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Vienna acoustics HAYDN (S-1G)

木曜日, 9月 3rd, 2009

現在のザ・ステレオ屋リファレンスモニターの一角を成している[S-1G]ですが、タイトルを見てあれ?っと思う方も少なくないかもしれません。
…実はこのスピーカー、本国オーストリアでは「HAYDN(作曲家のハイドン)」という名前で呼ばれている(売られている)のです。
加えてブランド名も「Vienna acoustics」(ウィーンアコースティックス)ときていますから、ハイドン以外にも名だたる作曲家を輩出したクラシック大国のオーストリアから「クラシックを聴くために」生まれたスピーカーであると容易に想像できるものです。

実際に、専門誌やサイトで取り上げられる際には「クラシック」中心の話題/賛辞/評価ばかりであり、J-POPやHR/HMを聴いての感想はほとんど見受けられません。(見かけたらウチのユーザーかな?)
そんなモデルでありながら、当店では随分と以前からこのモデル(&前身モデル)に着目していましたが、輸入代理店の方は随分と「?」だったそうです。

…と、僕が気に入るくらいですから、それなりに理由があるわけですが、
●とにかくクリア。
 音に濁りや滲みがなく、とにかく鮮明、フレッシュという形容がハマります。
●とても明瞭な音の輪郭。
 加えて、音の形が目に浮かぶほどクッキリとしたエッジを描きます。
●モタつきの無い、スピード感/キレ。
 気持ちいいくらいビシビシ/スパスパと音が刻まれていき、高レスポンスです。
●高い分解能。
 音の輪郭だけではなく、中身(音の粒子感)も高精細。
などなど、僕にとっては大好物の特性だらけです。

もちろん、完璧なもの(音)はないと思っていますし、オーディオにおける特性は「相反する要素を両立できない」バーター形式となると考えていますので、ウィークポイントも多々あります。
●低域のレンジが狭い。
 いわゆる超低音は再生できていません。
●厚み/伸びに欠ける。
 高域の余韻はありますが、中域~低域の伸びがなく、音は軽め。
●全体的に硬質。
 良い部分が総じて悪い部分とも言え、かなり緊張感の高い、悪く言えば神経質なサウンドとも言えるのでちょっと聴き疲れするかもしれません。
●女の子ウケが悪い。(笑)
 my-musicstyleを通じて、かなりの人数の(主に20代の)女の子に聴いてみてもらいましたが、やっぱり女の子は軟らかめの(優しい)音がお好みのようです。

でも、ディストーションサウンドのギザギザ/ガジガジのエッジと、ザラッザラ/ガリッガリの粒子感をこれだけ気持ちよく聴かせてくれるモニターは今までに無かったので、僕にとっては唯一無二の魅力を持っているのです。
ボーカルの口元もビシッと定位してくるし、(深さはないけど)ベースラインは微塵にも崩れずにブリブリと鳴ってくれるし、これはこれで言うこと無しです!

BURRN!でも似たようなことを書きましたが「英才教育を受け、クラシックばかり聴いてきた普段大人しそうで清楚なイメージの令嬢が実は○○だった!」みたいなトコロがまた素敵です。

くだらないシメではありますが、先入観など持たずに一度聴きに来てみてください。

P.S.
S-1Gの兄弟機である、T-2G/T-3Gあたりは黒江的(HR/HM)にはナシです。(良くも悪くも低域がS-1Gにあった良さを消しています。)
ただ、低域はしっかりしているのでロースピードな曲/ジャンルには向いていると思います。(こちらの方はクラシック用と言われても納得。)

http://www.cec-web.co.jp/products/va/s_1g/s1g.html

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