)が小さく、読み込み・検索・切り替えなど(iPhone用のアプリ経由などでも)動作にモタつきが感じられます。(先日のアップデートで改善されたのかもしれませんが。)
この手の製品は「一見、ただハードを購入しているように捉えがちですが、実はソフトウェアやサポートも(同時に)購入している」という性質の製品です。
「使いやすさ」「ストレスのないインターフェース(直感的に操作できるか)」も重要なポイントになってきますので、今後のアップデートに期待したいところです。
なお、僕のイチオシのolive 3HDも「操作性はイマイチ」ですが、marantz NA7004はかなり完成度の高いインターフェース(本体操作もiPhoneアプリも)となっております。
この辺はまた続きで書きたいと思います。