Archive for the ‘レポート:アンプ’ Category

Pioneer A-70 [postscript]

水曜日, 11月 21st, 2012

(採用にあたり条件付きながらも)数年ぶりに『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』の座を射止めた「Pioneer A-70」ですが、当店のユーザーさんからも一様に好評をいただいておりますが、ぽつぽつと購入された方、ほぼ購入決定の方も増えてまいりましたので前回に書ききれなかったことを幾つか追伸させていただきます。

●USB接続やデジタル入力でのサウンド
原則的には前回のレポートの通り、「ハイスピード・クリア系・硬質傾向・エッジ感・キレ」といった“アンプのベーシックなサウンド”を感じさせますが、DACを経由するためかややサウンドに変化(エッセンス・スパイス)が乗っているようです。
USBやデジタル接続時のサウンドは(ライン入力時に比べ)「ややおとなしく、平面的」といった印象で、きれいではあるのですが少し棘が取れて丸くなる傾向なのでUSB接続などをメインに検討されている方はご注意ください。(スピードやキレも少し落ちます。)

●BASSの絞り加減
前回は“9時半~10時”と書かせていただきましたが、少し大げさでした。(ごめんなさい。)
(黒江的)ベストは“10時~10時半”あたりで、繋げるスピーカーの元々の低音量によって9時半や11時あたりをお好みでお使いいただければと思います。
(BASSのデフォルトはセンターの12時ですが、11時あたりで一気に低音が減衰するので試聴の際は「大体○時で」などと適当にせず、ぜひ微調整をしていただければと思います。)

●A-50との違い
「A-70とA-50の主要な部分は共通」とのことですが、実際に同時比較試聴を行った結果、(少なくとも黒江には)「とても同じようなサウンドには聴こえなかった」ので、「A-70のレポートや評価を見聞きしてA-50を購入するのは(A-50が良い悪いではなく違ったものなので)回避していただくのが賢明と思います」ということを今一度、明言させていただきたいと思います。
(「A-50とA-70は似たような音だけどA-50の方が安い分、やっぱり少し粗いかな…とか、解像度やS/N感に劣るかも」程度の差であれば、そう書かせていただきますので…。)
…ですので、(予算的に)A-50を検討されている方は必ず試聴していただければ幸いです。(できたらA-70との比較試聴もしてみてください!)

●サウンドの捕捉
(前回は特筆し忘れてましたが)S/Nが非常に高いのもポイントの1つで、何も再生していない状態の“無音時”に於ける(スピーカーから「スッー」と小さくノイズが聴こえてくる)残留ノイズもほぼ皆無であり、(音が出ている間は)その無音の空間に(次から次へと)ポッと音が浮かび上がってくるのが目に見えるよう、手に取れるような高い音像感も持ち合わせています。
逆に「1音1音の芯や肉付きはやや華奢な傾向」であるため、TEAC AG-H600や(旧機種の)PRIMAREのような“エグってくる感”はあまり持ち合わせておらず、“鋭利感”はあるけど“暴力的”ではないといった「無骨なマッシブさ、マッチョさ」は求め辛いかもしれません。(低音を上げれば少しカバーできますが…。)
とは言え、女々しいサウンドのアンプではありませんので、アグレッシブなジャンルをお好きな方も安心してお求めいただけると思います。(これで聴くSliPKnoTがめちゃくちゃ気持ちいんです…。)

…と、とにもかくにも(いい加減しつこいのはわかっていますが!笑)、条件付きであれば“黒江的サウンド”の間違いない今年(ここ数年)のベストアンプです。
しばらくは『ザ・ステレオ屋リファレンスアンプ』として長めの付き合いになりそうなので、ぜひ皆さんにもご検討いただければ幸いです。

Pioneer A-70

木曜日, 11月 1st, 2012

新製品時期ということで立て続けになりますが、ようやく巡り会えた『ザ・ステレオ屋NEWリファレンスアンプ』を今回はレポートさせていただきます。
(2つ前のエントリーではモニターの黒江的ヒット「DB1 Gold」をレポートしています。)

訳あってちょっとしたストーリー仕立て&毒舌の応酬となっておりますが、最後まで暖かい目で読んでやっていただけると幸いです。(Pioneerさん、気を悪くさせてしまったら申し訳ございません…。)

【その豹変ぶりは、まるで“みにくいあひるのこ”?!】

「はじめまして」…と開封された新しいアンプを見て、無意識の内に「半端なくカッコ悪いな」…と、口をついてしまったくらい(個人的には)最低クラスのデザインであり、その第一印象は最悪のまま試聴に入ります。

いつものようにチャチャッと繋いで、パパッといつもの曲を聴いた直後、(外観と同様に)無意識の内に口をついていました。
『なんなの?この低音域の狂ったようなバランスは』…と、そのくらい低音が耳につくバランスの悪さです。(もっとひどいものもありますが、N-50の“とっても好きだった”テイストを期待していたあまりにそのガッカリ感が半端なかったのです…。)

ふと、(Pioneerさん社内でのテストか、雑誌社さんか、他店さんなどで聴かれていたのかもしれないと思い、)「ひょっとしてイコライザーいじった状態になってない?」…と、(アンプのそばに居た)弟分にたずねます。

「いえ、つまみ位置はセンターですし、(EQなどをバイパスする)ダイレクトがオンになっています…。」
「えー、マジかよ。これが(このアンプの音作りをした人が思う、周波数帯域が)フラットなのか。」…と、首をかしげながら様々な考えを巡らせます。
「待てよ?これがまだ試作機で、このトーンコントロール(イコライザー)が間に合わせの物とかかもしれないよ?」…と、今度はPioneerさんに念のための確認をお願いします。

数分の電話の後、「今ここにあるのは、ほぼ量産品とイコールで間違いないようです…」とのこと。
「うわー、デザインも野暮ったいけど、音も野暮ったいなぁ。デザインにも音にもセンスが感じられないよ…。」なんてボロカスに言いたい放題のわたくしです。(陳謝)

…と、ここまでわずか数分。まだパッとしか聴いていませんでしたので(特徴をしっかりと把握するために)今一度の試聴です。(もちろん、すでに半分“心ここに非ず”の状態で。)
やはり低音が気になります。…が、(低音にばかり気を取られるくらい)気になる低音を一旦(耳の中で)削除して聴き始めたとき、(推理物を解決するときのような)閃きを覚えたのです。
『これ、低域以外はかなりいいセン行ってるかも…。』
…となれば試すことは1つです。

『ちょっとイコライザー(EQ)でBASSを絞ってみて!』
…当然と言えば当然なのですが、EQ特性がおかしいと思ったのなら、EQで調整してあげればよいのではないかと。
(ただ、僕自身も然りですが、オーディオユーザーの多くはこの“EQをいじる前提でアンプを選ぶ”ことを好ましく思わない傾向にありますので、やや抵抗感のある方法ではあるのですが。)

…ということで、ここからはいつものレポートです。ただし、BASSを絞った状態でのレポートとなりますのでご注意ください。

■Pioneer [A-70]
●いわゆる“ハイスピード系”であり、S/N感・分解能が高く、音の立ち上がりがスピーディで明瞭、1音1音のエッジも明確でキレのあるサウンドです。
●(黒江の好む)ピークを丸めないストレートなサウンドであり、ディストーションのガリガリした刺々しさ、シンバルのジャリジャリとした硬質感などがしっかりと再現されています。
●サウンドは寒色系、硬質系ですので「聴き疲れる」「キンキンする」「耳鳴りがする」など、好ましく思われない方も多くいらっしゃる傾向ですのでご注意ください。
●ディストーションギターやベースの巻き弦をピッキングする際の(ピッキング)アタック音、スネア・バスの(特に皮をピンと張った)アタック音なども得意分野であり、ステレオ感も(押し付けがましいセパレーションではなく)高いので、ディストーション&フランジャーサウンドなども絶品です。
●上下左右の音場・サウンドステージに広がりのあるタイプではありません。前後の奥行感は良好で(先日のDB1 Gold同様に)眼前に迫りくるというタイプではありませんが、しっかりと明瞭に前方に定位するサウンドです。
●ボーカルはやや無機的ではありますが、音像(口もと)がやはり明瞭で、シャウト系ボイスの歪みは抜群です。(低音デスボイスやグロウルはやや軽い感じになる印象です。)
黒江的好み度:S (BASS DOWN)
黒江的好み度:C- (DIRECT)

…と、久しぶりに黒江的には『ほぼ完璧なサウンド』のアンプが登場してくれました。
(ここまで高く評価したのは1つ前が「ONKYO A-7VL (ただし同軸デジタル接続時のサウンドのみ)」だったので、奇しくも「条件付き」の推奨ではありますが。)
振り返ると条件無しに(ここまで強く)オススメしていたのがもう5年くらい前の「TEAC AG-H600 (すでに生産完了)」でしたので、本当に待望のアンプとなりました。
アンプで悩まれている方はぜひご検討いただければと思います。(ルックスとEQをいじるのが許せるなら!笑)

ちなみに、BASSは通常(DIRECT)が時計の短針の12時ですが、黒江の推奨値は時計の短針が9時半~10時くらいのポジションです。(10時半~11時とお好みのポジションを探してください。)
当店以外で試聴される方も、ぜひBASSを調整して(DIRECTをオフにして、BASSのみを下げて)聴かせてもらってください。(他店さん、ご協力お願いします。)
なお、DIRECTをオンにするとS/N感や解像度が一段向上するものが多いですが、(幸いにして?)A-70はそこまでの変化を感じられなかったので、BASSを下げての常用でのデメリットは皆無であるとお考えいただいて結構です。

P.S.
BASSを絞って聴き始めた瞬間、さっきまでの悪態が一変「スゲーよ、このアンプ。めちゃくちゃいいじゃん!」と歓喜の連続だったことはご想像の通りです。(Pioneerさん、許してください。)
あらためて見るとルックスも無骨でなかなかいいんじゃ?
(デザインそのものはそこまで嫌いじゃないので)黒江的にはブラックモデルだったら全然ありなんですけどね。
Pioneerさん、デフォルトでBASSを下げて、ブラックボディ(インシュレーターもブラック)の“ザ・ステレオ屋Ver.”を出しませんか?!

最後に…弟機のA-50は「A-70とは印象の異なるサウンド」でしたので、「クラス下だから大体似たような音が出るだろう」という推測ではご購入されないようにご注意いただきたいと思います。

Pioneer A-30 & PD-30

水曜日, 8月 29th, 2012

少し間が空きましたが、久しぶりにレポートを書きましたので更新いたします。
(宣言していた“アナログ系レポート”ではないので恐縮ですが…。)

【ビギナーにオススメしたい、ちょっと無骨な入門機!】

N-50のヒット(当店的には音的にフィット)で波に乗りそうなPioneerさんから(エントリークラスとはいえ)オーディオ機が立て続けに登場していますが、パイオニア関係者曰く「N-50の音決め(軟らかい傾向・シャープな傾向など、サウンドの傾向を決めること)を担当した者が今回のアンプやプレーヤーも音決めしています。」とのことなのでそこそこの期待を持ちつつの試聴となりましたが、感想は(見出しと下記のような)こんな感じになりました。

先に結論から申し上げると、以前にご紹介した
■[Aura vivid & vita]
http://www.digitalside.net/?p=667
と同様にセットで組み合わせて使用していただくことをお勧めします。

理由は「vivid & vita」の時と同様に帯域バランスなどが(上下セットで)程よくなるためなのですが、以下にそれぞれの特徴を挙げていきたいと思います。

■A-30 (アンプ)
●全体的にやや抜けが悪く、低域がやや強め(盛りめ)なので少しゴワッとした印象を持ちます。
●いわゆるパワー系であり、音の噴き出しは良好でドライブ感の高いパワフルな感じの(逆に言えばキレキレの、シャープ系なハイスピードではない)“やや”ハイスピードサウンドといったところです。
●1音1音はタイトで低音も輪郭はまずまずの明瞭さを持っていますが、(価格的に仕方のないことですが)総じてS/N感の不足や全体的にヴェール感や混濁感を少し感じ、これが「ゴワッとした印象」などにも繋がっているようです。
●全体的に音場の見通しが悪く、お世辞にも“スッキリとしたクリアなサウンド”とは言えないという印象です。
●ダイレクトモード(左右のバランスやイコライザーをバイパスする機能)は必須で、よほどの理由がない限りはダイレクトモードをオンにして使用していただければと思います。

■PD-30 (CDプレーヤー)
●S/N感はまずまずであり、価格を考慮すると大健闘しているレベルだと思います。
●アンプとは対極的にこちらはクリア系でありますが、慎重に丁寧にサウンドを精錬しているせいか、スピードが遅めであることが「すごく惜しい」といった印象です。
●加えて、こちらは低音が薄く、黒江的にはギリギリ我慢できるか?というくらい明らかにベースやバスが引っ込んでしまう傾向にあります。
●ちょっと気になったのは高域に歪み?破綻?と思わせるような“音割れ”を感じることです。かなりの高音域まで出せるような女性ボーカルや金物系、ピアノなどの高音域(の中でも更に高音部)がクリーンに鳴る場面などでは気になることがあるかもしれません。
●(今話題の?)DSD再生は(サンプルにお借りしたデモ曲が)分析できるジャンルのものでもなく、元々録音の良さそうな曲ばかりの収録でしたので今一つ説得力に欠けると思いますが「SACDとCDを比べた時の感じに近くて、余韻や微弱音の再現性が高く、S/N感と実像感が高い」といった印象を持ちました。

…と、黒江的には『かなり評価は高い』のですが、少し気になる点もちらりほらりと見え隠れする結果となりました。
…が、それでも価格的には『十分に満足できるサウンド』であると思えたのでレポートを書かせていただこうと思った次第です。
それぞれ実売が4万円前後ですので、はじめてのオーディオ入門にぜひご検討ください。

P.S.
ちなみに、見出しの「ちょっと無骨な」の意味ですが…デザインと言いますか、その風体のことです。
(特にビギナーの方には「ちょっと大きすぎるかなぁ…」と思ったり、思わなかったり。)
Pioneerさん、もうちょっとスタイリッシュでスリムなものも出してください!(笑)

Aura vivid & vita

火曜日, 1月 24th, 2012

2012年の1発目は新しいの年のはじまりらしく、タイトルの通りAuraの新製品[Newcomer]からです!

【比翼連理】

こんな四字熟語をご存じでしょうか。

※参考:Wikipedia
語源は中国の漢詩、長恨歌(ちょうごんか)という古い長編の漢詩に登場する一節のようで、原文は『在天願作比翼鳥 在地願爲連理枝』となります。
『天にあっては願わくは比翼の鳥となり、地にあっては願わくは連理の枝となりましょう』…という訳になるそうですが、要は『2つで一対とか、片時も離れずとか、(そのことからも)主に夫婦が仲睦まじい(または「そうなりましょうね)』という意味です。

これを「天にあっては比翼の鳥のように」「地にあっては連理の枝のように」のように短文とし、「比翼の鳥・連理の枝」と簡略されたものを更に略して『比翼連理』となったそうです。
(ちなみに「比翼の鳥」は雌雄が左右それぞれ一翼ずつの鳥で、“雌雄一対”でしか飛ぶことができない鳥です。)

…ということで、もうお分かりいただけた気がしますが(笑)、このvividとvitaは黒江にしては“かなり珍しく”「セットでの購入を強く推奨したいモデル」となりました。
(逆に言えば、単体での購入はちょっとオススメしたくないかもです。)

いつものようにサウンドの傾向をレポートしていきます。
(比較対象はいつもの通り、[Aura neo & TEAC AG-H600]のザ・ステレオ屋リファレンスです。)
なお、まずは[Aura vivid & vita]をセットで組み合わせた際のサウンドについてです。

■[Aura vivid & vita]
●さすがに[neo & AG-H600]にはわずかに劣るものの、上々なハイスピードサウンドです。
●音にキレがあり、シンバルやディストーションの粒立ちもきめ細かく、アタック音も鮮明で明瞭なサウンドです。
●[neo]のようなクールさはさほど感じられず、[neo]よりもやや熱っぽさのある(アグレッシブな)サウンドです。もちろん、暖色・ウォームといった言葉には無縁でそれでもクール系の部類であると思います。
(特にシャウト[ボーカル]はかなり激熱な感じであり、ここ数年の中ではベストかも知れません。)
●[neo & AG-H600]と比べるとややS/N感や解像度が落ちます。(ただし、価格的には申し分ないです。)
●奥行感や上下の高さ、左右の広がりなど、広大なサウンドステージを描く傾向ではありません。
●(矛盾したことを書きますが、)「アグレッシブでありつつもクール」であったり、「やや粗っぽさが感じられるけど繊細」といった両面性を持っている印象があります。(考察は後述いたします。)

…ということで、強いて言えば“クリアネスと(音の)抜け”があと少し欲しい気がしますが、それが備わってしまうと「驚異のCPです!」なんて書かなくてはいけないかもしれないので、価格的には十分(以上)な資質であると思います。

その上でCDプレーヤー[vivid]とアンプ[vita]をそれぞれ単体で聴いたケースのサウンドをレポートいたしますと…

■[Aura vivid]
●かなりのハイスピードです。[neo]にも引けを取りません。
●低域が非常に薄いです。低音フェチではない黒江が「低音が全然出てない…」と、こぼすほどです。
●主に高域の輝度が高く、やや艶掛かっています。
●全体的に音の薄い傾向です。音の芯が目立ち、厚みの無い薄っぺらいサウンドとも言えそうです。
●S/N感はとても高い印象です。

■[Aura vita]
●全体的に重々しく、やや抜けの悪い、やや鈍足気味のサウンドです。
●低域過多の印象で、エッジがしっかりしていないのでタイトさに欠け、且つ解像度も決して高くはないのに量感が多いので余計に目立ちます。
●全体的にどっしりとしたサウンドです。“濃厚”とは言いませんが、シャープなサウンドでないのは確かです。
●情報量の豊富な傾向で、(スペック上の数値面ではなく)ドライブ感・駆動力の高いアンプだと思います。

…と、以上が言葉を選ばすに書きだした雑感です。

更に言葉を選ばずに端的に表現すると『低域の無いシャラシャラしたサウンドのvivid』『高域の無いドワドワしたサウンドのvita』とでも言ってしまおうかと思います。
…が!僕が思うにこの2機種は最初から一対・つがいで使うことを前提に音決め・音作りをされているのではないでしょうか。
そのくらい、(各機の個々のレポートをご覧いただければ分かる通り、)[vivid]と[vita]を組み合わせて聴くことで凸と凹が上手くピッタリと合わさり、絶妙なバランスのサウンドになっているのです。
(組み合わせた時に感じる“矛盾した印象が成立してしまう”のはこれらの対極的な個性が上手く「いいとこ取り」されているからではないかと。)

確かに、[neo]のつがいである[groove]も、[neo]がクール系ならややウォームより、[neo]がキレのあるスピード系ならパワーのあるドライブ系でした。
(※[groove]よりも、もっと暖色でマイルドなものが多いので黒江は[groove]を決して“ウォーム系”とは位置づけておりません。)
このことからもAuraのCDプレーヤーとアンプに対する音の作り方には共通しているものがあると思います。
([neo]や[groove]はそれぞれ単体でも成立するサウンドでしたが、このシリーズは互いに少し個性が強すぎかな?と思っております。)

なので、【比翼連理】です。一生忘れることができないであろう2011年の漢字一文字“絆”です。
デザインの統一感も取れますし、ぜひセットでご検討していただきたいと思います。

P.S.
[vivid]はUSB端子がないのが残念でした。
それにしても、同メーカー同士での聴き比べでも[neo]の良さを再確認してしまいます。
USB端子やCDプレーヤーだけの購入の際はぜひ[neo]にもご指名ください!

ONKYO A-7VL

月曜日, 6月 6th, 2011

前回までの再生ソフトが佳境に入ったところでしたが、今日はちょっと脱線(…というか、いつもの路線に戻って)してアンプのレポートを(急ぎ足で)書きます!

【黒江的サウンドでは至上最高のCP機&至上最高の制約機】
(※最後まできちんと読んでください。)

とにかく、すごいサウンドなのでいつも通りに箇条書きで褒めちぎります!
●もちろん、ハイスピード。
「超」が付いても良いかもしれません。何だかぶっちぎりのスピード感です。

●もっとも強力な武器は「音のキレ」です。
スピードに加えて、かなりのキレを持ったサウンドです。

●低域のタイトさとアタック感。
量感も薄くならず、しっかりと低音が出ている印象であり、深さも上々でありながら輪郭が明瞭です。…なかなかこういった低音を出せるアンプは少ないのではないでしょうか。

●高域の伸びと繊細さもあって、高いレンジ感を誇ります。
低域のみならず、高域も非常にきれいに出ている傾向で、とてもこの価格帯の印象ではありません。
粒立ち・分解能が良好なことに加えて、(粒立ち・分解能が良好であると失われやすい)アタック感もしっかりとしています。
TEAC AG-H600は高域の伸びや繊細さにやや欠けるので、A-7VLを聴いた後にAG-H600を聴くと少し暗く感じます。

●デジタル系の強みか、非常に高いS/N感。
何もない空間にスッと音が現れては消え、現れては消えるようなクリアな見通しです。
TEAC AG-H600のS/N感がやや悪いので、余計に高いS/N感が際立ちます。

続いて、(あまり過度に期待しないでいただきたいので)この辺はもう少しかな?という点です。
○全体的に音が前ががりで、奥行き方向は望めません。
tangentのEXEO AMPと同傾向で、いわゆる「アグレッシブ系」という位置づけです。

○広がりや、定位感はもう少しといったところ。
広がりは黒江も必要としていないのですが、やはり奥行き感の点で楽器の位置関係に少し不満があります。
(左右の位置関係やボーカルの定位は上々です。)

…と、あまり悪い点も無く『奇跡の1台なんじゃ…?』という感じではありますが、最後に大きなオチがあります。
それは『上記すべての印象は「同軸デジタルで接続した際に限る」サウンド』であるということです。

しかも、この印象を持ったのは他ならない当店のリファレンスCDプレーヤーである「Aura neo」を用いた場合(のみ)であり、他のプレーヤーではまったく違った見解(CDプレーヤーのサウンド傾向に依存)となります。

なので、A-7VLだけを購入されても、上記の様なサウンドが得られるわけではないので「要注意」を…。

ちなみに、アナログ入力でのサウンドはというと…、「ノーコメントにしたい」といった印象とだけ…。

でも、トランスポート次第ではメチャクチャいいサウンドだと思うので、ぜひ1度チェックしてみてください!

tangent EXEO AMP and EXEO CDP

火曜日, 11月 30th, 2010

PCオーディオ/ネットワークオーディオプレーヤーに突入する前に、今年最後かも?のアンプとCDプレーヤーのレポートをお届けします。

【tangentらしからぬ、暴力的なドライブ感!】

そろそろお馴染みとなりつつある、ヨーロッパ(EU)の“tangent”から新たなプロダクト、「EXEO(イグジオ)シリーズ」が誕生しました。

tangentと言えば、(僕が監修を務めさせていただいたビギナー向けのオーディオ誌「my-musicstyle」で平原綾香さんに抱っこしてもらった、もとい、僕が手渡した!笑)カラフルなスピーカー『EVO』を代表にHiFi50シリーズの『CDP-50/AMP-50』、HiFi200シリーズの『CDP-200(-EU)/AMP-200(-EU)』などなど、その殆どが「中庸(ニュートラル)な音作り」といった印象でした。

このEXEOも輸入元などから「いわゆるtangentらしいサウンドですよ。」と言われていたので、そんなに期待もせずに試聴してみるのでした。(tangentさん、スミマセン。)

…………が!次の瞬間に出た言葉は「これがtangent(の音)?!」なんですかコレ?全然tangentらしくないじゃないですか!

いつものように書いていきますと…

EXEO AMP
●聴いてすぐに頭に思い浮かんだのは「ドライブ感」という言葉なくらい、グイグイ押し出してくる感じです。(クラス下のPRIMAREみたいな印象。)
●ちょっと雑なんですけど、スピード感もかなり高いです。(軽快とか、シャープな、切れ切れの…という感じではなく、「パンッと張り出すような」元気いっぱいではつらつとしたスピード感。)
●サウンドのカラーレーションはやや赤や黄色を連想させる明るめ。
●その割には高域はちょっと抑え目。(レンジ感として、高域が伸びきっていない。)
●低域は欲張らずに浅めで(価格的にも)無理していないところが好印象です。(タイトに上手く処理されている感じ。)
●奥行き感はありませんが、その分音が前に来るパワー感が高いです。
●音場(サウンドステージ)のS/Nは良好ですが、1音1音のS/N感は今一つで全体的に粗っぽく(荒っぽく)聴こえます。

EXEO COP
●基本的な印象はEXEO AMPと共通していますが、こちらは(価格差ほぼ10倍ですが、音の雰囲気は)「DENSEN BEAT B-400 PLUS」を彷彿とさせるキレのあるハイスピードサウンドです。
●やはり(価格的には仕方がないですが)音にまとまりがなく、四方八方に飛散してしまい、定位感もやや悪いのでちょっと粗雑な感じがします。
●S/N感はアンプよりも良い感じです。

…と、要は「いつもの通り価格を超越するサウンドではないけれど、アグレッシブでハイスピードなサウンドを好まれる方には最近で1番お勧めできるセット」だと思われます。

最後に…何だか、言いたくて言いたくてウズウズしている言葉があるので(これだけ書いたんですが)もっと端的に言わせてください。
「Children of Bodom」を最高のサウンドで聴きたい人(ヤツ)EXEOシステムで聴け!と。(笑)

AMP単体でもよし、CDP単体でもよしなんですが、久しぶりにセット(システム)でお勧めできる感じです。
お値段も「初オーディオ」に持ってこいの価格帯なのでぜひ買ってやってください!

P.S.
このEXEOの印象が他の方と違うのは「(たぶん)聴いているソースが違うから」なので、お気になさらずに!
(※MIDレンジ(中域)がしっかりしている点では、いつものtangentと同様でしたしね。)

TEAC CR-H500NT part.2

木曜日, 11月 18th, 2010

前回は書ききれませんでしたので「TEAC CR-H500NT-B」(「-B」は本体がブラックという意です。)のサウンド傾向をレポートします。

【メタルファンに朗報のオススメ入門機!】

当店がTEACの「PD-H600」と「AG-H600」を非常に気に入っていて、リファレンスにしていることはこのblogをご覧いただいている方の多くが既にご存知かと思いますが、やはり2機のサウンド傾向と同じく「ガツンとした鳴りっぷりの良いサウンド」といった第一印象です。

もちろん、一体型であることや価格面からも「2機を組み合わせたサウンドの廉価版」という感は否めませんが、逆に「このサウンドがよく一体型に収められたもの」と感心するクオリティでもあります。

いつもの通り、思いつきで書き出していきますと…、
●アグレッシブで音がバシバシと飛んでくるような開放的なサウンド。
●「緻密」とか「繊細」という言葉とは無縁?のような豪快&パワフルさを持っています。
●高音はやや寂しい(出切っていない)ですが、低音は思いの外に深さ(重低音までよく出ている)があって、重厚感・情報量もそこそこに感じられます。
●スピード感は「中の上」?「上の下」?という感じで、黒江的には十分合格点です。

要は見出しの通り『(特にバキバキの)メタル向き』な感じのサウンドなんです!

…と、褒めてばかりでは何ですので、気になった点ですが、一番はやはりS/N感で次いで解像度。
簡潔に言えば「少し音が粗く、乱雑でクリアネスが足りない」…と、やはり純然たる「単品コンポ」のクラスには残念ながら及びません。
(まあ、この価格ですから多少の見劣り(聴き劣り)は仕方がないですし、価格以上の音質であることは「太鼓判」で良いと思います!)

しかしながら、「まだ単品コンポまでは手が出せないけどオーディオを少しずつ揃えていきたい」方や、「セカンドシステム」「リビングでコンパクト、且つ本格的なオーディオ」を組みたい方にはオススメしたい製品でした。

で、忘れてはいけないのが(1つ前のレポートの通り)、「インターネットラジオ」機能を搭載していることです。
メタル向きのサウンド傾向、一体型の利便性と省スペース性(って言っても結構大きいですのでご注意を)、国内盤は発売されていないバンドや海外のインディーシーン(インディーズ)まで聴くことが出来るインターネットラジオに『それらを簡単にUSBメモリーに録音出来る+αのおいしいオマケ付き』です。

(特に)メタルファンはぜひチェックしてみください!(J-POPやROCKも全然イケますよ!)

TEAC CR-H500NT

土曜日, 11月 13th, 2010

ちょっと間が空いてしまいましたが、『PCオーディオ/ネットワークオーディオ』レポートの第1弾をお届けします!

【インターネットラジオ搭載のオールインワン最先端。】

まずは「TEAC CR-H500NT-B」です。
CDは当然のこと、アナログレコードのPHONOに、iPodやUSBメモリー内のMP3なども再生可能。
さらにFM/AMチューナーまで付いていている、いわゆるオールインワンと呼ばれるタイプの製品ですが、これに加えてインターネットラジオまでもが搭載されているのが特徴であり最大のウリです。

本題の前に『インターネットラジオ』とは…読んで字のごとくインターネットを介したラジオのこと。なのですが、最大の利点はインターネットの特性と同じく「世界中の(WEBサイトが見れる=)ラジオ局が聴ける」ことにあります。
CR-H500NTはLANを介して「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」という世界中のインターネットラジオ局が15,000局以上も登録されているインターネットラジオ局を包括・網羅するWEBサイトにアクセス(連携)してラジオを聴くことが出来るようになっています。

言わば「世界中のありとあらゆるジャンルがいつでも聴けるジュークボックス状態」。これがインターネットラジオというものです。

また、まったく知らない曲やアーティストでも、選局中のラジオ局から情報が送られてきているので「はじめて聴く曲でもすぐに詳細を知ることが出来る」のもありがたいですよね。
パソコンだけでもインターネットラジオは楽しめますが、「CR-H500NT」のようなインターネットラジオ機能を持った専用機があれば音質も良く、パソコンを他の用途に注力させることができます。

そして、「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトではラジオ局のリストアップや検索、お気に入りのラジオ局や新しく見つけたラジオ曲の登録をすることが出来ます。(要メンバー登録)
この機能がかなり便利で、例えばすでに「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」に登録されているラジオ局であれば語句やアーティスト名で検索すれば該当のラジオ局がすぐに見かりますので、気に入ったラジオ局ならお気に入りに入れておくだけ。
すると「CR-H500NT」ですぐに選局することが出来るようになるのです。要は「FRONTIER SILICON Wi-Fi Radio Portal」というWEBサイトを通じて「CR-H500NT」のインターネットラジオ機能をパソコンから制御することが出来るというワケです。(再生や録音、選局などの操作が出来るというワケではないのでご注意を。)

(まだそんなに実践していませんが、例えば北欧スウェーデンのインディーシーンのデスメタルバンドばかりを集めたラジオ局があれば(あればですが)、未来の大物バンドを早くから発見・聴くことができるかも!?)

これだけではありません。
「CR-H500NT」ならインターネットラジオはもちろん、CD/FM/AMなどのサウンドはUSB端子に挿しこまれているUSBメモリーにMP3形式などで録音することも出来るんです。
つまり、(USBメモリーの容量が足りていれば)1日中だってインターネットラジオを録りためることができ、パソコンなどで気軽に再生することができるのです!
これは便利な機能じゃないかなぁーと、個人的には思っています。(録音したMP3などでは曲の詳細などは記録されませんのでアーティスト名などを調べるのは苦労しそうですが…。)

…と、長くなってしまったので肝心な「CR-H500NT」のサウンド傾向などはまた次回にでも。

http://www.wifiradio-frontier.com/

NuForce Icon2 and Icon uDAC2(μDAC2)

土曜日, 9月 18th, 2010

タイトル通り、本日発売のNuForce Iconシリーズをいち早く試聴することが出来ましたので、早速レポートします。

【完璧な進化を遂げたコンパクトアンプ】

とりあえず、結論から書きましょう。
Icon2は『アンプとして成り立つレベルまで進化した』と言え、個人的にはかなりの高評価となりました!

幾つかポイントがありますが、

まず、もっとも評価したいのが…
車で言うエンジン(スピーカーを大きな音で鳴らせるか)が、12Wから24Wと倍増したことはスペックで明確ですが、きちんとボリュームを大きくしてスピーカーを鳴らせるようになりました。
…これは、以前の初代モデルでは『ボリュームを最大にしても音の大きさが小さく、(それでも近距離・室内・小音量で使う分には十分でしたが)アンプとしてはあまりにも非力』だったこと、
『加えて、その最大値の2/3くらいの音量以上になると、明らかに音が歪んだり割れたりしてしまうので、どのみち実用的ではなかった』ため、僕は『アンプはおまけに近い』とも表現したことがあるくらいでした。

…が、Icon2は違います。
『爆音』…とまではいきませんが、いわゆる大音量くらいまでは充分に音量を上げることが出来、(それでもある程度以上の音量になるとやはり歪んだり割れたりしてしまいますが、)かなりの音量に達するまで歪みや割れは発生しません。
(今回使用した「HAYDN GRAND SPECIAL EDITION (インピーダンス:4Ω/能率:88.5dB)」の場合、縦置きにしてちょうど(時計の短針が)12時を指すあたりが限界でした。(←かなりの音量です。))
普通の使用環境であれば非力さに悩むことがなくなることと思われます。

次に、基本的な音質の向上です。(これまた明らかに異なります。)
まずS/Nです。細かい音がよく聴こえるようになり、音の位置関係、音の粒の大きさ(面積・体積)がしっかりと分かるようになりました。
立ち上がり、音の抜け、スピード感も上々で、簡潔に言えば「Icon2を聴いた後に初代モデルを聴くとモヤモヤ・モワモワしていて聴けたものじゃない」というくらいの変化です。(但し、中音量以上の場合。)
そのくらいに1音1音がスッキリしていて、クリアになっています。

ちなみに、注目の点は付属の「ACアダプター」です。
初代Iconには25WのACアダプターが付属しており、(その非力さをカバーするために)強化電源と呼ばれる45WのACアダプターを発売した経緯がありますが、Icon2には(なんと!)60WのACアダプターが最初から付いてくるのです。
しかも、コンセントとの接続はIECインレットとなっているので、電源ケーブルの交換も可能です。(強化電源はコネクターが特殊でケーブル交換が難儀でした…。)
早速、お気に入りの電源ケーブルに交換してみたところ、期待通りに音質・傾向が改善しました。これは嬉しい誤算?でした。

以前から評価の高かった(高音質な)ヘッドホン出力も健在、パソコンのサウンドを手軽に高音質に出来るUSB-DACもスペックがほぼ倍増し、より透明感の高いサウンドになっています。
試聴をするまでは「価格がちょっと上がりすぎたかな?」…とも思っていましたが、価格差以上で十分にお釣りがくる向上だと(黒江的)太鼓判を押させていただきます。

…なのですが、必要以上には期待はしないでください(ね)。
あくまでコンパクトアンプとしての評価ですから、通常サイズ(やハーフサイズ)のアンプには及ばない点も多くありますし、「XX万円を凌駕する!」…なんてことではありません。

例えば、「ボリュームが12時以上になると歪みや割れが出る」のも、正確に言えば「ボリュームが12時以上になると歪みや割れが“目立つ”」ということであり、12時以前でも「目立たないだけで」歪んだり割れているわけです。
(もちろん、それが「良い味」を出している場合も多々ですし、個人的にはIcon2の味は「ストライク」なのでかえってプラスに捉えてしまっていますが…。笑)

とにかく、初代Iconのスピーカー出力に不満をお持ちだった方はもちろん、新たにコンパクトなオーディオを組んでみたい方にはマストなアイテムになると思います!
デザイン良し、パソコン繋いで良し、ヘッドホン繋いで良し、スピーカーもこなせるようになった「Icon2」オススメです!

今なら、各色在庫ございます!

…長くなってしまったので、一旦区切らせていただきます。続きは出来次第また更新させていただきます!

P.S.
めんどくさかったのもありますが、初代IconとIcon2は「Icon2に付属していた、まったく同じACアダプター・(付属の)SPケーブル」を使用して比較しています。

Icon2はシリアルナンバーのところにかろうじて「Icon2」と書いてあるので見分けがつきます。

Icon2はシリアルナンバーのところにかろうじて「Icon2」と書いてあるので見分けがつきます。

(奥に見えている)初代Iconとデザイン(外観&端子部)は全く同じで見分けがつきません。

(奥に見えている)初代Iconとデザイン(外観&端子部)は全く同じで見分けがつきません。

Cambridge Audio azur 650C & azur 650A

火曜日, 6月 15th, 2010

今回は、表題のCambridge Audio(ケンブリッジ・オーディオ)社から新たに発売されたazur 650システムを紹介します。

【スタンダードであり、ベーシックであり、ビギナーであり、エントリーなシステム。】

まず、滅多に(特にローコストモデルは)見た目のことから書かないのですが、このazur(アズール)はエントリークラス(は価格を抑えるためにどうしても安い素材、薄い素材を使用しなくてはならない)なのに高級感がすごくあることにびっくりします。

もちろん、採算度外視で高級な材質をふんだんに使用しているわけでもありませんし、特別に有名なデザイナーが設計したとかでもないですし、(他のメーカー同様に)底板にはビスが出ていたりもするので「驚異的な高級感」…というわけではないのですが、「天板の中央手前に同社のロゴをエンボス(風?)加工」していたり、「プラスチック感満載」とか「なんかカチャカチャしてておもちゃっぽい」…といった要素がなく、作りが丁寧で安っぽく感じないのです。

購入時のパッケージ(梱包箱)も段ボールって感じじゃなくて、ノートパソコンとかみたいにツルっとした光沢紙の厚紙にプラスチックの取っ手が付いたような化粧箱タイプ(分かります?)で、「今までのオーディオ」といった感じがありません。
なんか、「これからのオーディオ=次世代のメーカー」とでも言いたげな感じです。(って言いましても、ケンブリッジオーディオは結構歴史あるブランドなんですけどね…。^-^;)

サウンドにも正にそういったプロダクトに対する心意気みたいなものが表れていて…、

●いわゆる「オーディオ・オーディオした(作りこまれた旧態依然)サウンド」ではない。
●良くも悪くも「どんなジャンルでも無難に鳴らせそう」なニュートラルな印象。
●ほんのり艶やか、ちょっとしっとり。
●かっちり、きっちり、切れ・スピード感といった傾向ではない。
●明るく、力強く、パワーで押してくる傾向でもない。
●「明瞭・すっきり」といった透明感(S/Nの高さ)ではなく、「音に淀みがない・ザワつきがない」という透明感(S/Nの高さ)の高さを感じます。
●男女共にボーカルは抜群で、声の質感や(もちろんそれぞれの歌手を目の前の生で聴いたことはないんですが…!^-^;)声のリアリティは同価格帯でも群を抜いている感じです。

音の傾向に関しては前述の通り「ニュートラル」が基調なので、総じて癖の強い音には感じられませんでした。
(そういうヤツほど、「褒めどころが難しい」んですよね…。)

ですが、「この価格でこのサウンドが手に入る」という点では非常に高いCPを持っていて「輸入ブランドは国産ブランドよりCPが悪い」と思われ(言われ)がちですが、(僕は元々そんなこと思っていませんが)同価格帯~1クラス上の10数万円クラスあたりまでとならガチンコで聴き比べても聴き劣りしないと思います!

これからオーディオをはじめられる方、1クラスグレードアップをご検討中の方、J-POPやボーカルものを中心に、CLASSIC・HARD ROCKあたりまでが中心ジャンルの方はぜひazurも選択肢に入れてみてください!