Archive for the ‘レポート:ケーブル’ Category

M&M DESIGN 7N-MA7000II SN-MA3000III

木曜日, 6月 11th, 2020

今回はトライオード社が代理店となり、新たに(コンシューマー)オーディオ市場に展開されることとなったM&M DESIGNのケーブル群をご紹介させていただきます。

【精悍な白銀(しろがね)か、屈強な黒鉄(くろがね)か。】

LINEケーブル(RCA)とスピーカーケーブル(SP)は、ほぼ全て聴き比べさせていただきましたが、全種を1つ1つ取り上げるとかなりの長文になりそうですので、まずは大きく捉えることのできる同ブランドの傾向から述べてみたいと思います。

全体的に共通して感じ取れた印象の中で優先的に並べるとすれば…『ウェルバランス型』『高解像度』『高情報量』『高発色』といった感じになりますが、言葉の印象通りにものすごく突出したキャラクター(個性・特色)を打ち出してくる感じはしません。
もう少し言えば「ウェルバランス」とありますが、このバランスはレンジ感(帯域)のことではなく、全体的な音の感触などを指していて、例えば「ゴリゴリ」「ギンギン」「ギャンギャン」「ビシビシ」などのアクセントの強いワードを印象付けられることが無いタイプということになります。
ですので、この印象を切り出して意地悪く捉えると「(ありきたりの・普遍的な)普通のサウンド」と思われがちですが、このM&M DESIGNは『ウェルバランスでありつつもアグレッシブ(系)』のサウンドとなっており≪サウンドの傾向に強い個性は感じない(押し付け感は無い)けれど、能動的に感じられる≫ような、一見矛盾しそうな持ち味を発揮してくれるブランドに思えます。

…と、この点を踏まえつつ、ラインケーブルをレポートしていきたいと思います。
(コストパフォーマンスの参考までにすべて長さ1mの価格を税別表記にて掲載しておきます。)
■SN-MA1700 (\10,000/1m)
●もっとも安価ながら、(各種コンポーネントの付属品などと入れ替えると)確実に効果を感じられるクオリティがあります。
●やや低重心ではありますが、しっかりとした情報量と解像度があり、帯域バランスも良好で(付属品などに比べて)音のぼやけが取れて明瞭になります。
○上位モデルに比べると基本的音質は、やはり1周り2周り下回ります。(価格的に仕方のないことであり、コスト的には十分満足です。)

■SN-MA2200II (\13,000/1m)
●SN-MA1700にスケール感、より広いレンジ感を加えた傾向です。
○特に低域の情報量に伸びがありますが、黒江的にはかえってそこが難点となってしまいました。個人的にはSN-MA1700の方が好みです。

■SN-MA3000III (\27,000/1m)
●個人的には今回のラインナップ中の注目株(ダークホース?)です。全種ウェルバランス傾向ではありますが、中でももっとも帯域バランスが良く、もっとも素直・ストレートなサウンドに感じられました。
●サウンドのスッキリ感、抜け感も屈指ではないかと思います。
○個人的にもかなり好きなサウンドでしたが、黒江のよく言うハイスピード系の最高形容『キレッキレ』『かなりのハイスピード』『突き抜けるようなクリア感』といった形容までには至らず。もちろん“鈍足”“先丸”“モサモサ”では一切なく、スピード感は上々、音の立ち上がりやエッジ感はややシャープ、サウンドステージもやや広めでクリアです。

■SN-MA5000II (\64,000/1m)
●SN-MA3000IIIとの共通性も感じられますが、SN-MA3000IIIよりも一際情報量が向上し、音の密度感が増してくる印象です。
●サウンドステージもスケール感が向上し、低音の情報量も飛躍します。SN-MA3000IIIとは音色傾向が変わっており、下位からのブラッシュアップモデルという印象よりも、まったく別のモデルといった印象が強いです。(SN-MA2200IIの方が似ているサウンドかもしれません。)
○ここから一気にプライスが上がることもあって少し辛口になりますが、高域方向のレンジ感がややさみしく、低域の量感とスケール感が少し中高域とマッチしていない印象です。

■7N-MA7000II (\100,000/1m)
●個人的には今回のラインナップ中のMVPです。基調は1つ下のモデルSN-MA5000IIよりも2つ下のSN-MA3000IIIに共通性を感じ、SN-MA3000IIIの高域~低域のレンジ感、サウンド全体・1音1音のS/N感などがかなり向上している印象です。
●ラインナップ中ではもっとも音の抜け、音場の見通しなどが高く感じられ、スッキリ感と実像感、情報量とセパレーションなどを併せ持った、高いクオリティに感じられました。
○ソースによってはほんの少し高音(の量感)がきつめに感じられるかもしれません。

■7N-MA9000CORSA (\160,000/1m)
●最高峰のトップエンドモデルだけあって非常に高いクオリティを誇ります。特に音の情報量が非常に多く、1音1音に濃度・密度が感じられます。
●SN-MA5000IIから更にレンジ感、高域の伸び、解像度などを向上させたような印象で、逞しさと優雅さ、力強さなどを兼ね備えています。
○このモデルに関しても音の基調が1つ下の7N-MA7000IIではなく、2つ下のSN-MA5000IIが基調になっているように感じられます。高い解像度と情報量に拠り、丁寧な描写ですがその分少しスピード感が抑えられています。

…ということで、全モデル総じて好印象であり、核となる音の好みに共感(共通性)を見出すことが出来ました。

あくまでも個人的な好みになりますが、
安価なモデル(SN-MA1700 vs SN-MA2200II)ではSN-MA1700に軍配が挙がりました。
SN-MA1700は同ブランドの最エントリーモデルでもあり、ビギナーにもお勧めしやすいかと思います。

次いでリファレンスクラスになりますが、
中位モデル(SN-MA3000III vs SN-MA5000II)ではSN-MA3000IIIに、
上位モデル(7N-MA7000II vs 7N-MA9000CORSA)では7N-MA7000IIに軍配が挙がりましたが、…ここであることに気が付きます。
音の傾向に感じられた印象(と黒江の好み)はプラグが銀色or黒色であるという共通性が見られるということです。
(あくまで私見ということは念を押させていただきますが、)黒江的には銀色のプラグである7N-MA7000IIはSN-MA3000IIIの上位モデルのように感じられ、黒色の7N-MA9000CORSAはSN-MA5000IIの上位モデルのように感じられましたが、個人的には銀プラグの7N-MA7000IIとSN-MA3000IIIの方が好みでした。

エントリークラス
SN-MA1700 >> SN-MA2200II
リファレンスクラス
7N-MA7000II > SN-MA3000III >> 7N-MA9000CORSA > SN-MA5000II

久しぶりにRCAケーブルにお気に入りのラインナップが加わり、とても嬉しい限りです!
(そのうちKIMBER KABLEなどとも比較レポしたいと思います!)

P.S.
↑からも分かりますが、黒江の好み的にはエントリーのSN-MA1700とリファレンスのSN-MA3000IIIはかなりCP的にはお勧めではないかと思います。

黒江的 2017 – 2018 Summary Report.

水曜日, 1月 31st, 2018

遅めになりましたが、2018年最初の投稿です。

今回は表題の通り2017~2018年をサマリー(総括)して、現在の『ザ・ステレオ屋』的な状況を整理してみようと思います。
(半年に1回、少なくとも年に1回くらいはしておきたいことなのですが、これまではなかなか実践・実行できておらず初の試みです!)

とりあえずは現在のお勧め(売れ筋)を一覧させていただきます。
◎=黒江的お勧め(主に好み度がA+以上)
○=次点(イチオシには予算が足りない方など)
□=売れ筋(お勧めには入らないけれどよく売れているもの)
◇=その他(スペシャルな存在)

SPEAKER
◎Vienna acoustics [HAYDN GRAND SYMPHONY EDITION]
◎PMC [DB1 Gold]
◎ATC [SCM11](2014年4月~現在のシリーズ)
○DALI [OPTICON 1]

AMPLIFIER
◎LUXMAN [L-550AXII]
◎TEAC [AI-503]
◎ELAC [EA101EQ-G]
○Pioneer [A-50DA]

DISC PLAYER
◎LUXMAN [D-06u]
◇LUXMAN [D-08u]
◎Pioneer [PD-70AE]

D/A CONVERTER
◇CHORD [Hugo 2]
◎Pioneer [N-70AE]
◎TEAC [UD-503]
◇CHORD [DAVE]
◎LUXMAN [DA-250]

CABLE
◎KIMBER KABLE [4TC]
◎TIGLON feet.ザ・ステレオ屋 [MS-DF12A TS]
◎audioquest [CARBON]
◎KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]
◎KIMBER KABLE [RCA all Lineup]

…と各種へのコメントは再度の投稿にて書かせていただきます。

P.S.
PMC [DB1 Gold]がかなりお求めやすくなっております!
入荷数に限りがございますので、ご予約などお早めにお問い合わせください。

ザ・ステレオ屋オリジナル『MS-DF12A TS』モニタリング

月曜日, 7月 24th, 2017

表題の通り、当店オリジナルの電源ケーブル『MS-DF12A TS』(TIGLONベース)のモニタリング…いわゆるレンタルを開始させて頂きます!

モニターの条件は…
●身分証明書(免許証・保険証・社員証など)を提示いただくこと。
●往復の送料(着払い発送、元払い返送)をご負担いただきます。
 ※ただし、お買い求め頂いた際は1,000円のキャッシュバック。
●配送業者は指定不可、配送センター留め不可、身分証にてご呈示いただいたご住所以外への配送不可となります。
●送らせていただくケーブルはあくまで商品となりますので、汚されたり、傷つけられた場合はご購入いただきます。
 ※レンタル品はプロト(試作等)ではなく、量産品(完成品)ですので、そのままご購入いただいても結構です。
 ※レンタル品は正式型番:MS-12A TS 長さ:1.5m 1本となります。
★ザ・ステレオ屋リピーター様には身分証のご呈示を割愛していただける場合がございます。
…となります。

P.S.
いずれも『原則』とさせていただきますので、まずは気軽にお問い合わせください。

TIGLON MS-DF12A TS

月曜日, 7月 24th, 2017

ms_df12a_ts

今回はTIGLONとコラボレーションさせていただいた、当店のオリジナルモデルとなる電源ケーブルをレポートさせていただきます。

【ザ・ステレオ屋オリジナル!無言実行の職人気質サウンド。】

TIGLONさんとは2回目のコラボになるのですが、前作「MS-12A TS」と同様のプラグの変更に加えて今回はTIGLONさんにてチューニングを施していただくことでより当店の好みが実現できました。
当店だけの力に非ず、(音を通しての意思疎通を図れた)TIGLONさんの業にも感謝しつつレポートさせていただこうと思います。

■TIGLON [MS-DF12A]
まずは(TIGLONの)ノーマルモデルと共通のポイントを挙げていきます。
●S/N感・解像度・レンジ感などの基本的音質が良好で、しっかりとした情報量と音場も持ち合わせています。
●サウンドステージの描写は各パートの立ち位置が明確・明瞭で奥行き感に優れた“音像型”、上下左右の広がりに優れる“音場型”の中間に位置する印象ですが、(どっちつかずだからといって)中途半端なワケではなく“音像”“音場”を上手く両立しています。
●硬質さ、シャープさの強い傾向ではありませんが、付帯音や無駄な癖づけがなく、ストレートで録音に忠実な傾向であると言えます。
●スピード感は上々であり、低音~高音まで各帯域(のスピード感)が揃っている点はとても好印象を覚えます。
●(寒色・暖色など)音の温度感や色味感もどちらかに大きく偏ることはありません。(強いて言えばわずかに寒色、わずかに青味でしょうか…。)
●一聴してすぐに“クリアな傾向のサウンド”ということが言えるタイプのケーブルであり、歪み感や淀みのない清涼感・すっきり感を感じるサウンドです。
○高音の伸び、1音1音の分解能、少し重さを感じる(お世辞にも“すごく軽快”とは言えない)点には(いずれもほんの少しずつですが)改善ポイントを見出しています。

…と、ここからは↑を踏まえて、当店のオリジナル(カスタムチューン)モデルのレポートです。
■TIGLON feet.ザ・ステレオ屋 [MS-DF12A TS]
●ノーマルモデルからS/N感・解像度・レンジ感はさらに向上し、伴って様々な相乗効果が表れています。(やはりすべての源になるS/Nの向上は偉大です!)
●(少しエッジの線が太く濃く感じられて)少しだけくどかったエッジ感がシャープに、鋭利になり、伴って音の切れが飛躍的に改善されています。
●スピード感は“上々”から(「かなり」「超」までは付かないものの)“ハイスピード”になり、音の立ち上がりも鮮明になっています。
●音場が狭くなったように感じることはないものの、少し音像型の方にシフトしたような印象であり、各パートのセパレーションが改善しています。
●1音1音の分解能も非常に向上し、(ディストーションのジャギー感など)粒立ちがかなり分析的に再現されるようになっています。
●少し気になっていたサウンドの重さも払拭され、抜けのよい疾走感を得ています。
黒江的好み度:S

オリジナルモデルについては「手前味噌」に映るかと思いますが、プラグをノーマルモデルよりも高品質(高額)のものに交換したのですから(改悪される要素は少なく)当然と言えば当然の結果となりました。
(色々と並べましたが)特筆すべきは『スピード感』『分解能』『切れ(エッジ感)』『S/N感』の向上・改善かと思われます。
元々クリアさを感じられる音でしたが、そのクリアさが更に向上したことには(思いの外の結果に)驚きもありましたが、シナジー効果がことごとく(黒江の)好みの方向に働いてくれたことはオリジナルとしての展開を決心させてくれる結果に結びつきました。

強いて幾つか述べますと…
○ノーマルモデルより少し硬質気味・寒色寄りになった。
○悪く言えばノーマルモデルにあった音の濃さ・密度感が少し減退してしまった。
○切れや抜けが向上した代償で音の伸び、音の粘りなどは小さくなり、やや淡泊なサウンドに。
…といったところでしょうか。
(音の特徴は両立できないことが多いので代償は付きものですね…。)

なお、(元々のTIGLONサウンドが)比較的“シックな音”ということもあり、このMS-DF12A TSも決して派手さのある音ではないのでビビッドさや煌びやかさ、(盛ったような)鮮やかさなどは薄めのテイストとなっていますのでご注意ください。
ただ、そういった派手さや強調・主張(盛り)は無いし、狂おしいほど○○、超○○のような強い特徴があるわけでもないけれど「全体のクオリティーを確実に上げてくれる基本的音質の高さ」は正に寡黙な職人業といったところです。

…ということで、当店が聴いて判断したオリジナルモデルですので当店(ザ・ステレオ屋サウンド)をお嫌いでない方には広くお勧めしやすい商品となっています。(少々お高いのは申し訳ございません。)

試聴希望、お貸し出しなど気軽にお問い合わせください。

ネットワークオーディオ report 4 【LANケーブル編】

金曜日, 11月 11th, 2011

タイトルは異なりますが、昨日の続きです。

さて、「これにて一件落着」と思っていたのですが、もう1つ妙に引っかかります。
「NASの音と(PCとの)USB接続の音が何でこんなに違うんだろう…。」
個人的には『長いLANケーブルやハブ・ルーターを介する分、音質が低下するネットワークオーディオ』に対し、『OSやPC/Macという(音質に悪影響を及ぼす)コンピューターというハードを介したPCオーディオ』は一長一短のような気がしているので、“どちらかが極端に高音質となる”のは少し違う気がしているのです…。

これまた、ふと思い立ちます。
「そういえばルーターとNASを繋いでいるLANケーブルがものすごーくチャチなモノだったなぁ…」と。

そこで(まずはルーターとNAS間を)FRUTECHのLANケーブル『LAN-10G』とTIGLONのLANケーブル『MGL-1000L』に交換して聴き比べてみることにしたわけですが…。
(他のブランドも数種試していますが、文脈的に端折っていますのでご容赦ください。)

「…………(USBケーブルに続いて)何で?何で音がこんなに変わるの…………。」
しばらく唖然としてしまいました。

…が、よくよく考えると膨大なデータを送受信するための大動脈とも言えるケーブルなのですから、USBよりは変わることにも頷ける気がします。
(しかも、交換前のケーブルは随分前に購入したハブか何かの付属品でとってもボロな「Category 5e」に対し、『LAN-10G』と『MGL-1000L』は「Category 6a」と「Category 7」ですしね…。)
現に、LANケーブルを交換した後はNASとのやりとりのレスポンス(スピード)も飛躍的と言っても良いくらいに向上しています。
(交換前が「モッタリ」だとすれば、交換後は「サクサク」って感じです。)

ただ、やっぱりそれでも納得できないのは「音質(特に情報量・S/N感・解像度)が向上するのはともかくとして、音の傾向やバランスが(ケーブルのブランド毎に)変わる」ことです。
USBケーブルの時と同様に、LANケーブル(内)で高音や低音、シンバルの音やディストーション、クラッシュやシャウトを選り分け(聴き分け)られるはずもないのに、こういった1音1音の出音がケーブルごとに異なるのです。

…ので、“納得できない”とは言いつつも、特に気に入った2本を軽めにご紹介してみます。

■FRUTECH : LAN-10G
『同社のUSBケーブルやロジウムメッキACプラグのような、シャープさとキレ、スピード感。』
●やや明るめで、スパッとした鳴りです。
●低域はタイト、高域はややキラキラ(ギラギラとも言えるかも)とした輝度の高いタイプ。
●ハッキリ、クッキリの明瞭系。
●音場はやや広めな感じです。
●バッと前に向かって来るサウンドですが、鳴りっぷりが良いという傾向ではなく、スピードとキレで突き抜けるような傾向。

■TIGLON : MGL-1000L
『S/N感・解像度・情報量が高く、中庸で堅実なサウンド。』
●(LAN-10Gなどと比べても)頭抜けてS/N感が高く、曲中の静寂感や微弱音が非常に繊細に再現されています。
●LAN-10Gよりもトーンは落ち着いた感じ(暗め)で、スピード感も中速。
●低域はやや(濃く・太く)厚めで、ガチっとした輪郭を描くタイプではありません。
●高域の分解能は抜群と言っても良いと思います。(若干、伸びが足りませんが…。)
●音場はやや狭い感じです。
●音の傾向は少し控えめですが、安定感が高くてバランスも良く、定位感も良好です。

…と、要約すると(双方ニュートラルに限りなく近い前提で)「キレやスピード感に長ける(やや)ライブなLAN-10G」と「解像度やS/N感に長ける(やや)デッドなMGL-1000L」といったところでしょうか。
(同じく双方ニュートラルに限りなく近い前提で、ややコールド[寒色系・硬質系・無機的]寄りなLAN-10G、ややウォーム・ホット[暖色系・重厚系・有機的]寄りなMGL-1000Lとも言えるかもしれません。)
ただし、双方ともに黒江が採用を決めたくらいですので、基本的には「ゆるゆる・もったり・味や化粧の濃い」傾向ではなく、モニター的なサウンドであることには間違いありません。

…で、なぜ2本いっぺんに紹介したかと言いますと「どちらか一方に決められなかった」ので『これらをハイブリッドして使用するのがベスト』という結果となったためです。
なので、結果的には「LANハブからPCへはLAN-10G」を用い、「NASとLANハブの間はMGL-1000L」を用いて、両者を足して2で割ったサウンドで落ち着いています。
(MGL-1000Lが高いから短くて済むところに入れたのは内緒です!笑)

くどいようですが、USBケーブルといいLANケーブルといい、(こんなに音が変わること自体)黒江自身がなんだか未だに理解できないのですが、変わるものは変わるので自信を持ってオススメしたいと思います。
僕と同様に“疑って仕方がない”という方にはお貸し出しなども出来るものがございますので、まずはお問い合わせください!

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 7 【USBケーブル結論編】

水曜日, 9月 28th, 2011

前回の続きです。
(『USBケーブルで音が変わるのか?』については前回のレポートで言及していますので、そちらもご覧いただければと思います。)
今回は表題の通り、“黒江的USBケーブルの決定版”をレポートしたいと思います。

まずは…

audioquest [CARBON]
【S/N感・解像度が高く、すっきりとした見通しのハイCPモデル。】

前回のレポートで紹介したaudioquest [CINNAMON]を聴いて、『理由・理屈・理論は分かりませんが』USBケーブルによって音質に圧倒的な違いが生じることが分かりました。(もちろん、それまでに聴いていたaudioquest [CINNAMON]以外の安価なケーブルでも音に違いがあることは感じ取っていましたが「圧倒的」と書いた通り、付属のケーブルを基準とした場合に於いて音の質の向上はもちろんのこと、『音色を変える(与える)ことで良くなった気がする』といった疑わしい要素が感じられなかったことが大きかったです。)
それではと同audioquestのもう1つ上位のモデルであるCARBONを聴いてみることにしました。

●基本形は癖の少ないクリアなサウンド傾向、強いて言えばわずかにウェット。
●それまで、PCオーディオ/USBオーディオの限界なのでは?…と感じていた「スピーカーの表面に音が貼り付いて剥がれてこない」といった印象から一変、スッと音が体(耳)を通り抜けるようなサウンドに。
 (今まで聴いてきたサウンドを「ベタベタ」とすると、「サラサラ」になったという感じです。)
●全体のヴェール感が2枚も3枚も取れたように透明感が向上し、1音1音や微弱音までが鮮明に聴き取れるように。
●高音はスッと高く伸び、低音は(量感はやや抑え気味ではあるものの)しっかりと出てキチッと収まりの良いサウンドに。
●帯域バランスは非常にきれいで(黒江的には)フラット、キレッキレではないものの、抜けやS/N感の高さでスピード感もかなりの上々。
●音場感は(上下左右に)やや広がりがありますが(もっと広いものがあり)広すぎず、個人的にはこの点も好印象。(広がりすぎるものは好きではないので。)

…と、もちろん、基本的には黒江が好む『シャープ&タイト&ハイスピード系』なのですが、特筆すべきは高いS/N感だと思います。
(結構な高額のモデルまで聴き比べましたが、これ以上(同等はあっても)にはまだ巡り会っていないかもしれません…。)
とにかく(僕だってUSBケーブルで音が変わるなんて「ある意味今でも」信じてませんでしたけど)、はじめて「これならぜひ導入したい!」と思ったケーブルです。(もちろん、実際に買わせていただきました。)
(※セールスポイント的には0.75mなら定価12,600円、1.5mなら定価16,800円と特に1.5mを必要とされる方には非常に高いCPが得られると思います。その他、audioquestのUSBケーブル・HDMIケーブルは軒並みCPが高いですね。)

…が、実はもう1つ、すごいケーブルに行きついてしまいました!

KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]
【HIGH SPEED and AGGRESSIVE SOUND !!】

このサウンドを聴くまでには随分と時間が掛かり、ドラマがありました…。
黒江が好きなKIMBER KABLEですから、もちろん期待はしていましたが同社の電源ケーブルのように黒江的には“大ハズレ”になる予感を抱きつつも、まずはお借りして聴いてみることに…。
USBケーブルにはCu(銅)とAg(銀)があるようですが、ラインケーブルと同等の傾向であればCuの方が“より”好みなはず。…と、まずはBBUS Cuの手配をお願いします。

数日後に届いたCuモデルを聴いてみたところ…………正直、微妙です…………。
音にパンチがあり、パワフル、見通しも良好…と、決して悪くはないのですが、今1つすっきりとしない印象です。全体的に音が太めだし、そのせいかちょっと鈍足気味ですし、やや暗い感じもします。
「うーーーーん。はぁー。」…と、ちょっと落胆しましたが、「んんんん?待てよ?」と思ったわけです。「CuのウィークポイントはAgなら解消されるかも?!」…と、早速Agモデルをお願いしてみます。(って、本当は両方同時に来るはずだったんですけど手配ミスがあったんです…。笑)

更に数日後に届いたAgモデルを聴いてみたところ…………正直、すごいです!

●基本形は癖の少ないクリアなサウンド傾向はCARBONと共通、こちらも少しだけ艶やかな感じがあります。
●CARBONに比べると音場は狭く、広がり感は望めません。
●やはり低域はモリモリの量感ではなく、少し抑え目。
●音のキレ・粒子感・分解能は抜群・秀逸。(シンバルのジャリジャリ感・ディストーションのザラザラ感が最高です。)
●S/N感はわずかにCARBONに軍配が上がりますが、奥行き感・スピード感はsilver USB (B BUS Ag)が圧倒です。
●低域の輪郭やスティックやビーターのアタック音、巻き弦の歪み・粒立ちと尖った(ピーク)サウンドの再現力が秀逸です。
●フォーカスが非常に良好で、各パートの定位感も抜群だと思います。

…と、USBケーブル1つでこれだけのサウンドが出ることに驚いてしまいましたが、とにかくイチオシのケーブルです!(もちろん、こちらも買わせていただきました。自宅でもお店でも2つを使い分けています。)
(※セールスポイント的にはCARBONに比べるとあまり大きなことが言えず、1.0mが定価18,900円、1.5mなら定価28,350円とちょっとお高め…なので、1.0mで足りる方にオススメしたいです。)
『ちなみに、KIMBER KABLE [silver USB (B BUS Ag)]は限られたショップでしか取り扱っていないので、ぜひ(当店:ザ・ステレオ屋)にお問い合わせください!』

オマケの見出しとして、
【アグレッシブならsilver USBを、オールラウンド&スタンダードならCARBONがベスト。】
【コストパフォーマンスは1.0mならsilver USBに、1.5mならCARBONがベター。】
とも書いておきます。

黒江以外にも「USBケーブルで本当に音が変わるの?」「どのくらいのを買っておけばいいの?」という方が多くいらっしゃるかと思いますが(『黒江的サウンド』でよろしければ)、この2つの決定版のどちらかをお求めいただければと思います。
(もう少しお安いモデルだと、前回のレポートのFURUTECHや最近発売されたMONSTER CABLEなどもお勧めです。※MONSTER CABLEは後日にレポートを少し書く予定です。)

P.S.
しかし、USBケーブルでなんで音が変わるんでしょうね…。

黒江流『PCオーディオ/USBオーディオ』のススメ report 6 【USBケーブル編】

水曜日, 8月 31st, 2011

大減速気味の連載ですが、今回からは総括として機材の方をご紹介させていただくことにしました。

…って、前回の最後で『黒江的に』絞り込んだラインナップはすでに察していただいたことと思いますが…。

【なぜ音が変わるのか、ハッキリ言って分かりませんが効果絶大のUSBケーブル!】

まずは[USB CABLE]です。
見出しの通りではありますが、電源ケーブルと同じくらいかそれ以上に「なぜ音質・音色(傾向)が変わるのか本当に不思議」です。
まず、USBケーブルはPC/MacからUSB-DACへ『データ』を送っているに過ぎません。

この際、送られているデータを「例えば0.1秒間分だけ取り出して並べてみた」とします。
すると…
『0010100011101010010101101101010110101111101010110111010111010101』
…このような感じでデジタルのデータが流れているわけです。
(実際はもっと多いですし、低ビットレートのMP3と高ビットレートのFLACであれば、同じ0.1秒間でも送られているデータの量が100倍くらいの差になることもあります。)

…で、みなさんは(例えば上記の様な)このデータだけで(それが必ず何らかの音楽(音声)データだとしても、)MP3なのかWAVなのかWMAなのかFLACなのか、ビットレートがどのくらいであるか分かりますでしょうか。(少なくとも僕には分かりません…。)

つまり、データとして送られている時点ではまだ“音”ではなく、ただのデータなのです。

踏まえて、話を元に戻します。

「なぜ音質・音色(傾向)が変わるのか本当に不思議」なのですが何よりも一番不思議なのはUSBケーブルによって低音の量感が上がったり、高音がより聴こえることがあることです。
アナログの音声信号を送っているのであれば、導体のインピーダンスやわずかな抵抗値、外来からのノイズや物質的な振動係数などで多少の変化が生じる可能性はまだあると思います。(それでも僕は理論的に、科学的には証明できませんが。)
しかし、USBケーブルは(まだ高域も低域もない)データを伝送しているだけなのに明らかに聴こえてくるサウンドのイコライジング(周波数帯域の山)がUSBケーブルによって違うのです。

これでは『USBケーブルは自分が流しているデータを解析・分析して、低域・高域に分けていることになる』わけです。(んなこと、あるわけないんですが…。)

…なので、ハッキリ言って「USBケーブルで音が変わるなんて、(特に低音や高音が強調されたり減衰するなんて)理論的にはありえません。」が、変えてみると音が違うので非科学的でも構わないという方だけこの先をお読みください。(笑)

(もう随分経っちゃいましたが、)聴いてみたのは…
FURUTECH・ortofon・Fostex・Zonotone・SAEC・ACOUSTIC REVIVE・WIRE WORLD・NORDOST・MONSTER CABLE・audioquest・KIMBER KABLE・etc….
…と、主要な国内外ブランドはほぼ全て(全モデル)です。

最初はFURUTECH [GT2]が(黒江的には)申し分のないサウンドでリファレンスに決定しかけていました(高価なモデルも色々と聴きましたが、好みと異なるものばかりで…)が、
audioquest [CINNAMON]を聴いたところから(黒江のベストセレクトは)一気に動き出すことになります。

気に入ったものだけ手短に書いてみますと…

FURUTECH [GT2]
いわゆるクリア系。サウンドが曇らず、立つところは立ち、キレが良いのが初期ベストの理由です。
やや高音がギラ付いてウェットな点、S/N・解像度・抜けといった基本的な音質の水準、低音の丸みが気になりますが比較的安価なので初めての1本には最もオススメしやすいです。

audioquest [CINNAMON]
こちらもクリアではありますが、クリア系を主張するような「白よりも白い」感じではなく、自然な透明感。バランスもきれいで癖が少なかったのでGT2と良い勝負になりました。
GT2に比べるとやや高域がさみしい点とスピード感やキレがもう少し欲しいところです。

…続きます。

ザ・ステレオ屋オリジナル『MS-12A TS』モニタリング開始します!

月曜日, 11月 2nd, 2009

表題の通りですが、当店オリジナルの電源ケーブル『MS-12A』(TIGLONベース)のモニタリング…いわゆるレンタルを開始させて頂きます!

モニターの条件は…
●身分証明書(免許証・保険証・社員証など)を提示いただくこと。
●往復の送料(着払い発送、元払い返送)をご負担いただきます。
 ※ただし、お買い求め頂いた際は1,000円のキャッシュバック。
●配送業者は指定不可、配送センター留め、身分証にてご呈示いただいた以外への配送不可。
●送らせていただくケーブルはあくまで商品となりますので、汚されたり、傷つけられた場合はご購入いただきます。
 ※レンタル品はプロト(試作等)ではなく、量産品(完成品)ですので、そのままご購入いただいても結構です。
 ※レンタル品は正式型番:MS-12A TS 長さ:1.5m 1本となります。
★ザ・ステレオ屋リピーター様には身分証のご呈示を割愛していただける場合がございます。
…となります。
いずれも『原則』とさせていただきますので、まずはお問い合わせください。

モニタリング開始を記念して、オリジナルの「TIGLON MS-12A」とのvsレポートを掲載します。
【CPにこだわったオリジナルvsオリジナルの弱点を払拭したTSモデル】
(TIGLONさんのご理解を得て、)かなりストレートに書かせていただきます。
『以前のレポートの通り、同価格帯の他のモデルに比べれば既に非常に魅力的である前提ですが、』
TIGLONオリジナルは…
●ややレンジが狭い。
●わずかにこんもりしている感がある。
●決して鈍足ではないが、少しスピード感に欠ける。
●抜け、切れ、音の収束感、エッジの明瞭感がもう一歩。
●それでもCPは抜群で、(特にあえて用意したのかな?)1.2mモデルなどはかなりのお買い得感。
…といった印象だったので、それならっ!…と今回のプラグ変更をすぐに閃き、実践したというわけです。

採用したFURUTECHの「FI-28 R&FI-28M R」は、とにもかくにもS/Nが高いので…
●更なるS/N感の向上で、音像・音場ともにすっきりと見通しが改善されています。
●エッジが尖ったり、立ったり、鋭利になっているわけではないのですが、分解能が向上して明瞭になっています。
●S/N感の向上と同義ではありますが、付帯音(音の贅肉感)が落ち、立ち上がりや切れの向上に繋がっています。
●かといって、(基本の線材や構造に変更はありませんので)芯が細くなったり、弱々しくなることもありません。
●これらの相乗効果として、レンジ感が向上し、やや音場が広くなり、音像定位がより良くなっています。
…と、(普段からあまりベタ褒めするタイプではありませんが)オリジナルの『ちょっと気になった点』は見事に改善・払拭されていると思います。

今一度、誤解の無いように書いておきますが、あくまで『ザ・ステレオ屋(黒江)的』な好みとしてです。
決して万人受けする傾向ではないと思います。(無着色・無脚色=ニュートラル・フラット・モニター系にはそこそこ健闘してくれるとは思うのですが…。)
他のエントリーなども参考にしていただき、好みが合いそうな方はぜひお声を掛けてください。

既に当店のサウンド傾向をご周知のユーザーさんへは、ザ・ステレオ屋(黒江)の自信の一作です!ぜひお試しください!

ご連絡お待ちしております。

商品のお問い合わせ/ご注文/その他は黒江直通メールにてお願いします。
manager@digitalside.net

TIGLON MS-12A ザ・ステレオ屋 Edition 発売!

火曜日, 10月 20th, 2009

お待たせいたしました!

タイトルの通り、兼ねてから予告をしておりました【ザ・ステレオ屋オリジナル】第1弾の電源ケーブルを発売します!

ブランド名:the stereoya (TIGLON)
型番:MS-12A TS (1.5m)
価格:36,000円(税込)
※価格は直販価格の金額となります。楽天やYahoo!では37,800円の予定です。
※ご希望の長さにて対応可能です。お問い合わせください。
※通常納期はオーダーを頂いてから3営業日となります。

発売を記念して、KIMBER KABELE 4TC自作ケーブルとのサウンド比較をレポートします。
(MS-12Aオリジナルとの比較は以前のエントリーをご覧ください。)

【『4TC』がMS-12A TSよりも『優れている(好み)』と感じた点】
◆チャンネルセパレーション(ステレオ感)が良い。
  これは4TCの方が音の粒(口の大きさや音の輪郭)が小さいことにも通ずる点で、
  4TCの方がピンポイントに音が現れ、『点』という印象を持ちました。
  音の粒(音の輪郭)が大きいと、隣接・近接する音同士が被ったり、
  重なる面積も増えてしまうため、音がまとまりやすく、結果としてステレオ感が減退する傾向のようです。
◆やはり高いスピード感。
  荒っぽいとも言えますが、ノンシールド・導体の線数の少なさ(シンプルさ)などが影響しているのでしょうか、
  (悪くも取れますが)溜め・引っかかりの皆無なサウンドは、直線的に、刺激的に切れ込んできます。
◆とにもかくにもあっさり・さっぱりとしたサウンド。
  今回のMS-12A TSにも採用している通り、FURUTECHのプラグは抜群にS/Nが高いのが最大の魅力です。
  この『FI-28 R&FI-28M R』を使用すると4TCもかなり高いS/N感となり、
  贅肉の一切無いスリム&タイトサウンドは硬質でハイスピードなジャンルには欠かせない要素です。

【『MS-12A TS』が4TCよりも『優れている(好み)』と感じた点】
◆何と言ってもS/Nの高さ。
  「黒江的感覚」ですが、僕は…
  『S/Nはそのままで情報量が高くなると、音量が大きくなったように聴こえ、』
  『情報量はそのままでS/Nが高くなると、音量が小さくなったように聴こえる。』
  …もの(一概ではないですが、多くは)と考えています。
  まず4TCを聴いた後に、このケーブルを聴いた時、
  正に「音量が下がった=荒っぽさが無くなった=クリアになった」と感じました。
  前述の通り、4TCもプラグを同等のもの(FI-28 R&FI-28M R)にすることで僅差にはなりますが、
  聴き比べると『音の埋まっていない(鳴っていない)スペースの静寂感』などに明らかな違いを感じることが出来ます。
  また、S/Nの高さは『音』そのものにも影響を受けていて、少々ギザギザ感のある4TCに対して、
  MS-12A TSは整っていて、且つ安定感があり、切る度に少し表情が変わる4TCと比べて、
  MS-12A TSはどこで切っても同じ表情の金太郎(飴)といった印象です。
◆高い解像度。
  特に低域が顕著ですが、ややローカット気味の4TCと比べると『1段深く低音が沈み込む』印象です。
  (4TCが浅いのではなく、MS-12A TSが非常に優秀とも言えますが。)
  かといって、低音が唸ったり、暴れたりすることがなく、きちんと制御されているといった感じです。

【どちらが良い悪いではなく、総合的に感じたこと。】
◆『点』のインパクトが秀逸な4TC/『面』のインパクトが秀逸なMS-12A TS
  キーン・カーンといったカップ打ち(シンバルの中央(芯)付近を叩く音)などは、
  鋭利・鋭角な4TCの方がリアルに聴こえますが、
  スネアやバスドラのインパクト音は明らかにMS-12A TSが鮮烈・明確にリアルなサウンドです。
◆歪めば歪むほど細かいザラザラ感が活きる4TC/ピッキングのタッチも正確なMS-12A TS
  ひょっとしたら録音されている音よりも歪んでしまっているのかもしれませんが(笑)、
  4TCの荒っぽさが活きてくる面も。
  MS-12A TSは4TCに比べれば歪み感が抑えられているようにも聴こえますが、
  ピッキングの加減なども正確に感じますし、音の表面のディテールが細かく見える印象です。

【MS-12A TS お勧めポイント】
今まで色々なケーブルを試してきましたが、粗すぎず、抑えすぎず、シャープすぎることもなく、鈍足でもなく…と、
かなりニュートラル感・バランス感の良好なモデルであると自負しています。
オリジナルのMS-12Aを聴いた時「S/Nがもう少し良くなれば、相乗効果で気になる点も改善されるのでは?」と、
感じていた点がものの見事にクリア出来ていたのでよかったです。

同価格のケーブルと比べた場合、勝手な基準ですが…
S/N感:◎
スピード感:○
帯域バランス:◎
シャープ・タイト感:○
硬質感:○
軟らかさ:△
マイルド感:△
重厚感:△
輪郭・切れ:○
音場:△
音像:○
…と、硬質感などを例にするなら、「緩くはないけど、もっとシャープなケーブルはある。」といった感じです。
メタルはもちろん、ロック・ポップス・ハウスやクラブなどなど10代~30代を中心リスナーに持つ音楽ジャンルにお勧めです!
初回入荷数に限りがございますので、お求めはお早めに!

P.S.
もちろん、僕がイケる!と思って実現させたことですから自信はありますが、万人に好評だとは思っていませんので
このレポートをよくご覧いただいてご購入いただければと思います。
(非常に高価なプラグを使用していますので、お買い得感はあるかと思います!)
あ、そうそう、オリジナルは1.2mと1.8mの2種類なのですが、1.2mだとラックの上部に届かなかったり、
1.8mだと(ケーブルがやや硬めですし)長すぎて持て余したりしてしまったので1.5mという「絶妙な」長さもイチオシポイントです!(笑)

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KIMBER KABLE 4TC vs NORDOST WYREWIZARD SPELLBINDER

火曜日, 9月 29th, 2009

本来は先日ご紹介した『MONITOR AUDIO RX1』のその後のお話を…と思っていたのですが、その過程でタイトルにある2種類のケーブルの聴き比べに思わず没頭してしまったので、先にレポートさせて頂こうと思います。

【ハイスピード頂上決戦?分解能の4TC vs 輪郭のSPELLBINDER】

先に述べておきたいのは、上記にもある通り、双方共にハイスピードであるということです。
加えて「輪郭のSPELLBINDER」と書きましたが4TCの輪郭も当然、しっかりとしています。
価格は1mあたりでKIMBERが5,250円、NORDOSTが1,260円とこの差は大きい!(4TCは以前は4,000円くらいだったのです。)
その上での解説となります。

【4TC】
●S/N感・音抜け・解像度などなど、どれを取ってもさすがに1枚上手です。
●何より頭抜けてリードしたのが分解能。音の細かさ、粒子感は大袈裟に言えば「4TCを砂粒とするならば、SPELLBINDERは石ころ」とでも言えるくらいに『SPELLBINDERが粗いのではなく、4TCの粒子感が細かい』のです。
●音の切れ、エッジの鋭さ、歪みの乗り方もやはり1枚も2枚も上手。
●ただし、非常に質素というか、無機質というか、響きや余韻も(録音されているものよりも)削られているかな…?と思うほどに華やぎの無い傾向です。

【WYREWIZARD SPELLBINDER】
●さすがに僕の大好きな単線(導体が1本だけ)のサウンドで、インパクト音・アタック音が明瞭でストレートに音を放出しくる傾向です。
●音の切れは「切れてはいるけど4TCに比べるとやや滑らかな切れ」といった印象。(4TCが直角カーブならSPELLBINDERは丸い急カーブ。)
●エッジも「鋭利な感じではなく、輪郭線の太い」という印象。
●歪みの乗り方は4TCでは明確に聴こえる「ディストーションが、『ほんの僅かに』オーバードライブより」といった感じ。
●輪郭もシャープ、低域もタイトで、メリハリがあって明るめで「テンションが高めの音」とか「ハジけた感じのサウンド」なんて言い方がハマりそうです。
●スピード感はわずかにWYREWIZARD SPELLBINDERの方が優勢かな…?
●ただし、(僕の基準からすると)音が全体的に膨張気味(付帯音というか、ベールが掛かっているというか、皮の厚い音というか)で芯も太く、鈍く響くような傾向があります。
●それでも、数々の(黒江的には)使えないSPケーブルの中においては優秀ですし、ロック/ポップ/メタルに使える1本として堂々のラインナップ入り決定には間違いありません。
●なんたって、見た目も細身でシンプルでカッコいいし、価格も手ごろではないかと。

【結論】
さすがに4TCは良いです!が、CPはWYREWIZARD SPELLBINDERの方が良いと判断しました。
なお、4TCの利点は音数が多ければ多いほど、歪みが強ければ強いほどリードする傾向ですので、ご予算や一番よく聴くジャンルに合わせてセレクトしていただければと思います。

P.S.
まだ未確認ですが、WYREWIZARD SPELLBINDERは6Nとか7Nじゃないのかな…?と思うのです。
(僕は)「膨張気味」と捉えた音の音色が濃厚になったり、艶が乗って(わずかに)ギラギラしたような感じが、何ともそう思えて仕方がありません。
4N~5Nくらいで作ってくれないかなぁ…。

あ、『WYREWIZARD SPELLBINDER』はザ・ステレオ屋でご購入いただけます!(メールください!)

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