大型パワーアンプで有名なPASS(Laboratories)の代表者であり設計者であるネルソン・パスが「もっと気軽に家庭で使えるアンプを作ってみたい」と考えたことに端を発する『First Watt』ブランドから、”J2”の試聴をしました。
【さらっと鳴ってる。ただそれだけなんだけど、とても存在感があるサウンド。】
…って、この短いコメントで終わり!にしたいくらい、本当にさらっとしたアンプです。
PASSのように厚みがあるわけでもなく、音に熱気があるわけでもなく、
芯がしっかりしているわけでも、か細い感じでもなく、
すごくエアリーってわけでもなく、どっしりと密度感が高いわけでもなく…と、延々とこんな感じで続いていきそうです。(笑)
でも、ニュートラルとか、フラットとか、そういう感じでもないんです。
繊細で、静かで、限りなく透明。だけど薄っぺくなくて…本当になかなか表現が難しいです。
あいまいなことばかり書いても何ですから、感じたことを具体的に。
●S/N感がとても高いです。
●「とても広大」ではないけれど広がりはある方です。
●スピード感は普通~ちょっと遅め。
●なので、ひゅっと吹き抜けていく感じではないけれど、「心地良い風が(ゆっくり、優しく)吹き抜けていく(頬を撫でる?)」といった印象。
●聴感上も、数値の上でもパワーがありませんので大音量は出せません。
●逆に、小さなボリュームでも(ノイズがとても少ないので)とても澄んで聴こえます。
●癖のある音ではありませんが、少しパステル調になる印象です。
●女性ボーカル(J-POPもR&Bもgood.)・室内楽・ボサノバあたりにフィットすると思います。
何と言いますか、ご自身のPASSもそうですが”俺の音を聴け!”みたいなアンプがミドルレンジ~ハイエンドには多い気がしますが、そういった風潮の真逆で「さりげなく、でもミドルレンジの高音質」という逆の主張?をしているようにも感じられました。
「PASSらしさ」みたいなものはあまり感じず(強いて言えば小音量時の粘りくらいで)、開発意図の通り「家庭で気軽に(きっとBGM的に)音楽を楽しんでもらいたい。」そんなアンプだと思います。
少量生産のわりにオーダーが続いているそうなので、お早めにお問い合わせください。
http://www.electori.co.jp/firstwatt.html
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