Archive for 8月, 2009

HEGEL H2A vs NuForce Stereo 8.5

土曜日, 8月 29th, 2009

双方共に今さら感はありますが、ごく最近に同時試聴(聴き比べ)をする機会があったので覚え書きの意も含めてレポートします。

【大らかなH2Aと四角四面のStereo 8.5 V2】

まず、黒江としては基本的に『アリ(買い)』の2機種であることを書いておきます。
その上で双方に感じられたのは…

HEGEL H2A
●僕は基本的にブックシェルフ~小型モニターを好むのですが、当店のリファレンス達(Vienna acoustics S-1G/ATC SCM7)がかなり大きく広がりを持って鳴らされていて「フロアモニター(中型モニター)になったみたい。」と、思うほどに大らかでスケールのあるサウンドです。

●音が伸びながらも飛んでくる。
経験上、業務機(PA)に多いのは飛んでくるだけのタイプ。ミドルクラス~ハイエンドの民生機に多いのが伸びるだけでキレが無いというか、スカッとしないというか、音離れが悪いというか、抜けが悪いというか…といったタイプなのですが、[H2A]は「ぐぐーっ」と伸びながらも「ぼんっ」と放たれる感じで開放感があります。

●音は芯がしっかり、少し緩めで厚めの肉付き、輪郭は硬くなく少し薄め。
少し濃いめの音であり、厚めとも言えるタイプですが、シャープさも皆無ではなく「ちょっと気を緩めると崩れる/ほぐれる/緩みそうになるところを、びしっとした緊張感で耐えている。」
…というようなイメージです。(分かり辛いかもですが…。笑)

●中域~高域は繊細だけど、低域は少しムラっ気があって暴れ気味。

●音が太めで、粒もやや大きめなので隣接、近接する音を上手くセパレーションしたい感じです。
※音数の少ないソースではすべてが上記の様な印象になりませんでしたが、ハイテンポ(200BPM前後)なTHRASH/COREなどを聴いた感想です。


Stereo 8.5
●H2Aとの対比的な表現が中心となりますが、H2Aはスピーカーの表面積が上がったように感じられたのに対し、こちらは同等~ややコンパクトなサウンドステージ(音場)で、(左右のスピーカー間に)縦横左右、奥行きと3Dの視界に音(各パート)が点在する感じです。H2Aのように迫り来るような、広がるような感じはありませんが、リスナーから見て逆三角形(▽)に前方に切れ込むようなサウンドステージはフルオーケストラのような大編成的ではなく、4,5人のバンド的なサウンドです。(H2Aはリスナーから見て三角形(△)で後方に広がる感じ。)

●音がパッと現れて静止し、次の音がまたパッと現れて静止し…を瞬く間に繰り返す。
いわゆる「定位が良い」と言われる状態で、3Dな立体映像を超高速なフレームレートで(パラパラマンガ?を)見ているようなイメージで、その分(視界が狭いので)開放的な感じはなく、箱庭的と捉える方もいるのではないかと思います。

●音の芯は細すぎず太すぎずの適度(やや細身)、肉付きは薄め、輪郭も薄めだけどやや硬めでしっかり。
僕は普段より、元の音(録音されている音)に忠実なモニター調、元の音をより良く聴こえるようにテイストを加える(与える)オーディオ調と大きく2つの方向性(傾向)に分けて考えていますが、Stereo8.5は基本モニター調にややオーディオ要素が加わっている印象で、H2Aは基本オーディオ調なんだけど、限りなくモニター的といった印象です。

●(ハイエンドに比べると)ほんの少しレンジは狭いかな?…と。ただし、きめ細かさやS/N感が高く、帯域バランスも各帯域のスピード感(位相感)も良好です。

●とにもかくにもサウンド全体の見通し(サウンドステージのパートの配置感)も、1音1音の音のメッシュ(分解能)や音も形が良く(=元の音に忠実)、ちょっと几帳面な感じもするくらいです。そこに音場がコンパクトで律儀(堅そう?)な感じを加えて「四角四面」と例えてみました。
もう少し暴力的に、ルーズに、粗っぽく(荒っぽく)鳴らしてあげると良いかもしれません。

…と、長くなりましたが、2機種のvsレポートでした。
文面にアリアリと表れていますが、黒江的には[Stereo 8.5]が好みですが、文章ほどには180度正反対のサウンドではなく、かなり共通する点も多く感じられました。(お上品じゃないことや、甘い、軟らかい、優しい、緩いタッチではないことなど。)
強いて結論づけるなら、[H2A]はハードロック(or 80年代以前)より、[Stereo8.5]はヘヴィメタル(or 90年代以降)寄りかな…と。(黒江的には。)

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
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ROCK! ジャケ弁スタイル

金曜日, 8月 28th, 2009

っていう面白い雑誌(小冊子)を見つけました。

面白いというか、実にくだらないというか、着眼点が素敵すぎるというか。最高です。

…って、別冊StereoSound!?

ステレオサウンドってあのステサン?

あ、FuhlenCoordinateとかDYNAUDIOの広告がある…あのステサンだ。

やるじゃん!(やればできるんじゃん!)

…と言うことで、音楽好き(ロック好き)は必読です!

内容は監修(?)のオバッチさんブログにて。↓
http://jakeben.blog111.fc2.com/

P.S.
しかし、数ある中から『SCHIZOPHONIC』をチョイスするなんて…、お弁当にしやすかったから?と思っていたら、どうやらヌーノ好きのようですね。(+相当ロック好きなんだなぁと、ちょっと親近感です。)
&オーディオに混じって全然違う業種(桃屋まで!)の広告が入ってるのは見ててシビレますね!

TIGLON MS-12A

金曜日, 8月 28th, 2009

3エントリー連続となりますが、TIGLONブランドの(既製品)ケーブルより最後のモデルです。

この[MS-12A]は先日の電源ケーブル[MGL-1000A]の下位モデルといった位置づけですが、(型番の法則性からも?)一般的なものの下位モデル(ただ線材の太さを小さくしたなど)とは異なるようです。

※実際に[MGL-1000A]は超極細の高純度銅を57本束ねたものを1本とし、更にこれを7本束ねたものを1芯とし、3芯に(+極1芯/-極1芯/アース1芯)編み込まれていて、[MS-12A]は同じく超極細ではあるものの、もう少し太い銅線を束ねたものを1本=1芯となり、(+極1芯/-極1芯/アース1芯)の3芯構造のようです。(再度確認中です。)

上位モデルの[MGL-1000R]は少し音に丸みが出たり、音のエッジに滲みが出たり、音に少し潤いや艶あると書きましたが、導体の断面積や銅線の細さ(今までの経験上、細いものをたくさん束ねたものは音が軟らかい)などからも、どことなく納得できるような気がします。

…と、とりあえず構造上や理屈はどうでも良いとして、[MS-12A]を聴いた感想ですが、
●上位モデルほどではないが、やはりマグネシウムシールドの恩恵かS/Nがすごくイイ感じです。
●音の力感/エッジ/押し出し/アタックなどが損なわれず、型くずれや抑え込まれる感じがない。
●音の芯は少し太め、肉付きはほどほどあるけど硬め(贅肉っぽくない)、その肉の周りにしっかりとした輪郭があるイメージです。
●欲を言えばレンジは高音-低音ともう少し欲しい気もしますが、バーターしてしまう要素もありそうなので必要十分かな…と。
バランスも良いし、低域も締まっているし、久しぶりに個人的に欲しくなったケーブルでした。
(入手したら絶対プラグ交換するだろうな…。)

…と、いうことでTIGLONケーブル3種のレポート完結です。
どれも買いですが、『黒江的サウンド』の好みからすると上位モデルは『ワンポイントを上手い位置に』、今回の[MS-12A]は『かなり買い』ではないでしょうか。

http://www.tiglon.jp/ms12-a.html

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TIGLON MGL-1000A

水曜日, 8月 26th, 2009

一つ前(昨日)のエントリーに引き続き、TIGLONブランドの電源ケーブルのご紹介です。

昨日のラインケーブルと同様ですが、ラインケーブルのそれ以上に突出したS/N感の良さはかなり高額な部類の電源ケーブルにも引けを取らないものがあると思います。

例えば「イントロに一瞬の間が入ってから出だしの音が鳴り始める」ような曲などでは、MGL-1000Aは一瞬「シンッ」と静まりかえる中に突如として音がではじめるのですが、他のケーブルではこの静寂にどことなくザワザワとしたものが感じられます。

加えて、ギターの弦がわずかに擦れるような音、少し奥の方で鳴っている小さな音、微かに残る残響などがしっかりと再現されていて音場の見通しがとても良好です。

…と、とにかく先日のMGL-1000Rでも述べている通り、S/Nの良さからくる利点が非常に多く、オーディオにおける『S/Nの大切さという原点に立ったケーブル』といった印象です。

MGL-1000Rと同じく(あまりシールド的な音にならないと書いた)マグネシウムシールドを特徴としますが、こちらは少し音に丸みが出たり、音のエッジに滲みが出たり、音に少し潤いや艶が乗せられている印象があるので個人的には僕のもっとも好むタイプではありません。(シールド云々ではなく、線材からくるキャラクターと推測しますが…。)

が、いずれも大きく脚色されるような程度ではありませんので、むしろこれらを良しとされる方も多いと思われますし、良く言えば「えぐみが取れ、ささくれ立った感じが解消される」とも言えると思います。

…と、色々と書きましたが、(ぴったんこの好みではないものの)その高い基本性能を取り入れるべく現在ザ・ステレオ屋オーディオルームのメインコンセント→タップ間用に使用中です。
(この位置での使用は全体に効き目[高S/N感]が行き渡りますが、機器に直結するケーブルの方がキャラクターが強く反映されるので前述の脚色感はより薄まります。)

http://www.tiglon.jp/mgl1000-a.html

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TIGLON MGL-1000R(RCA)

火曜日, 8月 25th, 2009

同ブランドの他のケーブルでも同じことを書きますが、TIGLON(ティグロン)のケーブルはとにかくS/Nが良く感じました。
何よりも、まずはこれに尽きます。

一般的な銅線やアルミ箔のシールドとは異なり、同社の特有な持ち味である『マグネシウム』を使ったシールドなのが特徴ですが、
僕は基本的にシールドされたケーブル嫌いなのです。
その理由は…
●S/Nが向上する代わりにスピード感やキレが落ちる。
●全体的におとなしくなる。
●何となくですが、付加価値を上げようとするばかりでやり過ぎな感じがしてしまう。
…と、とにかくシールド(=外来ノイズからの保護)はその意味の通り、過保護な音になっている気がするのです。
(なので、僕はシールドを剥いだり、皮膜を脱がしたりしてケーブルの導体だけを抜き出して[開放して]使用することがしばしば…。)

そんな中、このケーブルは3重ものシールド加工にも関わらず、音が死なない(閉じこめられた感じが少ない)点が非常に優秀ではないかと思います。
それでいて、多重シールドの利点である『S/N感』は抜群。
何もない空間にポッと音が浮かび上がるのは誰が聴いても分かり易く、システムのグレードアップに最適です。

高域~中域~低域のバランスも良好。
低域の量感が持ち上がったり、緩くなることもありません。
が、僕が好きなシャープ&タイトなケーブルに比べると幾分か芯が太く、のんびりしていますので使いすぎるとどんどんお上品になってしまいそうです。
(セパレートアンプやDACをお持ちの方は特に)ココっていうところにワンポイントで使えるとベストではないでしょうか。
(ちなみに、黒江的にはCDプレーヤーなどの「送り出し→アンプ間」よりも「プリ→パワー間」の方が好きでした。)

http://www.tiglon.jp/mgl1000.html

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遅まきながら…

金曜日, 8月 21st, 2009

ブログ形式にリニューアルいたしました!

これまでは「しっかりと仕上げたコンテンツ」だけを掲載する方向でしたが、
日々方々に追われ、なかなかじっくりと取り組むことが出来なくなりましたので
「もう少し気楽な感じで色々と書きたい(思ったことや感じたことをお伝えしたい)」と思い、
この様なスタイルのサイトにリニューアルさせて頂きました。

ブログとは言え、最近利用者が増えているTwitter(ツイッター)のような
短めのテキストなども多く掲載することになるかと思います。(そのぶん華やかさは無いことと思いますが…。)

新しいカタチとナカミの(オーディオ)音楽イベント『my-musicstyle』
ハードロック/ヘヴィメタル誌の最大手『BURRN!』誌
総合音楽情報誌『CDJournal』誌(バーン!とCDジャーナルは揃って25周年!)
と合わせてお楽しみ頂ければ幸いです。

末永くよろしくお願いいたします。

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